福岡発 コリアフリークなBlog

韓国や韓国語に関するオタクの雑学メモ。韓国映画はネタバレあり。 Since 2005/9.14

「にあんちゃん」だって!?

2005年10月14日 |   〇在日コリアン

■ 니안짱·행복을 찾는 니노
ニアンチャン・幸せを探すニノ
(韓国日報 10月14日付け)

・・ ・・

いやぁ・・・この記事にも驚かされたなぁ。

見出しからもわかるように、この記事は日本の「にあんちゃん」、
ブラジルの「幸せを探すニノ」、そして韓国の「저 하늘에도 슬픔이
(ユンボギの日記)」の三つの作品についての回想や紹介が
中心だった。しかし、そういう物語は決して遠い世界の話ではなく、
現代の韓国にも、今もなお厳しい貧困の中を生きている人々が
大勢存在している事実に思いを馳せながら、そういう人々を
置き去りにしたまま、富める人々が享受している「幸福の質」を
問い直すことが、真の主題となったメッセージ性の濃い記事であった。

それにしても「にあんちゃん」だなんて・・・

この本は、昭和20年代の末、佐賀県の炭鉱町を舞台に、
両親をなくした四人の兄弟姉妹がおりなす日常を、末っ子の
小学生がつづった日記が元になっている。彼女を暖かく見守った
担任教師の手から出版社へと移ったその日記が「にあんちゃん」と
いう題名で1958(昭和33)年に出版され、たちまちベストセラーに
なったのである。

貧しくとも希望を失わず、周囲の協力にも助けられながら、
たくましく生きる兄弟姉妹の生活をつづった素朴な日記は、
家族や人間のぬくもりを伝えるヒューマンな応援歌ともなり、
戦後の貧しい時代を歯をくいしばりながら生きていた同時代の
多くの日本人の共感を呼び起こした。

1959(昭和34)年には今村昌平監督のメガホンで映画化も
されている。

作者家族が在日韓国人だったということもあってか、この日記は
韓国でも大きな注目を集め、翻訳本もかなりの人気を集めたようだ。

そういう意味では、「にあんちゃん」は海峡を越えた応援歌とも
なったのである。

実は、僕は、1980年代末のプサンで、この「にあんちゃん」の
翻訳本を買っている。現在、手元にないし、読んだかどうかも
はっきり覚えていないが・・・。

この「にあんちゃん」に限らず、日本のベストセラーは、ほぼ全て
韓国語に翻訳されてきたと言っても過言ではないだろう。

現在でも韓国では、合法・非合法を問わず(!?)日本の小説が
たくさん紹介され、広く人気を得ている。

今年に入ってからも、ソウルにある韓国最大の書店であるキョウボ
文庫で販売された月間「小説ベスト100」(2005年6月)の中に、
日本人作家の小説(翻訳本)が27冊も入り、韓国人作家の22冊を
追い抜いたことが新聞紙上で話題になっていた。
(僕が確認した記事は2005年7月4日付けの中央日報の記事)

・・・・・・・・

翻訳本とは言え、日本の小説をこれだけたくさん読んでくれて
いる国が、日本以外に、はたして存在するだろうか?


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中国の人名・地名をめぐって(2)

2005年10月14日 |   〇世界を読む

前回、「中国の人名・地名をめぐって」の記事で、韓国の外来語、
特に中国と日本の漢字による人名・地名についての現地音中心の
表記原則について書いた。

ところで、その関連記事の翻訳練習の中で僕が使った「네이멍구
(内蒙古)」という表記について、ある韓国人会員の方から、「내몽고
(家蒙古)」という韓国語音表記の方がいいという指摘を受けた。

韓国文教部の表記原則に則れば、네이멍구が望ましい表記で
あることは間違いないが、慣用的に慣れ親しんだ내몽고という
表記も許容されている。

こういう時、便利なのがYahoo!Koreaのウェブ文書検索だ。

この検索で表示される、当該の単語を含んだ文書のヒット数が、
特定の韓国語表現についての使用頻度や使用の実態をつかむ
一つの目安になるのだ。

例えば、「内蒙古」に関わる上記の2種類の表記については、
それぞれ、次のようなヒット数を記録した。(10月14日現在)

・・ ・・

네이멍구   2,970
내몽고      59,800

・・ ・・

やはり、会員の指摘の通り、慣用的な韓国語音による내몽고表記の
方が圧倒的に多い。現地音表記の原則があるとは言うものの、
実際には、「内蒙古」については、まだまだ慣用的な韓国語音に
よる表記の方が一般的に多く使われている。あるいは、慣用的な
表記による文書が多く目に付く実情にあることがわかる。

ただ、やはり地名表記一般ついては、北京や上海のように、使用
頻度の高い地名から、徐々に現地音表記中心にシフトして行って
いるのではないかと思われる。

それを裏付けるように、地名に比べ「慣用」の影響を受けにくい
現代人の人名については、次に紹介するYahoo!Koreaのヒット数を
見ても、文教部の原則が、時代が新しくなるにつれて徹底してきて
いることがわかる。


<Yahoo!Korea ウェブ文書ヒット数> 
(※上から日本語-現地音-韓国語音 10月14日現在)

四川
쓰촨 73,700
중국 사천 156,000

重慶
충칭 66,300
중국 중경 127,000

大連
다롄 58,900
중국 대련 180,000

北京
베이징
2,540,000
북경 2,160,000

上海
상하이 1,350,000
상해 2,450,000

南京
난징 135,000
남경 319,000

青島
칭다오 276,000
중국 청도 354,000

天津
톈진 140,000
중국 천진 263,000

黄河
황허 2,240
황하 160,000

揚子江
양쯔강 54,000
양자강 70,900

胡錦涛
후진타오 409,000
호금도 1,430

江沢民
장쩌민
207,000
강택민 14,300

小平
덩샤오핑 73,600
등소평 93,000

毛沢東
마오쩌뚱 4,290
모택동 132,000

 

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ハナコさんだって?びっくりするなぁ・・

2005年10月14日 |   〇日本を読む

次に紹介するのは、インターネットでニュースを読んでいて、いきなり
僕の目に飛び込んできた見出しだ。10月13日付でヘラルド経済
新聞が伝えた記事だ。

커리어우먼 ‘하나코상’을 잡아라
(キャリアウーマン「ハナコさん」をつかめ ※太字部分はもとの
記事の通り)

購買意欲旺盛な独身のキャリアウーマンをねらった商品開発が活況を
呈している日本の市場動向を伝える記事だ。

「ハナコさん」とは、女性雑誌「Hanako」を愛読するリッチな(?)独身
女性を指して、「バブル」の末期に作られた新語だった。
バブルがはじけ、世の中がリストラに突き進むのを尻目に
「ハナコさん」たちはちゃんと世代交代を果たし、現在も健在だと
いうことなのだが、まさか、こんなことまで韓国の記事を通じて
知らされようとは・・・

韓国のニュースのなかで、日本関連の記事が出ていると、
普段は全く関心のない分野の記事にまで、ついつい目を通して
しまうことが、よくある。

結果的に、僕自身の日本社会に関する知識が、少しだけ豊かになる。


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