大阪の茨木市に、「コリア国際学園」という南北中立系の
インターナショナルスクール(中高一貫)があるのだそうだ。
同校のホームページにつらつら目を通す中で、同校の「建学の
理念」について書かれたページに目がとまった。
「越境人」なる見慣れない言葉が使われていたからである。以下、
その言葉の持つ意味が説明された一節を引用してみる。
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「コリア国際学園(KIS)は、在日コリアンをはじめとする多様な
文化的背景を持つ生徒たちが、自らのアイデンティティについて
自由に考え学ぶことができ、かつ確かな学力と豊かな個性を
持った創造的な人間として複数の国家・境界をまたぎ活躍できる、
いわば「越境人」の育成を目指します。」
(コリア国際学園HPより)
・・ ・・ ・・
南北の分断状況や多様化する在日社会を見据えながら、
個性的かつ創造的な「越境人」の育成を目指すという、同校の
この建学精神に、日本の幕末時代の「脱藩」思想と相通ずる
ものを感じさせられるのは「ヲタク」だけだろうか?
「藩」に縛られた閉塞的な精神状況を打ち破ろうともがきながら、
新しい未来を渇望した幕末「日本人」たちの清々(すがすが)しい
精神は、もしかすると現代日本人よりも、一部の在日コリアンに
こそ濃厚に受け継がれているのかもしれない。
いずれにしろ、コリア国際学園とは、生徒に「個性」や「創造性」を
期待するにふさわしい、真にチャレンジングな学校のようだ。
同校の発展を祈る意味で、韓国メディアの関連報道を翻訳練習
してみた。
△「オイッ!そこの中年ッ!」
「なに、かっこつけてんだヨッ!」
「文化人気どりはやめとけ」
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■“분열된 日교포 사회 통합할 인재 육성”
分裂した在日社会を統合する人材を育成
(東亜日報 3月17日)
・오사카 코리아국제학교 정갑수 이사 “총련-민단 꼬리표
없는 중립학교 운영”
・大阪コリア国際学園のチョン・ガプス理事
「朝鮮総連、韓国民団のどちらにも偏らない中立的な学校」
일본 오사카(大阪)의 재일교포 청소년을 위한 ‘코리아국제
학교’. ‘중립학교’를 표방하며 지난해 문을 연 이 학교엔
‘총련계’나 ‘민단계’라는 꼬리표가 없다.영어와 수학은
영어로, 역사와 사회는 한국어로 배운다. 국제감각과 민족
의식을 균형 있게 갖춘 ‘코리아인’을 길러내겠다는 교육
방침 때문이다. 여기엔 학교 설립을 주도한 정갑수 이사(55·
사진)의 공이 컸다.
日本の大阪に、在日同胞の子どもたちのために設立された
「コリア国際学園」というインターナショナルスクールがある。
「中立的学校」を校是に掲げ、昨年開校したこの学校は「総連系」
でも「民団系」でもない。英語や数学の授業は英語で、歴史や
社会の授業は韓国語で行われる。国際感覚と民族意識をバランス
よく身につけた「コリアン」の育成を目指す教育方針の表れだ。
これには、学校設立の中心メンバーとして活動してきたチョン・
ガプス理事(55・写真)の功績が大きい。
정 씨가 최근 서울대 일본연구소 주최로 열린 기획특별
강연에 참석하기 위해 내한해 자신의 교육관을 발표했다.
チョン理事は、最近、ソウル大学日本研究所の主催で開かれた
シンポジウムに講演者として参加し、自らの教育観について語った。
오사카에서 재일교포 3세로 태어난 정 씨는 초등학교 4학년
때 당시로선 매우 드물었던 중립적인 ‘건국학교’에서 공부했다.
여기서 이념 대결을 초월한 중립학교의 중요성을 뼈저리게
느꼈다.
在日3世として大阪に生まれたチョン理事は、小学校4年生の時、
当時としては非常に珍しかった南北中立の「建国学校」で学んだ
経験を持つ。彼はそこで、イデオロギー対立を超越した中立的な
学校の重要性を肌身を通して感じたという。
“당시 1960, 70년대 교포사회는 모국의 분단 상황이 재현돼
총련계와 민단계로 극심한 분열을 겪고 있었습니다. 학교도
마찬가지였죠. 이 때문에 재일교포에 대한 차별시정 요구
같은 일에도 단합하기가 무척 힘들었습니다.”
「当時、1960-70年代の在日社会は、総連系と民団系とに
分裂し、祖国の分断状況そのままに激しく対立していた。学校も
同様だった。そのため、在日同胞に対する差別撤廃などの運動
でも、お互いに協力することが非常に困難だった。」
그는 모국의 정치상황에 점점 무관심한 교포 3, 4세들이 차별
받지 않고 일본사회의 당당한 일원으로 자리 잡으려면 이념에
휩쓸리지 않는, 실용적이고 유연한 교육이 필요하다고
생각해왔다.
彼は、祖国の政治状況に無関心な3世や4世らが、日本社会の
一員として、差別を受けずに堂々と生きて行くためには、イデオロ
ギーに振り回されることのない実用的で柔軟な民族教育が必要
だと考えて来た。
그 중립교육을 이어나가기 위해 코리아국제학교를 설립한
것이다.
彼は、そうした南北中立的な民族教育を引き継ぐために、コリア
国際学園の設立にたずさわった。
“총련이나 민단에선 저를 ‘회색분자’라고 비판하기도 합니다.
하지만 중립교육을 통해 민족의식과 국제적 감각을 고루 갖춘
교포가 많아져야 분열된 교포사회를 통일할 수 있는 힘도
커지리라 믿습니다. 그 힘이 분단된 한반도의 통일을 앞당기는
데도 도움이 되겠죠.”
「総連や民団では、私を『灰色分子』と批判する人もいる。しかし、
中立教育を通じ、民族意識と国際感覚を兼ね備えた同胞が
増えてこそ、分裂した在日社会を統一する力も大きくなると信じて
いる。そして、在日社会のそうした力は、分断された祖国の統一を
引き寄せる上で、必ずプラスになると思う。」
(終わり)
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