詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

Estoy loco por espana(番外篇249)Obra, Joaquín Llorens

2022-11-29 23:28:56 | estoy loco por espana

Obra, Joaquín Llorens
Privada (homenaje a Julio González)

 Luz y sombra. Cuando se bloquea la luz, se crean sombras.
 ¿Es esto cierto?
 Observando esta obra de Joaquín, las sombras parecen haberse reunido allí desde la dirección opuesta a la luz. Se han reunido allí para decir que estoy aquí y siempre estaré contigo.
 Me parece como si se diría al ser del lado izquierdo: "La soledad no es algo malo". Hay una sensación de que la luz, una vez que se acerca, se va poco a poco.
 La sombra no es creada por la luz, sino que existe antes de que ésta aparezca. La soledad también existe antes de que se pierda nada. 
 Invitado por esta voz, algo aún no nombrado crece más allá de la luz y la sombra.

 光と影。光が遮られたとき、影ができる。
 ほんとうだろうか。
 Joaquín のこの作品を見ていると、影は光とは反対側の方向から、そこに集まってきたもののように見えてしまう。「私はここにいる」と告げるために、集まってきたのだ。
 それはまるで、左側の存在に向かって、「寂しくてもいいんだよ」と語りかけているように見える。影は光がつくりだすものではなく、光があらわれる前から存在している。寂しさも、何かが失われる前から存在している。それは、いつだって存在するものなのだ、と。
 その対話に誘われて、まだ名づけられていないものが、光と影を超えて成長していく。

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斎藤茂吉『万葉秀歌』(16)

2022-11-29 22:16:39 | 斎藤茂吉・万葉秀歌

斎藤茂吉『万葉秀歌』(16)(岩波書店、1980年、06月25日、第58刷発行)
          
否といへど強ふる志斐のが強ひがたりこの頃聞かずてわれ恋ひにけり    持統天皇

否といへど語れ語れと詔らせこそ志斐いは奏せ強語りと詔る         志斐嫗

 この軽いやりとりは楽しい。音の繰り返しが効果的だ。いかにも、「軽く」やりとしているという感じがする。万葉の音はのびやかだが、こういうやりとりのなかにも、そののびやかさが生きている。「意味」があるというよりも、「音」がある。「音」を楽しむ余裕がある。

玉藻かる敏馬を過ぎて夏草の野島の崎に船ちかづきぬ            柿本人麿

 「枕詞」というのは、最初は「意味」があったのだと思う。柿本人麿がこの歌を詠んだときも「意味」はあっただろうか。今の私には「音」しか、わからない。つまり、そのとき「音」は、「無意味」である。これが、いいなあ、と思う。
 「枕詞」だから、持統天皇と志斐嫗の掛け合いの「音」とは違うのだが、「無意味」であることよって、軽く、伸びやかになっている。と、「枕詞」の「意味」を知らない私は感じる。船がすいすい進んでいる様子が目に浮かび、妙に楽しい。「枕詞」の無意味さが船の進み具合を加速する。

 

 

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Estoy loco por espana(番外篇248)Obra, Lu Gorrizt

2022-11-29 09:06:33 | estoy loco por espana

Obra, Lu Gorrizt
Colección 314 Colors 

 ¿Dónde ves el cuadro? ¿Dónde cuelgas el cuadro?
 Cuando vi esta foto me sorprendí. El cuadro está poniendo en el suelo al azar. No es un estudio. Por la vista interior detrás del muro, puedo imaginar que es una casa privada. Sin embargo, las paredes y el suelo parecen ser de hormigón. Esto también es, por así decirlo, azaroso. No hay nada superfluo. ¿Cómo el dueño puede decorar este cuadro aquí?
 Una respuesta es esta foto.
 Por un momento sentí frío. Me sentí incómodo. Pero pronto sentí el deseo de acercarme al cuadro, de verlo de frente. Sin quererlo, incliné mi cuerpo (cara) hacia la derecha.
 Entonces sentí el deseo de ir realmente al "lugar" donde se exponía el cuadro y experimentar el espacio. El trabajo de Lu tiene el poder de transformar suelos, paredes, techos e incluso sofás en obras de arte. Me pareció que esta forma de exponer este cuadro le venía bien.

 絵をどこで見るか。絵をどこに飾るか。
 この写真を見たとき、私は驚いた。絵が無造作に立てかけられてある。アトリエではない。壁の向こうに見える室内の様子から、個人の家だと想像できる。しかし、壁や床がコンクリートそのままに見える。これも、いわば無造作。余分なものがない。ここで、どうやって絵を飾ればいいのか。
 ひとつの答えとして、この写真がある。
 私は一瞬、寒さを感じた。違和感を憶えた。しかし、すぐに、もっと近づいて絵を見たい、正面から絵を見たいという欲望を感じた。思わず、体(顔)を右の方に傾けてしまった。
 そして、実際に、この絵が飾られている「場」へ行って、その空間を体験したいという気持ちになった。床や壁、天井、ソファさえも作品にかえてしまう力がある。Luの作品は、いつでも空間をかえてしまう。どんな絵でも同じ方法で飾ることはできないだろうが、この絵にはこの飾り方が似合っていると感じた。

 

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