韓国語で「왜색(倭色)」と言えば、それは排斥すべき日本風
文化を意味する。
今、ネット上を中心とした韓国社会の一角で、ハリウッド映画
「トランスフォーマー/リベンジ」と韓国映画「ブラッド」の2編を
ターゲットに、時ならぬ「왜색(倭色)」排斥の動きが起きている。
今回は、そうした動きを時代錯誤的なものとして批判的に報じた
京郷新聞の記事を、翻訳練習してみた。
「ヲタク」が見るに、どこをどう切っても日本と無関係なものを
見つけることが難しいくらい、日本文化にどっぷり浸かった
韓国社会で、まるで心理的なバランスを回復しようとでもするかの
ように、時おり生み出されるのが、こうした「왜색(倭色)」排斥の
スケープゴートだ。
日本を見つめる隣国の目は、実にアンビバレント(両面感情的)な
ものだと言える。
△「そう言うオマエもかなり屈折している・・・」
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■ [문화수첩]왜색 논란과 일본 콤플렉스
[文化手帳] 「倭色」排斥問題と日本コンプレックス
(京郷新聞 6月15日)
최근 <트랜스포머: 패자의 역습> 감독과 배우들이 홍보차
한국을 찾았다.
最近、「トランスフォーマー/リベンジ」の監督と俳優らが
映画の宣伝のため韓国を訪問した。
이들은 예정됐던 레드 카펫 행사와 기자 회견에 각각 1시간,
20분씩 늦었고, 많은 팬과 취재진은 빗속에서 이들을 기다려야
했다. 일본에서 제작진이 탄 비행기가 1시간 연착했고 폭우
속에 교통 체증이 일어났다 하더라도, 결과적으로 약속 시간에
늦은 것은 프로페셔널 영화인으로서 분명한 잘못이다. 이에
마이클 베이 감독은 한국 팬과 언론에 공식 사과문을 보냈다.
彼らは予定されていたレッドカーペット・セレモニーには1時間、
記者会見には20分遅刻し、大勢のファンと取材陣は雨の中、
彼らの登場を待ち続けなければならなかった。制作陣が日本で
搭乗した飛行機の着陸が悪天候で1時間ほど遅れ、ソウル市内も
大雨で交通渋滞が起きていたとは言え、結果的に約束の時間を
守れなかったことは、プロの映画人としては明らかな過失であった。
今回の遅刻について、マイケル・ベイ監督は、韓国のファンと
マスコミに向け、公式の謝罪文を発表した。
그런데 이들의 ‘지각’이 엉뚱한 논란으로 번졌다. 일본의
화려한 홍보 행사 사진이 외신을 통해 한국에 전해지면서,
한국이 일본에 비해 상대적으로 무시당했다는 여론이 인
것이다.
ところで、彼らの「遅刻」が思いもよらぬ方向へ飛び火し問題と
なった。日本での華麗なレッドカーペット・セレモニーの様子が
外信報道を通じて韓国内に伝わるや、韓国が日本よりも軽視され、
バカにされたと受け止める世論が巻き起こったのだ。
게다가 베이 감독이 <트랜스포머>에 최초의 아이디어를 준
일본의 완구 제작자를 만나 ‘무사도’ 정신에 대해 얘기를
나눴다고 말하면서 ‘왜색 논란’까지 일었다.
加えて、ベイ監督が、「トランスフォーマー」に最初のアイデアを
与えた日本の玩具メーカーの製作者に会い、「武士道」精神に
ついて語り合ったとの報が伝わるや、「倭色排斥」の動きまで
起きた。
일부 누리꾼은 ‘트랜스포머 안보기 운동’을 벌이자고 나섰다.
몇몇 연예 매체도 이 같은 누리꾼의 반감과 ‘왜색 논란’을
적극적으로 보도했다.
一部のネットユーザーらは、「トランスフォーマー・ボイコット運動」を
始めた。いくつかの芸能メディアも、こうした国民の反感と「倭色
排斥」の動きを積極的に報道した。
전지현이 주연한 <블러드>에도 왜색 논란이 있었다. 극중
전지현은 일부 장면에서 일본어 대사를 하고, 악당은 일본풍의
옷을 입은 요괴다. <블러드>는 일본 감독 오시이 마모루가 쓴
소설에 기반한다.
時を同じくして、チョン・ジヒョン主演の韓国映画「ブラッド(Blood:
The Last Vampire)でも、「倭色排斥」の動きが表面化した。この
映画では、劇中の一部の場面でチョン・ジヒョンが日本語の台詞を
口にするし、悪役は和服を着た妖怪だ。そもそも、「ブラッド」は
日本の映画監督、押井守が書いた小説が原作となっている。
그런데 역설적인 점은 일본 배우나 팬들이 한국 문화에 호감을
보이면 ‘한류’라 부르며 환영한다는 것이다. 일본 대중문화가
개방된 지도 10년이 넘었는데, 여전히 ‘왜색’이 논란의 대상이
된다는 사실은 어떻게 해석해야 할까.
しかし、「倭色」排斥を訴える人たちも、日本の俳優やファンが
韓国文化に好感を示せば、それを「韓流」と呼び大歓迎している
のだから、実に逆説的な話だ。日本の大衆文化開放措置から
10年が過ぎたにもかかわらず、依然として「倭色」が問題の
対象になるという事実を、どう解釈すればよいのか。
가수 이미자의 ‘동백 아가씨’에 ‘왜색’ 딱지가 붙어
금지곡이 된 것은 1965년이다. 2009년의 ‘왜색 논란’은
시대착오다. 지금 진정 청산해야 할 것은 ‘왜색’이 아니라
‘일본 콤플렉스’다.
歌手のイ・ミジャが歌う「トンベク・アガシ」が「倭色」のレッテルを
貼られ禁止歌謡になったのは1965年。2009年に起きた「倭色
排斥」世論は、もはや時代錯誤と言うしかない。今、韓国社会で
真に清算されるべきは、「倭色」ではなく「日本コンプレックス」だ。
(終わり)
参加カテゴリ:地域情報(アジア)