ジョージ・ミラー監督「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(★★★)
監督 ジョージ・ミラー 出演 暴走車、砂漠、トム・ハーディ、シャーリーズ・セロン
コロナウィルス拡大のため、客が入りそうな(人気のあった)過去の映画が再映されている。「マッドマックス 怒りのデス・ロード」もその一本。初公開は2016年。目の調子が悪いときだった。予告編で、おもしろそうだけれど目が疲れるだろうなあと思い敬遠して見なかった。いまも目の調子は悪いが、調子の悪さにも慣れたので、見てみた。
予想通り、目が疲れた。
映画は、ひたすら「映像」と「音楽」に終始している。オペラのようなものだ。ここまでやってしまうと、快感である。ストーリーなんか、どうでもいい。シャーリーズ・セロンが出ているが、美形であろうがなかろうが、もうほとんど関係がない。
タンクローリーのような車でシャーリーズ・セロンが逃げる。それを「トラック野郎」軍団が追いかける。ひたすら逃げ、ひたすら追いかける。うーん。なつかしいなつかしい、「激突」の世界。
スピルバーグは1対1の逃げる、追いかけるを「人間」を排除して描くことで、タンクローリー(だったっけ?)に「人格」を持たせた。タンクローリーの面構えが魅力的だった。逃げる車なんか、どうでもいい。踏み切りで、列車が通りすぎるのを待つ。そのときタンクローリーがぐいぐいと押す。セダンの男は必死になってブレーキを踏む。そのとき、「がんばれ」と応援してしまうのは、逃げる男に対してではなく、タンクローリーに対してだ。もっと押せよ。それくらいのパワーはあるだろう。思いっきり感情移入してしまう。だから、最後、タンクローリーが、クラクション(というより警笛ということばの方がぴったりくる)を鳴らしながらがけ下へ落ちていくのを見るときは、それが悲鳴に聞こえてしまう。あと、もうちょっとだったのに……。
この映画は、それを踏襲していることになるだろう。逃げる方も、追いかける方も人数が増えているので、悲壮感(?)はない。お祭りだ。だから、オペラになる。人間なんか、どうでもいい。トム・ハーディやシャーリーズ・セロンがどんな過去を背負っているか、どんな未来を夢見ているか。そういう「説明」がカットバックで入ってくるたびに、ああ、めんどうくさいと思ってしまう。
そういう「時間(ストーリー)」は放り出して、ただ逃げる、追いかける、攻撃する、というのがわくわくする。どうせ映画なのだから、現実にはありえないものをどれだけ繰り広げるかだけが重要なのだ。妊婦の事故死(?)もシャーリーズ・セロンやトム・ハーディの不死身も、ありえないからこそおもしろい。トム・ハーディは、メル・ギブソンに比べて「美形度」が落ちるのが残念だった。こういう荒唐無稽には「絶対的美形」が必要なのだ。まあ、それでシャーリーズ・セロンが駆り出されているのだろうけれど。
(中洲大洋、スクリーン1、2020年08月01日)
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また朝日カルチャーセンター福岡でも、講座を開いています。
毎月第1、第3月曜日13時-14時30分。
〒812-0011 福岡県福岡市博多区博多駅前2-1-1
電話 092-431-7751 / FAX 092-412-8571
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2016年の「象徴としての務め」メッセージにこめられた天皇の真意と、安倍政権の攻防を描く。
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監督 ジョージ・ミラー 出演 暴走車、砂漠、トム・ハーディ、シャーリーズ・セロン
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予想通り、目が疲れた。
映画は、ひたすら「映像」と「音楽」に終始している。オペラのようなものだ。ここまでやってしまうと、快感である。ストーリーなんか、どうでもいい。シャーリーズ・セロンが出ているが、美形であろうがなかろうが、もうほとんど関係がない。
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この映画は、それを踏襲していることになるだろう。逃げる方も、追いかける方も人数が増えているので、悲壮感(?)はない。お祭りだ。だから、オペラになる。人間なんか、どうでもいい。トム・ハーディやシャーリーズ・セロンがどんな過去を背負っているか、どんな未来を夢見ているか。そういう「説明」がカットバックで入ってくるたびに、ああ、めんどうくさいと思ってしまう。
そういう「時間(ストーリー)」は放り出して、ただ逃げる、追いかける、攻撃する、というのがわくわくする。どうせ映画なのだから、現実にはありえないものをどれだけ繰り広げるかだけが重要なのだ。妊婦の事故死(?)もシャーリーズ・セロンやトム・ハーディの不死身も、ありえないからこそおもしろい。トム・ハーディは、メル・ギブソンに比べて「美形度」が落ちるのが残念だった。こういう荒唐無稽には「絶対的美形」が必要なのだ。まあ、それでシャーリーズ・セロンが駆り出されているのだろうけれど。
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