* (山火事のようなものが)
「山火事」と「暗い海」の対比。
「山火事(のようなもの)」が「眼のなかからずり落ちた」ために、「暗い海が見える」と書いているが、「山火事」は嵯峨にはずっと見えていたのだろうか。たぶん、違うだろう。何かのきっかけで「山火事」が見えた。それは「あなた」の怒りのようなものかもしれない。燃え上がる激情。それがおさまったあと「暗い海」が見えた。
これは逆にとらえなおすこともできる。
最初は「あなた」の眼のなかにあるものが何かわからなかった。「のようなもの」は、不確定さをあらわしている。「暗い海」に気づいたあと「のようなもの」が「山火事のようなもの」ということばになった。
「暗い海」には「のようなもの」ということばがついていない。比喩なのだから、ついていてもいいのだが、ついていない。直喩と暗喩。その違いのなかにこそ、嵯峨の詩がある。
*
詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
オンデマンドで販売しています。100ページ。1500円(送料250円)
『誤読』販売のページ
定価の下の「注文して製本する」のボタンを押すと購入の手続きが始まります。
私あてにメール(yachisyuso@gmail.com)でも受け付けています。(その場合は多少時間がかかります)
あなたの眼のなかからずり落ちた
その向うに暗い海が見える
「山火事」と「暗い海」の対比。
「山火事(のようなもの)」が「眼のなかからずり落ちた」ために、「暗い海が見える」と書いているが、「山火事」は嵯峨にはずっと見えていたのだろうか。たぶん、違うだろう。何かのきっかけで「山火事」が見えた。それは「あなた」の怒りのようなものかもしれない。燃え上がる激情。それがおさまったあと「暗い海」が見えた。
これは逆にとらえなおすこともできる。
最初は「あなた」の眼のなかにあるものが何かわからなかった。「のようなもの」は、不確定さをあらわしている。「暗い海」に気づいたあと「のようなもの」が「山火事のようなもの」ということばになった。
「暗い海」には「のようなもの」ということばがついていない。比喩なのだから、ついていてもいいのだが、ついていない。直喩と暗喩。その違いのなかにこそ、嵯峨の詩がある。
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詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
オンデマンドで販売しています。100ページ。1500円(送料250円)
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