福岡発 コリアフリークなBlog

韓国や韓国語に関するオタクの雑学メモ。韓国映画はネタバレあり。 Since 2005/9.14

ほっとする翻訳依頼

2005年10月22日 |   〇在日コリアン

僕のカフェでは機械的な長文の翻訳依頼等は受け付けていない。
一応、利用規則の中に盛り込んでいる。

以前、時折ではあったが、J-POPの歌詞をそのままコピーしてきた
ものや、日本人にもよく分からない工業分野の専門用語や古語の
単語を何十も羅列したようなものを、韓国語に訳して欲しい、などの
依頼が掲示板に載ることもあった。

そのつど頭を絞りながら、辞書を調べ検索をかけ、可能な限り答えて
来たが、機械的でからかい半分とも思えるような依頼にまで応え
ようとすると、実力的にも精神的にも「質問コーナー」の運営自体が
難しくなってしまうのは目に見えていた。

そこで、ある時期から、その類の質問・依頼は受け付けない旨、
規則として明記したのだ。

とは言え、「質問コーナー」が僕のカフェの「売り」であることに
変わりはない。たとえ一部にわずらわしい質問や依頼があった
としても、その全てが僕の韓国語の勉強になるのは事実だし、
僕の能力と時間が許す限り、できる限り誠実に質問に答えるよう
努力していくしかない。

ただ、最近、そういう「質問コーナー」も徐々に変わりつつある。

韓国(プサン、ソウル)や日本(北九州市、福岡市)で小さな
オフ会を積み重ねながら、直接、顔を会わせ歓談したり、お酒を
酌み交わした会員が、徐々に増えて来たことが、いい効果を
もたらしてくれていると言えよう。

実際に面識のある人々の近況が伝わってくるような内容の
質問や依頼が、ぽつぽつ増え始めているのは、実にありがたい
ことだ。

例えば、Aさんは、去年(2004年)の夏にプサンで開いたオフ会に、
初めて参加してくれた20代の女性だ。その時、すでに、秋から
北九州市のとある建設会社でプログラマーとして働くことが
決まっていた。

彼女の場合、ほとんど全く日本語を知らない状態で来日し、会社で
働き始めた。その上、会社の朝礼時、およそ週に一度の割合で
簡単なスピーチをしなければならなくなった。もちろん日本語で・・・

社員同士の意思疎通を円滑にするための工夫なのか、彼女の
会社では、朝礼時の時間を利用し、全社員が何人かずつ順番で、
短いスピーチをするというルールがあるのだそうだ。

実は、僕は、当初からカフェを通じて、そのスピーチの原稿づくりを
手伝ってきた。・・・早いもので、それももう1年が過ぎた。

インターネットの特質上、相手の正体も質問の意図も全くわからない
会員の依頼に応えることが多い中、彼女の依頼のように「血の
通った」ものには、やはりほっとするものを感じる。

モニターの向こうにいる「人間の顔」が見えるのと見えないのとでは、
電子文の持つ意味も全く違ってくる。

そのAさんが最近、カフェに投稿した実際の依頼(スピーチ文の
日本語訳)の中身と僕の日本語訳をいっしょに紹介してみる
ことにする。

・・・・・・・・・・・・・・・

일본에 온지 1년이 되었습니다..
にほんに きて いちねんに なりました。

처음 일본와서..정말 아무것도 모르고 모든게 낮설어서
はじめて にほんに きて なにも わからず
すべてのことが みなれないものばかりで

혼자서 힘들었던 기억이 엊그제 같은데.벌써 1년 되었습니다..
ひとりで つらいおもいを した のが きのうの ことの
ようですが もう いちねんが たちました。

이렇게 처음 혼자 집을떠나서.1년이라는 시간을
이렇게 잘 지낼수 있었던것은
こういうふうに はじめて いえを でて 
ひとりぐらしを しながら いちねんという じかんを なんとか 
ぶじ すごすことが できたのは

정말 여러분의 덕분이었습니다
ほんとうに みなさんの おかげだと おもいます。

아직 많이 부족하고..배울것도 많지만..더욱더 열심히 하겠습니다..
まだまだ たりない ところが おおくて
まなぶことも たくさん ありますが
これから もっともっと がんばりたいと おもいます。

정말 감사합니다
ほんとうに ありがとう ございました。

(終わり)


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相計関税

2005年10月22日 |  〇語彙と表現

「日. 하이닉스 D램에 27% 상계관세」
(日本、ハイニックス製DRAMに27% ○○関税)
- ソウル経済新聞 電子版 10月21日 -

ふと、目にした見出しだが、○○の部分が理解できなかった。
正確に言うと、まず「상계」の音に該当する漢字語が思い浮かば
なかった。おおよその文意は理解できるので、一度は「もういいや」
と無視しかかったのだが、ついつい例の「オタクの虫」が騒ぎ出して
しまった。

そこで、新聞を読み進めるのを中断し、いろいろ調べてみると、
この「상계관세」が「相計関税」なる漢字語であることがわかった。

日本語と同じ「相殺関税」という漢字語も一部では使われているが、
韓国では一般的に、この「相計関税」なる用語が使われていると
いうことだ。

政治・経済分野等で使われている韓国語の漢字語で、日本語の
漢字語と違う用語は、そう多くはなく、あったとしても音から漢字が
推測でき、意味が把握できることが多い。これは、日本語を母語と
するものが韓国語を学び進めていく上で、非常に有利な点でもある。

しかし、今回のこの「상계」の場合のように、音からでは漢字の
推測さえおぼつかない場合も、たまにはある。

ここでついでに、前回ぶつかった似たケースを、紹介して置くと
するならば・・・。

추경예산」の「추경」が同じようなケースだった。

これも、音からは全く漢字が推測できなかった。

やはり、インターネットの力を借りて、これが「追更予算」なる漢字語で
あることがわかった。ちなみに、この「追更予算」とは「追加更正
予算」の略語である。日本でも一部、行政用語として使われてい
るが、一般的には使用されない用語である。日本語では「補正
予算」に該当する言葉だと考えていい。



こういうどうでもよい発見の一つ一つに「小さな喜び」を見出し
続けていくところに、「オタク」の「オタク」たる所以があるのだ。


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