詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

Estoy loco por espana(番外篇231)Obra, Miguel González Díaz

2022-11-03 23:01:33 | estoy loco por espana

Obra, Miguel González Díaz
Mujer en Reposo

Mujer descansando sobre sus rodillas.
Su cabeza descansa sobre sus rodillas. La cabeza, los hombros, los brazos y las piernas están unidos y hay un centro de gravedad. La redondez del cuerpo es muy hermosa.
Mientras tanto, el vientre y la espalda están libres de peso. ¿El vacío en el centro representa una mente que no piensa? O quizás sea un estado de despiste  (無心).
Parece que ha decidido no ir a ninguna parte, aunque se encuentra en estado de despiste.

Lo hueco al lado de la cara podría ser oreja. Están muy abiertos. ¿Qué está escuchando? Todavía no está acostumbrada al silencio que escucha. ¿Es por eso que el silencio suena tan fuerte?
Lo que oye es su propia determinación (no ir a ninguna parte) y el sonido del silencio que la rodea.

El color rojo del pedestal se asemeja al "rojo japonés", que se crea al mezclar laca roja con la negra. El color, sin no sé por qué, me calma. Es muy armonioso con el azul con negro de la mujer.


膝を抱えて休憩する女。
頭を膝の上に乗せている。頭、肩、腕、足が一体になり、そこに重心がある。その丸みが、とても美しい。
一方、腹と背中は重さから解放されている。中央の空隙が、何も考えないこころを表しているのか。放心状態なのかもしれない。
放心状態だけれど、どこにも行かない、と決めているようだ。
顔の横のくぼみは耳だろうか。何を聞いているのだろう。大きく開いている。聞こえてくる静寂にまだ慣れていない。だから、その静けさが大きな音に聞こえるのだろうか。
聞いているのは、自分の決意(どこへも行かない)と、彼女を包む静寂の音。
台座の赤は、赤い漆に黒い漆を混ぜたときにできる「ジャパニーズレッド」に似ている。その色が、私を不思議と、落ち着かせる。女の、黒を含んだ青ととても調和している。

 

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斎藤茂吉『万葉秀歌』(12)

2022-11-03 17:07:04 | 斎藤茂吉・万葉秀歌

斎藤茂吉『万葉秀歌』(12)(岩波書店、1980年、06月25日、第58刷発行)

石見のや高角山の木の間よりわが振る袖を妹見つらむか          柿本人麿

 茂吉は「角の里から山までは距離があるから、実際は妻が見なかったかも知れないが、心の自然なあらわれとして歌っている」と書いている。この「心の自然なあらわれ」というのが、いいなあ。何か、ほれぼれとする批評。
 山から里はよく見える。しかし里から山はよく見えない。というか、木がいっぱいで、木の間なんて見えない。たとえ見晴らしのいいところから袖を振ったって、あそから手を振るとでも先にいっておかないかぎり、見えない。でも、人麿は袖を振っている。自分から里が見えるのだから、里から自分が見える、と錯覚する。この錯覚が、そうなんだなあ「心の自然なあらわれ」というものなんだなあ。
 私は、ちょっとしつこく書いてしまったが、この山と里の関係は、街中の暮らしではなかなかわからない。山の中をいつも歩いている、という自然があってこそのものだなあ、と思う。
 私は山の中で幼い時代を過ごしたので、この感覚の「自然」な動きが、とても気に入っている。山の上からは、なんでも見えるね。友だちの家、畑で働いてる両親、牛小屋でモーッと鳴いた牛、柿の木に立てかけた自転車……。
 現実よりも、「心の自然なあらわれ」という点では、次の歌もそうだなあ。

青駒の足掻を速み雲居にぞ妹があたりを過ぎに来にける          柿本人麿

 「空」を見て、あの「空の下に妻の家がある」という感覚。これは山から里を見下ろすのではなく、見えない「山の向こうの里」を思い浮かべるときの感覚。空を見て、あの空の下に……と思う気持ち。前の歌と重ねあわせると、妻も空を見て、あの空の下辺りにと思っているかも、という具合に、感じてしまう。

 

 


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Estoy loco por espana(番外篇230)Obra, Lu Gorrizt

2022-11-03 07:56:07 | estoy loco por espana

Obra, Lu Gorrizt
Acrílico sobre tela, Medidas 1100185cm, 2022

En cuanto vi este cuadro, me acordé de la galería de Lu. Nada más entrar, pude ver el taller del sótano a través del cristal del suelo. Era como mirar bajo el agua en un crucero submarino.

Los cuadros suelen estar colgados en la pared. Algunos cuadros están pintados en el techo. No hay los cuadros en el suelo en los museos. Sin embargo, estaría bien mirar un cuadro en el suelo.

Por ejemplo, esta obra. Me da la sensación de estar remando en una barca en un lago (o en el mar) y de estar mirando el agua desde allí. No lo miras mientras estás parado, sino mientras el barco avanza. Las algas y los peces en el agua se mueven. Disfruta del paisaje subacuático mientras mueves la barca con los movimientos, juega con los movimientos y mueve la barca a voluntad, como si estuvieras bailando.

Pensé en lo divertido que sería colocar esta obra en el estudio del sótano de Lu y mirarla a través de ese cristal.

 

この絵を見た瞬間、Luの画廊を思い出した。入った瞬間、床のガラス越しに地下の工房が見える。海底遊覧船で、海中を見る感じだ。

絵は、ふつう壁にかけてみる。天井に描かれる絵もある。見下ろす絵というのはない。しかし、見下ろす絵があってもいいのではないか。
たとえば、この絵。ボートで湖に(あるいは海に)漕ぎ出し、そこから水中を見下ろす感じがする。止まったまま見るのではなく、ボートを進めながら見る。水中の藻や魚が動く。その動きに合わせて、その動きにさからって、その動きと戯れ、ダンスをするように気ままにボートを動かしながら、水中の風景を楽しむ。

Luの地下のアトリエにこの作品を横たえ、あのガラス越しにこの絵を見下ろしたらどんなに楽しいだろうと思った。

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