フランシス・フォード・コッポラ監督「ゴッドファザー」
監督 フランシス・フォード・コッポラ 出演 マーロン・ブランド、アル・パチーノ、ジェームズ・カーン、ロバート・デュヴァル、ダイアン・キートン
2010年02月22日、福岡の天神東宝で見た。席はEの10である。私は、この席が空いている限り、ここで見る――と、奇妙なところにこだわっているのは・・・。
最初に「ゴッドファザー」を見たのは、小倉の東宝。いまは、廃業し、建物もない。駐車場になっている。その、なくなってしまった映画館で見た記憶では、この映画は「黒」の色が輝くほど美しかった。この映画で私は「黒」の美しさに気がついた。私にとっては画期的な映画だった。
ところが。
「黒」が美しくない。
冒頭の、書斎での会見(面会?)。ブラインドを下ろした室内。屋外で行われている結婚式の明るさとはうらはらな生臭い暗いやり取り。マーロン・ブランドたちが着ている服の黒い色。それが中途半端で、なんとも不思議だ。それにつづく結婚式でも、礼服の黒が安っぽい。それと比例する(?)ように、白にも華やかさがない。昔もこんな色だったのだろうか。私は、妙に気がそがれてしまった。
それでも。
やっぱり結婚式のシーンはいいなあ。活気がある。登場人物がばらばらに動いているのに統一感がある。喜びの生命力が満ち溢れている。無垢な感じがとてもいい。ジェームズ・カーンの能天気な明るさが、とてもいい。
それにしても。
やっぱり時間の経過というか、時代の動きは凄いもんだねえ。当時は「バイオレンス」に見えた描写が「バイオレンス」からほど遠い。どの殺戮も美しい。びっくりしてしまう。馬の生首は馬と血の色がとても似合っていて奇麗だ。酒場で、手をナイフで突き刺され、首を絞められるシーンなど、記憶の中では自分の首が絞められているような苦しさがあったが、いまはもう平気。高速道料金所の銃撃も、とてもあっさりしている。
うーん、人間の感性はおそろしく発展(?)するものだ。
驚いたシーンをもうひとつ。
マーロン・ブランドがトマト畑で倒れるシーン。短い。私の記憶の中では3倍くらいの長さになっていた。マーロン・ブランドの演技はそんなに素晴らしいとは思わなかったが、このシーンだけはまねしたいくらい好きだった。それがこんなに短かったとは。
それにね。
アル・パチーノ、ロバート・デュヴァル、ダイアン・キートン。みんな若い。こんなに若い時代があったなんて、驚いてしまう。ロバート・デュヴァルという役者は私は大好きだが、印象としては、もっと禿げていて、もっと歳をとっていて、マーロン・ブランドより少し年下と思っていたけれど、マーロン・ブランの子供(養子)だったなんて。 ダイアン・キートンって、いつから垂れ目のブスになったの? ウッディ・アレンと別れてから? なんて、映画とは関係のないことまで思ってしまうのも、古い映画を見る楽しみかも。
監督 フランシス・フォード・コッポラ 出演 マーロン・ブランド、アル・パチーノ、ジェームズ・カーン、ロバート・デュヴァル、ダイアン・キートン
2010年02月22日、福岡の天神東宝で見た。席はEの10である。私は、この席が空いている限り、ここで見る――と、奇妙なところにこだわっているのは・・・。
最初に「ゴッドファザー」を見たのは、小倉の東宝。いまは、廃業し、建物もない。駐車場になっている。その、なくなってしまった映画館で見た記憶では、この映画は「黒」の色が輝くほど美しかった。この映画で私は「黒」の美しさに気がついた。私にとっては画期的な映画だった。
ところが。
「黒」が美しくない。
冒頭の、書斎での会見(面会?)。ブラインドを下ろした室内。屋外で行われている結婚式の明るさとはうらはらな生臭い暗いやり取り。マーロン・ブランドたちが着ている服の黒い色。それが中途半端で、なんとも不思議だ。それにつづく結婚式でも、礼服の黒が安っぽい。それと比例する(?)ように、白にも華やかさがない。昔もこんな色だったのだろうか。私は、妙に気がそがれてしまった。
それでも。
やっぱり結婚式のシーンはいいなあ。活気がある。登場人物がばらばらに動いているのに統一感がある。喜びの生命力が満ち溢れている。無垢な感じがとてもいい。ジェームズ・カーンの能天気な明るさが、とてもいい。
それにしても。
やっぱり時間の経過というか、時代の動きは凄いもんだねえ。当時は「バイオレンス」に見えた描写が「バイオレンス」からほど遠い。どの殺戮も美しい。びっくりしてしまう。馬の生首は馬と血の色がとても似合っていて奇麗だ。酒場で、手をナイフで突き刺され、首を絞められるシーンなど、記憶の中では自分の首が絞められているような苦しさがあったが、いまはもう平気。高速道料金所の銃撃も、とてもあっさりしている。
うーん、人間の感性はおそろしく発展(?)するものだ。
驚いたシーンをもうひとつ。
マーロン・ブランドがトマト畑で倒れるシーン。短い。私の記憶の中では3倍くらいの長さになっていた。マーロン・ブランドの演技はそんなに素晴らしいとは思わなかったが、このシーンだけはまねしたいくらい好きだった。それがこんなに短かったとは。
それにね。
アル・パチーノ、ロバート・デュヴァル、ダイアン・キートン。みんな若い。こんなに若い時代があったなんて、驚いてしまう。ロバート・デュヴァルという役者は私は大好きだが、印象としては、もっと禿げていて、もっと歳をとっていて、マーロン・ブランドより少し年下と思っていたけれど、マーロン・ブランの子供(養子)だったなんて。 ダイアン・キートンって、いつから垂れ目のブスになったの? ウッディ・アレンと別れてから? なんて、映画とは関係のないことまで思ってしまうのも、古い映画を見る楽しみかも。
ゴッドファーザー コッポラ・リストレーション DVD BOXパラマウント ホーム エンタテインメント ジャパンこのアイテムの詳細を見る |