■ 니안짱·행복을 찾는 니노
ニアンチャン・幸せを探すニノ
(韓国日報 10月14日付け)
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いやぁ・・・この記事にも驚かされたなぁ。
見出しからもわかるように、この記事は日本の「にあんちゃん」、
ブラジルの「幸せを探すニノ」、そして韓国の「저 하늘에도 슬픔이
(ユンボギの日記)」の三つの作品についての回想や紹介が
中心だった。しかし、そういう物語は決して遠い世界の話ではなく、
現代の韓国にも、今もなお厳しい貧困の中を生きている人々が
大勢存在している事実に思いを馳せながら、そういう人々を
置き去りにしたまま、富める人々が享受している「幸福の質」を
問い直すことが、真の主題となったメッセージ性の濃い記事であった。
それにしても「にあんちゃん」だなんて・・・
この本は、昭和20年代の末、佐賀県の炭鉱町を舞台に、
両親をなくした四人の兄弟姉妹がおりなす日常を、末っ子の
小学生がつづった日記が元になっている。彼女を暖かく見守った
担任教師の手から出版社へと移ったその日記が「にあんちゃん」と
いう題名で1958(昭和33)年に出版され、たちまちベストセラーに
なったのである。
貧しくとも希望を失わず、周囲の協力にも助けられながら、
たくましく生きる兄弟姉妹の生活をつづった素朴な日記は、
家族や人間のぬくもりを伝えるヒューマンな応援歌ともなり、
戦後の貧しい時代を歯をくいしばりながら生きていた同時代の
多くの日本人の共感を呼び起こした。
1959(昭和34)年には今村昌平監督のメガホンで映画化も
されている。
作者家族が在日韓国人だったということもあってか、この日記は
韓国でも大きな注目を集め、翻訳本もかなりの人気を集めたようだ。
そういう意味では、「にあんちゃん」は海峡を越えた応援歌とも
なったのである。
実は、僕は、1980年代末のプサンで、この「にあんちゃん」の
翻訳本を買っている。現在、手元にないし、読んだかどうかも
はっきり覚えていないが・・・。
この「にあんちゃん」に限らず、日本のベストセラーは、ほぼ全て
韓国語に翻訳されてきたと言っても過言ではないだろう。
現在でも韓国では、合法・非合法を問わず(!?)日本の小説が
たくさん紹介され、広く人気を得ている。
今年に入ってからも、ソウルにある韓国最大の書店であるキョウボ
文庫で販売された月間「小説ベスト100」(2005年6月)の中に、
日本人作家の小説(翻訳本)が27冊も入り、韓国人作家の22冊を
追い抜いたことが新聞紙上で話題になっていた。
(僕が確認した記事は2005年7月4日付けの中央日報の記事)
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翻訳本とは言え、日本の小説をこれだけたくさん読んでくれて
いる国が、日本以外に、はたして存在するだろうか?