中央日報の寄稿コラム欄で、3人の外国人留学生の作文が取り上げ
られていた。それぞれが自らの経験した印象的な出来事を元に
書かれた内容だ。ある意味では、韓国社会への率直な苦言とも
言えよう。
「ヲタク」も興味深く読ませてもらった。
翻訳練習して記録しておく。なお、紙面の関係で韓国語の原文の
引用は省いた。
・・・・・・・・・・・
■ [私はこう思う] 外国人留学生3人の見たコリア
(中央日報 3月28日)
亜州大学韓国語学堂で10週間、韓国語を学んだ外国人留学生
3人が韓国で生活しながら抱いた感想だ。受講生たちは毎週
金曜日の特別活動の時間に亜州大学の学生らと韓国文化に
ついて討論を重ねた後、ハングルで自分の考えをまとめた。その
中から、韓国人がしっかり耳を傾けなければならないと思われる
内容を含んだ三つの作品が本社に送られてきた。
○ 食品管理がいい加減だ
サエキ・ミカ(日本)
韓国に来て1年にもならないが、これまでいろいろなことを経験する
中で感じたことがたくさんある。単なる文化の違いではない。
スーパーやお店で賞味期限の切れた食品が売られているのを
見て本当に驚いた。数日前、スーパーで買ったパンは賞味期限が
5日も前に切れていてかびも少し生えていた。日本では食品管理が
非常に厳しいので、こんなことはほとんどない。だから、食品を
買うときに一々確認する必要がない。
薬局でも同じようなことがあった。買ったものを家に帰って見て
みると消費期限が2年も前に切れたものだった。びっくりして交換
してもらいに行くと、その商品は一つしか置いていなかったと言う。
もちろん、多くの店がそうだということではなく、私の経験が単なる
偶然だったのかもしれない。それに大型店とは違い管理する人が
少ない小さな店だったので、そういうことも起こりえると考えることも
できる。
しかし、消費期限のある商品は直接体内に入るものだ。健康と
深い関係がある。それなのに管理がいい加減すぎる気がする。
また、期限切れのものを売ったことがわかった場合、従業員は
お客さんに誠意を持って謝罪しなければならないと思うが、
韓国ではそうではないようだ。消費者は買い物をする時、よく確認
しなければならない。それでも、確認するすべを知らない子ども
たちもいるので、大人がもう少ししっかり気を配って欲しいと思う。
○ 韓国の犬はかわいそう
ガンバト・シンバート(モンゴル)
韓国人が犬の肉を食べるのは世界的に有名(?)だ。私も
韓国に行けば犬の肉を食べてみたいと思っていた。
去年の夏休みのことだった。ある韓国人の友人の家族が週末に
家で犬を料理して食べることになり私を招待してくれた。私の国では
犬の肉を食べないので、本当に食べて見たかったのだ。しかし、
今は違う。友人の家に行った時、犬を何度も何度も叩きながら
殺した。そういうふうに叩いて殺せば肉の味がもっとよくなると
いうことだった。私はその様子を見て、「いくら犬がものを言うことが
できないからと言って、なぜこんな残酷なことができるのだろうか」
と思った。私はその時、犬がかわいそうになって犬の肉は二度と
食べたくないと思ったし、食べないと決心した。
モンゴルでは羊のような動物の肉をよく食べる。しかし、羊も生き物
なのであまり苦しめないように素早く殺している。動物はものを
言うことはできないが、人と同じ生き物なので命は尊重しなければ
ならないと思う。私は韓国で犬の肉を食べるのをおかしなことだとは
思わない。私の国で羊の肉を食べているのと同じことだ。しかし、
残酷な殺し方はやめて欲しいと思う。
○ 私たちは宇宙人じゃない
ベチャンスカ・ヤーナ(ブルガリア)
韓国に行くことになった時、韓国にくわしい友人が「韓国人は
外国人に対して関心が強いからあまり気にしないように」と言った。
今ではその意味がよくわかる。学校には外国人も多く大丈夫だが、
街を歩いたり地下鉄に乗れば、私を外国人ではなく宇宙人でも
見るような目でじろじろ見つめる人が多い。
ある日のことだった。お腹が空いたので食堂に入ってトンカツを
注文した。テーブルで待っていると4、5歳の子どもが近寄って
来て、私をじろじろながめ始めた。しばらくすると、その子の姉も
やって来て二人で私をながめ始めた。父親が家に帰るよと言うと、
その子たちは私をもっと見たいと言った。私は父親が「人をそんなに
じろじろ見るのは失礼なことだよ」と子どもたちをしかってくれる
ものと思った。
ところが、父親は急に私の横のイスに腰をかけ、子どもたちを
ひざの上に載せた。そして3人で食事をする私をながめ始めたのだ。
私は息がつまるようで、食事ものどを通らなかった。しばらくして
父親が、「アメリカ人ですか?うちの娘は英語を勉強しているので、
ちょっと英語の練習をさせてください」と話しかけてきた。私は
仕方なく、「Hi, How are you. What's your name?」などと、しばらく
の間、英語で相手をしてあげた。彼らが去った後、再び食事を
しようとしたが、冷めてしまっていておいしくなかった。
もちろん、全ての韓国人がそういう人たちばかりではないが、
その後も似たようなことが何度もあった。韓国に来て5年になるが
こうした態度はとうてい理解ができない。韓国人もすでに外国人の
ことをよく知っており、外国映画も見るし、街中でも多くの外国人を
見かけているはずだ。それにもかかわらず、なぜ一部の韓国人は
今でも外国人を見て驚いたり、動物園のおかしな動物でも見るように
じろじろ見つめるのか理解ができない。「私は宇宙人じゃないわよ」
と言ってあげたい。
(終わり)
参加カテゴリ:地域情報(アジア)/語学・英会話