南極大陸でも最大級の一つである北アイルランドもの大きさのあるウイルキンス氷床だが、地球温暖化の影響を受けないであろうと考えられていたが、どんどん上がる気温の上昇によってひびが入って、考えられないような速度で崩壊が進んでいることが分かった。
こう報道するのは、インディペンデント紙の「Cracking up:the ice shelf as Northern Ireland」と言う記事である。
ケンブリッジの英国南極調査団とコロラドの米国国立雪氷データ・センターが、2月に観察したクラックが、あまりにも早く崩壊し続けているのに恐怖を感じており、氷床が糸に繋がれたような状態で、近い将来どうなるか予測がつくと、1990年、氷床が壊れるには30年は掛かる予言したヴォーガン博士がビックリしていると言うのである。
表層は陸地にくっ付いているが、既に、海上に浮いているので、氷解しても直接海面が上昇する心配はないが、氷解が急速に進むと、陸地上の氷盤や氷河が海に流れ込むので、このために海表面が上昇する。
衛星写真で、マン島級の大きさの氷山が氷床から崩れ落ちたのが観察され、実際に、ツイン・オッター調査機で現地を見た科学者は、家のような塊の氷が岩のように崩れ落ちて爆発のような凄まじさだと報告している。
スコンボス博士は、「ウイルキンス氷床は、少なくとも何百年も存在し続けてきた筈だが、既に周りの海氷が総て消えてしまって、現在では、激しい波に直接曝されており、地球温暖化の影響が加わって、激しい解氷期に入ってしまった。」とコメントしており、科学者達は異口同音に、このような激しい状況をこれまでに観察したことがないと言っている。
このウイルキンス氷床は、丁度、南米大陸の最南端マゼラン海峡の南側に突き出した南極大陸の半島の根元にあるのだが、どんどん後退して来ており、既に、氷床の6つは崩壊して消滅してしまっている。
このウイルキンス氷床は、大陸の突端よりは南にあり、多少温度が低いので、南極大陸の氷床の氷解が更に南下するのかどうなるかの重要な試金石である。
今のところ、南極点に近い巨大なロス氷床とロンヌ氷床には、まだ、氷解の兆候はないが、安閑としておれないと言うことであろう。
何れにしろ、北極海の氷床は、近い将来完全に消滅してしまって、北極熊が消えてしまうのは時間の問題だと言うことになってしまっているが、悲しいかな、ペンギンの住む南極も、このままでは、同じ運命を辿ることになりそうである。
この記事は、電子版で検索出来たのだから、重要な記事だったのであろうが、やはり、日本よりはるかに地球温暖化に神経質になっているイギリスの新聞だから取り上げたのかも知れない。
いまだに、日本でも地球温暖化などあり得ない、むしろ、冷却に向かっているのだと嘯くエセ学者がいるが、いくら希望的観測や暴論を吐いても、科学的な厳粛な事実は覆すわけには行かず、どんどん、人類の喉元を締め上げて来ていることは必定である。
環境や地球温暖化問題を悪用して儲けているけしからん輩がいて許せない、と言う論調があるが、これが資本主義であり、何時の世にも悪い奴は存在するものであり、一人一人が賢くなる以外に救いようがない。
ところで、今日、芝居見物に行って行けなかった「地球温暖化防止シンポジウム」の記事が日経に出ていた。
ブレア首相と日本のパネリストの間にはかなり温度差があるが、興味深いのは、塩谷喜雄論説委員の「シンポジウムを聞いて」と言うコメントである。
ブレア首相の発言を、「科学の示唆に応えて、危機回避するのは政治の決断だ」とトップダウンの重要性を語ったと捉え、
日本の態度を、「対応が遅れた上に、国別の総量削減目標の設定に、積み上げ方式なる不可思議な方法を日本は提案している。(業種ごとに目標基準を積み上げる日本的セクターアプローチが、インドなど途上国から激しく反発を受けているとして)洞爺湖サミットを待たずとも、積み上げ方式のお蔵入りは決定的と言える。」と揶揄している。
日本政府の対応が、如何に、世界の潮流から大きく取り残され、経済界に煽られた方針に固守し過ぎて、確固たるポリシーが欠如しているばかりではなく、指導力と決断力、もっと言えば、使命感とリーダーシップに欠けているかを糾弾しているのである。
石原知事が、「温暖化問題は哲学といえる。人類の活動の舞台そのものがなくなるかもしれず、一人ひとりが自分の人生の問題として考えなければならない。」と発言していたが、正に至言で、人類の棲みかである宇宙船地球号が生きるか死ぬかの瀬戸際であり、これは理屈抜きの哲学であり宗教なのである。
今でも、南極の氷床が轟音をたてて崩れ落ちているのかと思うと居た堪れない気持ちになる。
こう報道するのは、インディペンデント紙の「Cracking up:the ice shelf as Northern Ireland」と言う記事である。
ケンブリッジの英国南極調査団とコロラドの米国国立雪氷データ・センターが、2月に観察したクラックが、あまりにも早く崩壊し続けているのに恐怖を感じており、氷床が糸に繋がれたような状態で、近い将来どうなるか予測がつくと、1990年、氷床が壊れるには30年は掛かる予言したヴォーガン博士がビックリしていると言うのである。
表層は陸地にくっ付いているが、既に、海上に浮いているので、氷解しても直接海面が上昇する心配はないが、氷解が急速に進むと、陸地上の氷盤や氷河が海に流れ込むので、このために海表面が上昇する。
衛星写真で、マン島級の大きさの氷山が氷床から崩れ落ちたのが観察され、実際に、ツイン・オッター調査機で現地を見た科学者は、家のような塊の氷が岩のように崩れ落ちて爆発のような凄まじさだと報告している。
スコンボス博士は、「ウイルキンス氷床は、少なくとも何百年も存在し続けてきた筈だが、既に周りの海氷が総て消えてしまって、現在では、激しい波に直接曝されており、地球温暖化の影響が加わって、激しい解氷期に入ってしまった。」とコメントしており、科学者達は異口同音に、このような激しい状況をこれまでに観察したことがないと言っている。
このウイルキンス氷床は、丁度、南米大陸の最南端マゼラン海峡の南側に突き出した南極大陸の半島の根元にあるのだが、どんどん後退して来ており、既に、氷床の6つは崩壊して消滅してしまっている。
このウイルキンス氷床は、大陸の突端よりは南にあり、多少温度が低いので、南極大陸の氷床の氷解が更に南下するのかどうなるかの重要な試金石である。
今のところ、南極点に近い巨大なロス氷床とロンヌ氷床には、まだ、氷解の兆候はないが、安閑としておれないと言うことであろう。
何れにしろ、北極海の氷床は、近い将来完全に消滅してしまって、北極熊が消えてしまうのは時間の問題だと言うことになってしまっているが、悲しいかな、ペンギンの住む南極も、このままでは、同じ運命を辿ることになりそうである。
この記事は、電子版で検索出来たのだから、重要な記事だったのであろうが、やはり、日本よりはるかに地球温暖化に神経質になっているイギリスの新聞だから取り上げたのかも知れない。
いまだに、日本でも地球温暖化などあり得ない、むしろ、冷却に向かっているのだと嘯くエセ学者がいるが、いくら希望的観測や暴論を吐いても、科学的な厳粛な事実は覆すわけには行かず、どんどん、人類の喉元を締め上げて来ていることは必定である。
環境や地球温暖化問題を悪用して儲けているけしからん輩がいて許せない、と言う論調があるが、これが資本主義であり、何時の世にも悪い奴は存在するものであり、一人一人が賢くなる以外に救いようがない。
ところで、今日、芝居見物に行って行けなかった「地球温暖化防止シンポジウム」の記事が日経に出ていた。
ブレア首相と日本のパネリストの間にはかなり温度差があるが、興味深いのは、塩谷喜雄論説委員の「シンポジウムを聞いて」と言うコメントである。
ブレア首相の発言を、「科学の示唆に応えて、危機回避するのは政治の決断だ」とトップダウンの重要性を語ったと捉え、
日本の態度を、「対応が遅れた上に、国別の総量削減目標の設定に、積み上げ方式なる不可思議な方法を日本は提案している。(業種ごとに目標基準を積み上げる日本的セクターアプローチが、インドなど途上国から激しく反発を受けているとして)洞爺湖サミットを待たずとも、積み上げ方式のお蔵入りは決定的と言える。」と揶揄している。
日本政府の対応が、如何に、世界の潮流から大きく取り残され、経済界に煽られた方針に固守し過ぎて、確固たるポリシーが欠如しているばかりではなく、指導力と決断力、もっと言えば、使命感とリーダーシップに欠けているかを糾弾しているのである。
石原知事が、「温暖化問題は哲学といえる。人類の活動の舞台そのものがなくなるかもしれず、一人ひとりが自分の人生の問題として考えなければならない。」と発言していたが、正に至言で、人類の棲みかである宇宙船地球号が生きるか死ぬかの瀬戸際であり、これは理屈抜きの哲学であり宗教なのである。
今でも、南極の氷床が轟音をたてて崩れ落ちているのかと思うと居た堪れない気持ちになる。