詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

三木清「人生論ノート」から「個性について」

2023-03-05 23:07:51 | 考える日記

 長い文章。他のエッセイよりも若いときに書いたせいか「気負い」のようなものがあり、とてもむずかしい。18歳のイタリア人は、前回は読み進むことがむずかしく、前半で時間切れになったのだが。
 今回読み進んだ後半は、前半の「要約」というか、言い直しなので、一気に読み終わってしまった。最初から最後まで通読し、そのあと後半の「精読」という形で進めたのだが、すでに「個性とは個人がつくりだしていくもの」という主張が把握できているので「個性は宇宙の生ける鏡であって、一にして一切なる存在である」という後半の書き出しをつかみ取ると、あとは一気呵成。すべての文章が、この「個性は宇宙の生ける鏡であって、一にして一切なる存在である」の言い直しであると理解した。
 創造と自由について補足したかったのだが、それをすると私の三木清観の押しつけになってしまいそうなので、それはしなかった。
 あまった時間で「我が青春」と「読書遍歴」を読み進んだのだが、「人生論ノートは考えないとわからないが、これは考えなくてもわかる」。
 さらに「人生論ノート」の「後記」に書いてあった、「若いときの文章」という部分にふれて、「むずかしいのは(むずかしいことばが多いのは)、まだ背伸びして書いているからだね、君の作文みたいだね」というと、「それを言おうとしていた」という感想。
 いやあ、ものすごいなあ。自分で書いている作文の「問題点」もきちんと把握している。
 教えながら感心してしまう。
 次回からは「天声人語」をテキストにするのだけれど、難なく読みこなすだろうなあ。速読というか、多彩な語彙を身につけるために読むのだから、「天声人語」が適切だと思うのだが、「哲学を読みたい」とリクエストされてしまった。

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Estoy Loco por España(番外篇313)Obra, Joaquín Llorens

2023-03-05 20:48:47 | estoy loco por espana

Obra, Joaquín Llorens

Como en los trampantojos de Escher, la superficie horizontal de arriba se encuentra con la de abajo en el espacio. La escultura de Joaquín deforma el espacio de forma misteriosa. Entonces la memoria y el tiempo se distorsionan.
Escribí este poema inspirado por su obra.

La esquina de la calle donde nos conocimos es 
la esquina de la calle donde nos separamos.

¿Cuál es la verdad?
¿Cuál de los dos cometió un error?

Una cosa es cierta.
Ese día nunca volverá a nosotros.

¿Pero sabes? 
Ese día todavía está en mi corazón.

No sólo me pone triste mi memoria.
sino tambien me hace soñar.

La esquina de la calle donde nos separamos es
La esquina de la calle donde nos conocimos

 

エッシャーのだまし絵のように、上の水平な面と下の水平の面は、中空で出会っている。それは見る角度が引き起こす錯覚なのか、それとも真実なのか。Joaquin の彫刻は、空間を不思議な形に変形させる。記憶と時間が、そのときゆがむ。
こんな詩を書いてみた。


君と会ったあの街角は
君と別れたあの街角だ

どちらが本当なのだろうか
どちらが間違えたのだろうか

たしかなことは一つだけある
あの日はもう戻ってこない

だが、君は知っているかい? 
あの日はいまも私の胸のなかにある

私を悲しませるだけではない
私を夢見させる

君と別れたあの街角は
君と会ったあの街角だ

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