北方四島と沖縄(日本のキューバ問題)
自民党憲法改正草案を読む/番外225(情報の読み方)
2018年09月13日の読売新聞(西部版・14版)の1面。
という見出し。
領土問題よりも、日露平和条約締結が先、とプーチンは提案した。安倍は、それに対して即座に応対できなかった。「事前通告」がなかったためらしい。
これで「外交に強い」というのだから、あきれる。
ということはさておき。
ロシアが北方四島を日本に帰さないのは、軍事(地理)的に見れば当然である。ロシアにとって、北方四島は「キューバ」なのである。
かつて「キューバ危機」があった。フルシチョフ、ケネディ時代である。ソ連はキューバに核ミサイルを設置しようとした。キューバに核ミサイル(軍事基地)があれば、アメリカに強いにらみを利かせることができる。しかしアメリカの強い反発を招き、断念した。そのことに重ね合わせてみよう。
ロシアが北方四島を返還しないのは、北方四島が日本(日本の米軍基地)を牽制する「キューバ」だからである。北海道まで、すぐ。つまり、戦争になったときロシア大陸から攻撃するよりも侵攻しやすい。そして何よりも北方領土のロシア軍基地(いまは、まだないようだけれど)が攻撃されたら攻撃されたで、そこを攻撃されている間にアメリカ本土を攻撃できる。つまりアメリカの軍事行動を北方四島とアメリカ本土に分散できる。さらに、小さい島なので戦争の「捨て石」にできる。
キューバも、「捨て石」にされかけたのである。キューバを守る、という「名目」で。
これは沖縄についても言えるだろう。
アメリカは沖縄を中国、北朝鮮ににらみを利かせる「キューバ」のように利用している。ソ連がキューバにしようとしたことをしている。
もし戦争が起きたとき、沖縄に中国、北朝鮮の攻撃を集中させることで、アメリカ本土を防衛する。相手の攻撃を分散させることができる。中国、北朝鮮は、大陸間弾道弾があるとはいえ、「目の前」の基地を放置することはできない。
アメリカにしてみれば、最悪の場合、沖縄を捨てればいいだけである。沖縄を捨てるということは日本を捨てるということである。
ソ連にとって、キューバが米軍の支配下になろうが、ソ連本土にとってはあまり影響はない。アメリカにとっては、キューバにソ連軍の基地があるのとないのでは、大きな違いである。ソ連にとってはキューバは「捨て石」だった。経済援助はするが、いざとなったら捨てる、という存在だった。
アメリカ(トランプ)が日本(安倍)に対して「好意的」であるのは、ただそれだけである。「捨て石」をもっている、というのがアメリカの強みである。
だいたい戦争というのは、侵略(侵攻)していった方が負ける。アメリカはベトナム戦争でそれを体験している。それでも中東で戦争を繰り返しているのは、中東には「イスラエル」があるからだ。ユダヤ人を敵に回してはアメリカの経済が動かない。だから必死で中東から撤退しない。ユダヤ人が「献金」してくれないことには、アメリカ議員が生活できない。
日本(安倍)も、一種の「金づる」である。中国、北朝鮮が攻撃してくるかもしれないとあおれば、どんどん軍備を購入する。アメリカの軍需産業はもうかる。軍備というのは消費するだけのものである。戦争が始まれば、さらにもうかる。それがアメリカの経済学だ。
日本は小さな島国である。そして、その島国は、中国、北朝鮮、ロシアの「鼻先」にある。そのことを自覚して戦略を立てないといけない。
日本がもしキューバだったなら、という視線でとらえ直さないといけない。
日本はアメリカにとって、ソ連時代のキューバと代わりがないのである。
どれだけ軍備を増強しても、無駄である。増強すればするほど、最初に攻撃しなければならない「標的」になる。戦争が始まれば「前線」として利用され、「捨て石」にされるだけである。アメリカの「捨て石」にもなれば、中国、北朝鮮、ロシアの「捨て石」にもなる。戦場が「日本」に限定されれば、「本土」は安心。戦争の結果、どれだけ荒廃しようが、そこは彼らの「国」ではない。戦争は、そこに暮らしている人のことなど何も考えない。日本に暮らしているのが日本人で、中国人でも、北朝鮮人でも、ロシア人でも、アメリカ人でもないなら、なおさらそうである。アメリカがベトナムで展開したように、どんな卑劣な攻撃でもするだろう。
安倍には、この自覚がまったくない。
他の国と「対等」であるとか、「上等」であると思ってはならない。日本が「戦場(捨て石)」にならないためには何をすべきかから考えないといけない。
先に「日本に暮らしているのが日本人で、中国人でも、北朝鮮人でも、ロシア人でも、アメリカ人でもない」と書いたが、実際には多くの中国人や北朝鮮人も暮らしている。もし日本を「戦場」にするなら、そのひとたちの救出が大問題になる。(安倍が、朝鮮半島の日本人をどうやって救出するか、と考えるのと同じように。)だから、簡単には攻撃できない。
ここにこそ、問題解決の糸口がある。いま、世界は「国境」「民族」の垣根がなくなりつつある。それを平和に利用する方法を考えないといけない。
安倍は、逆に民族差別をあおり、国民の間にも分断をつくりだして、日本を「内戦状態」にしている。安倍のまわりにたくさんの「キューバ」を抱え込み、自分だけ、のうのうとしている。
#安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位
*
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自民党憲法改正草案を読む/番外225(情報の読み方)
2018年09月13日の読売新聞(西部版・14版)の1面。
露大統領「年内に平和条約」提案/首相に 北方領土棚上げ/日本、応じぬ方針
という見出し。
領土問題よりも、日露平和条約締結が先、とプーチンは提案した。安倍は、それに対して即座に応対できなかった。「事前通告」がなかったためらしい。
これで「外交に強い」というのだから、あきれる。
ということはさておき。
ロシアが北方四島を日本に帰さないのは、軍事(地理)的に見れば当然である。ロシアにとって、北方四島は「キューバ」なのである。
かつて「キューバ危機」があった。フルシチョフ、ケネディ時代である。ソ連はキューバに核ミサイルを設置しようとした。キューバに核ミサイル(軍事基地)があれば、アメリカに強いにらみを利かせることができる。しかしアメリカの強い反発を招き、断念した。そのことに重ね合わせてみよう。
ロシアが北方四島を返還しないのは、北方四島が日本(日本の米軍基地)を牽制する「キューバ」だからである。北海道まで、すぐ。つまり、戦争になったときロシア大陸から攻撃するよりも侵攻しやすい。そして何よりも北方領土のロシア軍基地(いまは、まだないようだけれど)が攻撃されたら攻撃されたで、そこを攻撃されている間にアメリカ本土を攻撃できる。つまりアメリカの軍事行動を北方四島とアメリカ本土に分散できる。さらに、小さい島なので戦争の「捨て石」にできる。
キューバも、「捨て石」にされかけたのである。キューバを守る、という「名目」で。
これは沖縄についても言えるだろう。
アメリカは沖縄を中国、北朝鮮ににらみを利かせる「キューバ」のように利用している。ソ連がキューバにしようとしたことをしている。
もし戦争が起きたとき、沖縄に中国、北朝鮮の攻撃を集中させることで、アメリカ本土を防衛する。相手の攻撃を分散させることができる。中国、北朝鮮は、大陸間弾道弾があるとはいえ、「目の前」の基地を放置することはできない。
アメリカにしてみれば、最悪の場合、沖縄を捨てればいいだけである。沖縄を捨てるということは日本を捨てるということである。
ソ連にとって、キューバが米軍の支配下になろうが、ソ連本土にとってはあまり影響はない。アメリカにとっては、キューバにソ連軍の基地があるのとないのでは、大きな違いである。ソ連にとってはキューバは「捨て石」だった。経済援助はするが、いざとなったら捨てる、という存在だった。
アメリカ(トランプ)が日本(安倍)に対して「好意的」であるのは、ただそれだけである。「捨て石」をもっている、というのがアメリカの強みである。
だいたい戦争というのは、侵略(侵攻)していった方が負ける。アメリカはベトナム戦争でそれを体験している。それでも中東で戦争を繰り返しているのは、中東には「イスラエル」があるからだ。ユダヤ人を敵に回してはアメリカの経済が動かない。だから必死で中東から撤退しない。ユダヤ人が「献金」してくれないことには、アメリカ議員が生活できない。
日本(安倍)も、一種の「金づる」である。中国、北朝鮮が攻撃してくるかもしれないとあおれば、どんどん軍備を購入する。アメリカの軍需産業はもうかる。軍備というのは消費するだけのものである。戦争が始まれば、さらにもうかる。それがアメリカの経済学だ。
日本は小さな島国である。そして、その島国は、中国、北朝鮮、ロシアの「鼻先」にある。そのことを自覚して戦略を立てないといけない。
日本がもしキューバだったなら、という視線でとらえ直さないといけない。
日本はアメリカにとって、ソ連時代のキューバと代わりがないのである。
どれだけ軍備を増強しても、無駄である。増強すればするほど、最初に攻撃しなければならない「標的」になる。戦争が始まれば「前線」として利用され、「捨て石」にされるだけである。アメリカの「捨て石」にもなれば、中国、北朝鮮、ロシアの「捨て石」にもなる。戦場が「日本」に限定されれば、「本土」は安心。戦争の結果、どれだけ荒廃しようが、そこは彼らの「国」ではない。戦争は、そこに暮らしている人のことなど何も考えない。日本に暮らしているのが日本人で、中国人でも、北朝鮮人でも、ロシア人でも、アメリカ人でもないなら、なおさらそうである。アメリカがベトナムで展開したように、どんな卑劣な攻撃でもするだろう。
安倍には、この自覚がまったくない。
他の国と「対等」であるとか、「上等」であると思ってはならない。日本が「戦場(捨て石)」にならないためには何をすべきかから考えないといけない。
先に「日本に暮らしているのが日本人で、中国人でも、北朝鮮人でも、ロシア人でも、アメリカ人でもない」と書いたが、実際には多くの中国人や北朝鮮人も暮らしている。もし日本を「戦場」にするなら、そのひとたちの救出が大問題になる。(安倍が、朝鮮半島の日本人をどうやって救出するか、と考えるのと同じように。)だから、簡単には攻撃できない。
ここにこそ、問題解決の糸口がある。いま、世界は「国境」「民族」の垣根がなくなりつつある。それを平和に利用する方法を考えないといけない。
安倍は、逆に民族差別をあおり、国民の間にも分断をつくりだして、日本を「内戦状態」にしている。安倍のまわりにたくさんの「キューバ」を抱え込み、自分だけ、のうのうとしている。
#安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位
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「天皇の悲鳴」(1500円、送料込み)はオンデマンド出版です。
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