詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

ひどすぎる。

2020-04-30 15:59:45 | 自民党憲法改正草案を読む


2020年04月29日の参議院予算委員会。https://twitter.com/i/status/1255424764153298946

森議員「そんなに検査してますか?この国の国民は一体どのくらい感染してるんですか」
この質問に、安倍が答えられない。

ひどすぎる。
国民が何人感染しているか、毎日、新聞などで報道されている。
端数は正確に言えなくても、1万人を超えているとか、1万5000人近くだとか、2万人目前だとか、それくらいのことは多くの人が知っている。(4月30日現在は1万5000人)
自分の住んでいる地域のだいたいの感染者数も知っている。
ところが安倍は知らない。
それなのに、いろんな指示だけは出そうとしている。
(方針を決めるに当たっては、専門家会議の意見を聞いているというが、聞いているならおおよその数字は言えるはずなのに、言えない。)
いったい、全国の知事で、自分の自治体の感染者の数、数字の変化の状況を知らない人間がいるだろうか。
安倍のやっていることは、「ぼくちゃんがいちばん偉い。だから、どんな指示でも出せるんだ」と自慢するだけだ。
「非常事態宣言」も「休校」も、全部、ぼくちゃんが決めた、偉いんだ。
でも、非常事態宣言や休校の影響で、休業に追い込まれひとの暮らしは、どうなろうと気にしない。休業補償は、ぼくちゃんの責任じゃない。休業を要請した自治体の責任、と知らん顔をしている。

問題は、それだけではない。予算委員会なので、そこにいるのは安倍と森だけではない。閣僚がいて、官僚もいる。
だれか感染者数の知っている人がいれば安倍に助言できる。だれも助言しない。だれも知らないのだ。
よく官僚が、答弁する大臣に「メモ」を渡したりするが、メモを渡す人さえいない。
安倍は、補佐する官僚から文書を見せられて、「ここに、その質問は書いてない」と答えている。これは「官僚が答えを書いてくれていないから、ぼくちゃん答えられない」と言っているのに等しい。

そして、このおそろしい「事実」は、安倍が、毎朝「きのうの感染者、死者」というのような基本的な事実さえ、だれとも共有せずにいるということを教えてくれる。
そばにいる麻生も、菅も、ぽかーんとしている。(ように、見える。)
それとも水面下では、安倍を見切った動きがあって、麻生も菅も、安倍がどれだけ困ろうが知ったことではないと決め込んでいるのか。
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嵯峨信之『詩集未収録詩篇』を読む(44)

2020-04-30 15:57:12 | 『嵯峨信之全詩集』を読む
* (時が大ゆれにゆれているときがある)

霙がふっている街はずれの
一軒の家は何年も空家になっている

 そこでは「時」がとまっている。揺れていない。
 嵯峨の「時」が激しく揺れているから、止まっているものが見えるのだろう。「空家」は死を象徴しているかもしれない。世界に存在する客観的な「時」ではなく、個人の「固有の時」が動かなくなったときが死であるなら。
 いまの時代なら、嵯峨は「街はずれ」ではなく、街の真ん中に「空家」を置いたかもしれない。「街はずれ」では、死の寂しさが先行してしまう。衝撃がない。抒情になってしまう。抒情が嵯峨の世界ではあるけれど。





*

詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
オンデマンドで販売しています。100ページ。1500円(送料250円)
『誤読』販売のページ
定価の下の「注文して製本する」のボタンを押すと購入の手続きが始まります。
私あてにメール(yachisyuso@gmail.com)でも受け付けています。(その場合は多少時間がかかります)
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どさくさ紛れ

2020-04-30 09:24:22 | 自民党憲法改正草案を読む
どさくさ紛れ
       自民党憲法改正草案を読む/番外343(情報の読み方)

 2020年04月30日の読売新聞( 西部版・14版) の1面に、

9月入学 首相検討

 という見出しがある。全国知事会議などで、そういう意見が出てきたことを踏まえたものだ。内容は、その通りなのだが、とても気になる。
 学校が休校で、授業に支障が出ていることはわかるが。
 そう思っていたら、たぶん私と同じように違和感をおぼえる人がいるらしく、2面に再度記事があり(見出しは「9月入学 社会に広く影響/入試・採用・会計年度」)、末尾にこう書いてある。
 小池・東京都知事が9月入学を提唱したのに対し、大阪、神奈川の知事も賛同し、埼玉知事は社会全体の連動が必要と訴えた。一方、

他の知事からは「どさくさ紛れに導入すべきではない」といった声もあった。

 この知事の名前は書いていないが、彼だけが「まとも」に思える。
 なんでもそうだが、急いでしなければならないことがある一方、急いでいるからといって「どさくさ紛れ」でやってはいけないことがある。
 安倍も小池も「どさくさ」を利用している。
 コロナ問題で東京五輪を延期したのはいいが、「どさくさ紛れ」に「1年延期(来年開催)」を決めてしまっている。まだ、何の見通しも立っていないのに、である。そのことを批判している余裕は、世間にはない。自分のいのちのことが気になるからである。
 年金支給75歳開始、種子法も、そうである。時間をかけて検討しないといけないのに、時間をかけない。その一方で、ほんとうにすぐに実行しなければならない休業補償問題はあとまわし。10万円支給も、やっと決まりそう。

 安倍は、コロナ感染を「危機」とは感じていなくて、チャンスととらえているのだろう。何のチャンスか。「緊急事態事項」を憲法に盛り込む、憲法を改正し、独裁を確立するチャンスと考えているのだ。
 小池も、ただ都知事選を前にして、ひたすらコロナ問題を利用することを考えているとしか思えない。

 休校が長引いていることに対しては、まず、この長い休校をどうするのか、その「指針」を策定することの方が先だろう。対応を「現場」に丸投げしておいて、「9月入学」にすれば問題が解決すると考えるのはおかしい。だいたい9月までにコロナが終息する保証など、どこにもない。さらに悪化するかもしれないに、「9月入学」にしてしまえば、何かやった気持ちになると思えるらしい。
 小学生から大学生まで、教育を受ける権利をもっている人間を放り出して、あれこれ考える前に、いま、何をすべきなのか、それを考えないといけない。一部の大学では、学生支援に金を出すところもある。そういうことを大学まかせにするのではなく、国が制度化しないといけないだろう。やることの順序が逆だ。






#安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位 
 


*

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Estoy loco por espana(番外篇50)

2020-04-30 06:50:19 | estoy loco por espana
Joaquinの作品


新型コロナウィルス。スペインの「隔離期間」が終わる。


長い夜が明けた
一羽の鳥が飛び立つ
羽ばたきの中から、一羽の鳥が生まれる
その羽ばたきの中から、また一羽の鳥が生まれる
よろこびの羽音が広がって行く
新しい空に、
君の上に広がる空に


Al final del período de cuarentena.

Amanecer, se acabó la larga noche,
Un pájaro despega
De sus alas batientes, un pájaro nace.
De ese aleteo, nace otro pájaro.

El sonido de la felicidad se extiende
En el cielo nuevo
En el cielo sobre ti

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