詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

なぜいま「医療崩壊」を言うのか(その2)。

2020-04-03 10:57:09 | 自民党憲法改正草案を読む
なぜいま「医療崩壊」を言うのか(その2)。
       自民党憲法改正草案を読む/番外333(情報の読み方)

一般社団法人 日本集中治療医学会が「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する理事長声明」を出した。
https://www.jsicm.org/news/statement200401.html?fbclid=IwAR2oslF1vVMcS-vkk4WR8zmDj09wcx6oV1HN1Imt_-dRImW5V2KFYai4PDY

私がいちばん疑問に思うのは、なぜいまごろになってこういう文章が出るか、ということ。

「重要なことは、本邦のICUは2対1看護でありますが、重症化した新型コロナウイルス感染症患者の治療をICUで行うには、感染防御の観点からも1名の患者に対して2名の看護師が必要であるということです。これは、8床のICUでは、新型コロナウイルス感染症の患者2名を収容した時点でマンパワー的に手一杯となり、通常の手術後の患者や救急患者の受け入れさえもできなくなる事を意味致します。」
↑↑↑↑
こういうことは医療現場では「常識」ではないのか。
だからこそ、中国・武漢の様子がつたえられたと、「医療崩壊」が起きる、と叫ばれたのだと思う。
そして「医療崩壊」させないために、検査を少なくする、検査の精度は低いのだからする必要はない、症状が出てから「感染している」という疑いが強い人だけ検査すればいいという体制がとられてきた。
そして、それが「感染経路が不明」な感染者を増やすという現状につながっている。
その間、「日本集中治療医学会」は政府に対してどんな働きかけをしたのか。
ICUを増やせ、看護師養成のための準備をしろ、というようなことを働きかけたのか。
「医療現場」のひとは「医療崩壊」というが、国民が直面しているは、自分自身の「健康崩壊」。
「医療崩壊」がどうして起きるかと考える前に、国民の「健康崩壊」がどうして起きるのか、ということを考えるべきではないのか。
国民が「健康崩壊」を起こさない限り、「医療崩壊」は起きない。
国民が「健康崩壊」をおこしたとき(あるいは、それが予想されるとき)、どうすれば「医療崩壊」がおこさずにすむか。
医療体制の充実しかないだろう。
中国で大問題になってからすでに2か月以上たつ。
いままで「医療現場」は何をしていたのか、なぜ、政府にもっと働きかけなかったのかと不思議でしようがない。
一気に患者が増えるのは困るが、毎日、治療できるだけの患者が継続的に来る限りは「もうかる」。そういう「もうかる」システムを維持したいというだけなのではないか。

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嵯峨信之『詩集未収録詩篇』を読む(20)

2020-04-03 10:49:42 | 『嵯峨信之全詩集』を読む

自由人

ぼくは呪う
ぼくは拒む

 と書いて、そのあと「何を」呪うのか、「何を」拒むのかを書き続ける。
 そして、それはだんだん長くなる。
 それがおもしろくない。
 書き出しの短いリズムのまま、ことばが展開するなら、「自由」が強烈に輝く。ことばが長くなると「叫び」ではなく言い訳になる。
 「呪う」「拒む」という動詞が「言い訳」といっしょに動くのは、感情を論理が上回るからである。これは、おかしい。
 論理を突き破って動く何かが「呪う」ということである。「拒む」ということである。「論理的」である限りは「自由」とは言えないのだ。「論理の自由」さえ、そこにはないのだ。




*

詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
オンデマンドで販売しています。100ページ。1500円(送料250円)
『誤読』販売のページ
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私あてにメール(yachisyuso@gmail.com)でも受け付けています。(その場合は多少時間がかかります)
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