安倍はなぜやめたか
自民党憲法改正草案を読む/番外382(情報の読み方)
2020年08月29日の読売新聞(西部版14版)。1面。
私は、この「見出し」を鵜呑みにはできない。
私の見るところ、安倍のいちばんの欠点は批判に耐えられないことである。国会答弁などでも批判されるとムキになる。
安倍がいちばん批判されたくないことは何か。
「病気」ではないだろう。「病気」はみんなが同情してくれる。今回の辞任前後の動きを見ても、みんなが同情している。麻生、甘利の訴えは異常なくらいである。
何がいちばん原因なのか。
いま起きている「コロナ」で何がいちばん問題なのかは、私から見れば「感染の拡大」である。しかし、安倍(政権)はそうは考えていない。それは、28日に発表されたコロナ対策の「政策パッケージ」を見れば明らかである。(安倍は、会見でいちばん最初に、政策パッケージのことを語った。)
この政策のいちばんのポイントは、(読売新聞が2面で掲載している「ポイント」の最初に書かれているのは、
このまま読めば、特におかしい点はないのだが、なぜ軽症者・無症状者は「入院」ではなく、「宿泊療養」なのか。「入院」だと何が困るのか。病床が足りなくなる、ということが考えられるが、これは中国がやったように病棟を建設すればすむ。それができないのはなぜ?
簡単に言えば、金がないのだ。
軽症者・無症状者が入院しては、病院ももうからない。「医療資源を重症者に重点化」というのは聞こえはいいが、「重症者」は病院で受け入れるしかないが、その他は経営圧迫に拍車がかかるので入院してもらっては困る、ということだ。
これはコロナが発生したときから、「医療崩壊が起きる」ということばで間接的に語られたことである。コロナは金儲けにならない。実際、コロナ患者を受け入れたために、経営が悪化したという病院が続出した。
でも、国民の健康が第一ではないのか。税金を医療に投入するときではないのか、と私は思うのだが。
ここで思い出したいのが、アベノミクスということばでアピールし続けてきた「景気拡大」の嘘。
安倍は、安倍政権になって以来、景気はよくなったと言い続けた。一時は、戦後最大の景気拡大期間が盛んにいわれた。ところが、コロナ拡大の真っ最中の7月に、内閣府の「景気動向指数研究会」が、実際には18年10月に景気は景気後退に転じていたとの判断を下した。アベノミクスによる「戦後最長景気」は、嘘だった。
コロナが始まる前から景気は後退している。その後退期間は、もうすぐ「2年」になる。今年の10月には「後退期間2年」になってしまう。しかも、コロナの影響で、その「後退幅」は拡大している。
金(税収)をどうするんだ。
この問題が、これから大きくなってくる。それは言い直せば、アベノミクスとは一体なんだったのだ。ことばだけの嘘だったのではないか、ということが検証されるということだ。
安倍は、この追及(批判)に耐えられないのだ。自分でつくりだした「アベノミクス」が批判されることに我慢できない。
森友学園、加計学園、桜を見る会。一連の文書改竄、文書廃棄。こういう問題は、「ぼくちゃん知らない。ぼくちゃん何もしないない。官僚が勝手にやったこと」と言い逃れることができる。実際、「文書」がないので、追及できない。
ところが「景気(税収)」は、「記録」が残っている。すでに「戦後最長の経済拡大期」が嘘だとわかってしまった。これから、つぎつぎにアベノミクスの嘘が発覚する。
金を投入できないから、嘘がばれてしまう。
このことを裏付けるように、コロナのさなかだというのに「GOTOキャンペーンをしないと経済が回らない」とか「消費税を上げる必要がある」という議論が出ている。
金が、ほんとうに、ないのだ。
金がないだけではなく、どうやって金を工面すべきか、安倍には考えられないのだ。
私は、簡単に、防衛費をゼロにして、それを全部医療にまわせと言ってしまうが、そんなことをすれば、アメリカから「武器購入の約束はどうした」と批判される。アメリカからの批判に安倍は耐えられない。金をばらまかなければ、アメリカから批判される。
これが、安倍には耐えられない。
だからこそ、辞任会見でも「安全保障」について、北朝鮮の驚異を引き合いに出して、これからは「迎撃防衛ではダメだ」と主張している。それを次期政権に引き継ぐと言っている。これは「先制攻撃のための武器をアメリカから買う」ということだ。そうすることでアメリカの歓心を買うということだ。辞任したあとも、安倍はアメリカから評価されることを期待しているのだ。
前回の突然の「病気理由辞任」のときも、実はアメリカとの「交渉(約束)」が期限までに国会を通らないことが原因、と一説でいわれた。(そういうような記事を読んだ記憶がある。具体的に「交渉ごと」が何だったか記憶していない。)そのときも、安倍はアメリカからの批判に耐えられず、後任に「丸投げした」といわれた。
安倍は、金ですべてを解決してきた人間なのだろう。だから、金が工面できないのはおまえのせいだ、と批判されると、どうしていいかわからなくなるのだろう。
安倍の「持病」はストレスが要因ともいう。経済後退が18年10月に始まっていたという指摘(批判)こそが、安倍を窮地に追い込んだのではないか、と私は思っている。経済の落ち込みがコロナだけによるものなら、きっと安倍はアベノミクスは批判されないし、「GOTOキャンペーン」も「成果があった」と言えただろう。たぶん、「GOTOキャンペーン」にいちばん期待したのは観光業者ではなく、安倍自身だったのだ。でも、成果がなかった。安倍の経済政策はことごとく失敗し、国に金がなくなっている。
これが原因なのだ。
だから。
これから、ほんとうにたいへんなことが起きる。
安倍は「働きながら、コロナ対策をする」という政策を、次期政権に引き渡したのだ。あとは「ぼくちゃん病気だから治療に専念する。次のひと、よろしくね」と逃げたのだ。時期首相の「候補」から麻生がさっさと身を引いているのも「しもじもの貧乏人のことなんかめんどう見ていられるか」ということだろう。「財政通」であるはずなのに、今後の金の問題なんか、知らない、と逃げているのだ。安倍と二人三脚で逃げ出したのだ。
インフルエンザかコロナ感染か、あるいはふつうの風邪(?)なのかわからないまま、国民は日々の生活を守るために働き続けるしかない。国は金持ちの面倒しか見ない、という時代が始まる。
*
「情報の読み方」は9月1日から、notoに移行します。
https://note.com/yachi_shuso1953
でお読みください。
#安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位
*
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自民党憲法改正草案を読む/番外382(情報の読み方)
2020年08月29日の読売新聞(西部版14版)。1面。
安倍首相辞任表明/コロナ下 持病悪化
私は、この「見出し」を鵜呑みにはできない。
私の見るところ、安倍のいちばんの欠点は批判に耐えられないことである。国会答弁などでも批判されるとムキになる。
安倍がいちばん批判されたくないことは何か。
「病気」ではないだろう。「病気」はみんなが同情してくれる。今回の辞任前後の動きを見ても、みんなが同情している。麻生、甘利の訴えは異常なくらいである。
何がいちばん原因なのか。
いま起きている「コロナ」で何がいちばん問題なのかは、私から見れば「感染の拡大」である。しかし、安倍(政権)はそうは考えていない。それは、28日に発表されたコロナ対策の「政策パッケージ」を見れば明らかである。(安倍は、会見でいちばん最初に、政策パッケージのことを語った。)
この政策のいちばんのポイントは、(読売新聞が2面で掲載している「ポイント」の最初に書かれているのは、
軽症者・無症状者は宿泊療養を徹底し、医療資源を重症者に重点化
このまま読めば、特におかしい点はないのだが、なぜ軽症者・無症状者は「入院」ではなく、「宿泊療養」なのか。「入院」だと何が困るのか。病床が足りなくなる、ということが考えられるが、これは中国がやったように病棟を建設すればすむ。それができないのはなぜ?
簡単に言えば、金がないのだ。
軽症者・無症状者が入院しては、病院ももうからない。「医療資源を重症者に重点化」というのは聞こえはいいが、「重症者」は病院で受け入れるしかないが、その他は経営圧迫に拍車がかかるので入院してもらっては困る、ということだ。
これはコロナが発生したときから、「医療崩壊が起きる」ということばで間接的に語られたことである。コロナは金儲けにならない。実際、コロナ患者を受け入れたために、経営が悪化したという病院が続出した。
でも、国民の健康が第一ではないのか。税金を医療に投入するときではないのか、と私は思うのだが。
ここで思い出したいのが、アベノミクスということばでアピールし続けてきた「景気拡大」の嘘。
安倍は、安倍政権になって以来、景気はよくなったと言い続けた。一時は、戦後最大の景気拡大期間が盛んにいわれた。ところが、コロナ拡大の真っ最中の7月に、内閣府の「景気動向指数研究会」が、実際には18年10月に景気は景気後退に転じていたとの判断を下した。アベノミクスによる「戦後最長景気」は、嘘だった。
コロナが始まる前から景気は後退している。その後退期間は、もうすぐ「2年」になる。今年の10月には「後退期間2年」になってしまう。しかも、コロナの影響で、その「後退幅」は拡大している。
金(税収)をどうするんだ。
この問題が、これから大きくなってくる。それは言い直せば、アベノミクスとは一体なんだったのだ。ことばだけの嘘だったのではないか、ということが検証されるということだ。
安倍は、この追及(批判)に耐えられないのだ。自分でつくりだした「アベノミクス」が批判されることに我慢できない。
森友学園、加計学園、桜を見る会。一連の文書改竄、文書廃棄。こういう問題は、「ぼくちゃん知らない。ぼくちゃん何もしないない。官僚が勝手にやったこと」と言い逃れることができる。実際、「文書」がないので、追及できない。
ところが「景気(税収)」は、「記録」が残っている。すでに「戦後最長の経済拡大期」が嘘だとわかってしまった。これから、つぎつぎにアベノミクスの嘘が発覚する。
金を投入できないから、嘘がばれてしまう。
このことを裏付けるように、コロナのさなかだというのに「GOTOキャンペーンをしないと経済が回らない」とか「消費税を上げる必要がある」という議論が出ている。
金が、ほんとうに、ないのだ。
金がないだけではなく、どうやって金を工面すべきか、安倍には考えられないのだ。
私は、簡単に、防衛費をゼロにして、それを全部医療にまわせと言ってしまうが、そんなことをすれば、アメリカから「武器購入の約束はどうした」と批判される。アメリカからの批判に安倍は耐えられない。金をばらまかなければ、アメリカから批判される。
これが、安倍には耐えられない。
だからこそ、辞任会見でも「安全保障」について、北朝鮮の驚異を引き合いに出して、これからは「迎撃防衛ではダメだ」と主張している。それを次期政権に引き継ぐと言っている。これは「先制攻撃のための武器をアメリカから買う」ということだ。そうすることでアメリカの歓心を買うということだ。辞任したあとも、安倍はアメリカから評価されることを期待しているのだ。
前回の突然の「病気理由辞任」のときも、実はアメリカとの「交渉(約束)」が期限までに国会を通らないことが原因、と一説でいわれた。(そういうような記事を読んだ記憶がある。具体的に「交渉ごと」が何だったか記憶していない。)そのときも、安倍はアメリカからの批判に耐えられず、後任に「丸投げした」といわれた。
安倍は、金ですべてを解決してきた人間なのだろう。だから、金が工面できないのはおまえのせいだ、と批判されると、どうしていいかわからなくなるのだろう。
安倍の「持病」はストレスが要因ともいう。経済後退が18年10月に始まっていたという指摘(批判)こそが、安倍を窮地に追い込んだのではないか、と私は思っている。経済の落ち込みがコロナだけによるものなら、きっと安倍はアベノミクスは批判されないし、「GOTOキャンペーン」も「成果があった」と言えただろう。たぶん、「GOTOキャンペーン」にいちばん期待したのは観光業者ではなく、安倍自身だったのだ。でも、成果がなかった。安倍の経済政策はことごとく失敗し、国に金がなくなっている。
これが原因なのだ。
だから。
これから、ほんとうにたいへんなことが起きる。
安倍は「働きながら、コロナ対策をする」という政策を、次期政権に引き渡したのだ。あとは「ぼくちゃん病気だから治療に専念する。次のひと、よろしくね」と逃げたのだ。時期首相の「候補」から麻生がさっさと身を引いているのも「しもじもの貧乏人のことなんかめんどう見ていられるか」ということだろう。「財政通」であるはずなのに、今後の金の問題なんか、知らない、と逃げているのだ。安倍と二人三脚で逃げ出したのだ。
インフルエンザかコロナ感染か、あるいはふつうの風邪(?)なのかわからないまま、国民は日々の生活を守るために働き続けるしかない。国は金持ちの面倒しか見ない、という時代が始まる。
*
「情報の読み方」は9月1日から、notoに移行します。
https://note.com/yachi_shuso1953
でお読みください。
#安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位
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「天皇の悲鳴」(1000円、送料別)はオンデマンド出版です。
アマゾンや一般書店では購入できません。
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