詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

Estoy loco por espana(番外篇223)Obra, Jose Manuel Belmonte Cortes

2022-10-27 17:13:36 | estoy loco por espana

Obra, Jose Manuel Belmonte Cortesr
VENUS DE LA PALOMA

 ¿Sería extraño decir que hay un "sentido de la perspectiva" en este relieve?
 Pero, esta obra no sólo tiene una "tridimensionalidad" sino también una "perspectiva". Esto se puede sentir, por ejemplo, en los pechos de la mujer. El pecho en primer plano tiene una forma redonda y un volumen que da ganas de tocarlo. Y el pezón de la izquierda, que se vislumbra más allá. Esta visión es diferente de la sensación que me siento cuando  lo miro a una estatua desnudo femenino. Este relieve despierta mi deseo de "ver el otro lado". Esta sensación de que "existe el otro lado" (hay una distancia) es lo que yo llamo "perspectiva".
 Y este "hay más allá" se hace aún más fuerte cuando miro a una paloma. La paloma no está directamente encima (delante) de la mujer. El pico puede estar directamente encima (delante) de los labios de la mujer, pero todo el cuerpo de la paloma está "lejos". Para decirlo de nuevo, podo ver que la paloma ha volado desde lejos y su pico está ahora justo encima de los labios. El pico está en los labios, las patas en la base del cuello y la cola en los hombros. Estos movimientos en la obra crean un "espacio tridimensional" en el relieve.
 Uuuuum.
 En el momento en que siento que esta obra tiene "espacio", tengo la ilusión de que si cambio la posición en la que estoy (mirando el relieve), puedo ver la desnudez de la mujer, sus otras partes, su vientre, su cintura, incluso sus pies, que no están representados aquí.
 Además.
 Me encontré casi mirando el relieve de la parte superior izquierda y empecé a reírme.

 

 レリーフの中に「遠近感」があるというと、妙な言い方になるだろうか。
 この作品には「立体感」だけではなく「遠近感」がある。それは、たとえば女の乳房から感じられる。手前の乳房は、丸い形も、量感も、ちょっと触ってみたくなる感じだ。そして、その向こうにちらりと見える左の乳首。この見え方は、立体の女のヌードを横から見たときの感じとは違う。「向こう側を見たい」という欲望をそそる。その「向こう側がある」(遠くがある)という感じが、私の言う「遠近感」である。
 そして、この「向こうがある」は、鳩を見るときいっそう強くなる。この鳩は、女の真上(正面)にいるのではない。嘴は女の唇の真上(正面)になるかもしれないが、鳩のからだ全体は「遠く」になる。言い直すと、鳩は遠くから飛んできて、いま嘴が女の唇の上のところまで来たことがわかる。唇が手前、尻尾は遠くにある。嘴が唇の位置だとすれば、足は首の付け根辺り、尾翼は肩の辺り。半分平面であるレリーフに、空間を「立体」として呼び込んでいる。
 うーん。
 私はうなってしまう。この作品には「空間」がある、と感じた瞬間、私が立っている位置(レリーフを見ている位置)を変えれば、ここに表現されていない女の裸、他の部分、腹だとか、腰とか、足まで見えるのではないかと錯覚する。
 そして。
 思わず左上からレリーフを覗きそうになる自分に気づき、笑い出してしまった。

 

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斎藤茂吉『万葉秀歌』(6)

2022-10-27 13:55:40 | 斎藤茂吉・万葉秀歌

斎藤茂吉『万葉秀歌』(6)(岩波書店、1980年、06月25日、第58刷発行)

河上の五百箇磐群に草むさず常にもがもな常処女にて           吹黄刀自

 「常にもがもな」という音は「早口ことば」のようなおもしろさがある。全体に「な行」「ま行」が揺れる。
 茂吉は結句の「にて」を繰り返して味わうべきと書いている。倒置法が「にて」のあとの「省略」に、いっそう余韻を与えているということか。

春過ぎて夏来るらし白妙の衣ほしたり天の香具山             持統天皇

 いくつかの「読み方」があるらしいが、この読み方がいちばん明るい感じがする。「来るらし」「ほしたり」と二回切れるが、「天の香具山」でさらに念押しの、三回目の「切れ」がある。それが不思議とリズミカル。
 「来るらし」でいったん切れるからこそ「白」が目立つ。さらに「ほしたり」で切れからこそ「天の香具山」が引き立つ。
 この「切れ」の効果は、ピーポー、ピーポー注意してください、こっち見てね、次に大事なことばが来ますよ、というようなものかもしれない。
 「野守は見ずや/君が袖振る」「常にもがもな/常処女にて」の倒置法も、次に来ることばが大事ですよ、注意して聞いてください、という効果がある。万葉のひとは、リズムの変化でこれを実現する。とても耳がよかったのだろうと思う。きっと声もすばらしかったに違いない、と私は想像する。

 

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