詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

嵯峨信之『詩集未収録詩篇』を読む(24)

2020-04-07 10:25:13 | 『嵯峨信之全詩集』を読む

白い雨

ゲルニカの時はアコーデオンの
      馬の白い歯にまごうゆるやかな
    怒り

 何のことが、わからない。
 「ゲルニカ」はピカソの絵で有名な「ゲルニカ」だろう。アコーデオンの白い鍵盤を馬の歯に見立てたのか、ゲルニカの絵の馬の歯からアコーデオンを連想したのか。そして、それが「怒り」ということばに結晶しているのか。
 わからないが「まごう/ゆるやかな」ということばが印象に残る。
 なにかがことばになるとき、突然ことばになるものと、ゆっくりと時間をかけてことばになるものがある。
 どちらにも、それぞれの不思議な力がある。
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どの数字がほんとう?

2020-04-07 09:53:04 | 自民党憲法改正草案を読む
どの数字がほんとう?
       自民党憲法改正草案を読む/番外335(情報の読み方)

 
 2020年04月07日の読売新聞(西部版・14版)の1面トップ。

緊急事態 7都府県/福岡など1か月程度

という大きい見出し。新型コロナの感染者が急増しているためなのだが、私には、とても気になることがある。
 新型コロナに関しては「感染しても重症化するのは2割、8割は軽症ですむ」と報道される。だから、「軽症」の人は病院ではなく、自宅などで治療して、ということになるのだろうが、これは「軽症者」を入院治療させないための「方便」である。
 感染したら8割は軽症ですむのかもしれないが(これも適切な治療を受ければ、ということだろう)、2割は重症化するのである。
 そして重症化の先を具体的報道することは少なくなったが、死んでしまう可能性もあるのだ。死者の割合と、当初は「2~3%」というふうに言われていたと思う。そして日本の死者は、最近までは感染者の2%前後ということが多かった。
 けれど、現実は、全然違う。2面に世界の感染者と死者の一覧表がある。国名前、感染者、死者という順に並べると

米国   33万7971   9654
スペイン 13万5032  1万3053
イタリア 12万8948  1万5877
ドイツ  10万0186    1590
フランス  9万3780   8078
英国   4万8451    4934

 アメリカとドイツを除けば、たいていが「1割」なのだ。感染者が増えるほど死者の割合が「1割」に近くなっている。ドイツは徹底的な検査、管理態勢が効果を上げているのだと思う。アメリカは感染者の急増に分析が追いついていないのかもしれない。感染者とは認識されずに死んだ人がいるのかもしれない。
 この「死者1割」という事実は「大きな見出し」で新聞で報道されたことはないと思う。(私は読んでいない。)
 ここから考えれば、新型コロナに感染したら、

8割は軽症ですむかもしれないが、2割は重症化し、重症化したひとの半分、つまり感染者全体の1割は死ぬ

 というのが「事実」ではないのか。
 こういう「見方(表現)」は読者に不安を与えると判断し、新聞などでは避けているのかもしれないが、正確な情報とその分析を伝えないことには、気がついたらたいへんなことが起きていたということになる。
 そのことを、つづけて書いておく。(これからが、いままで書いたことより、実は大事なこと。)

 あるサイトで、医療関係者が「緊急事態宣言が出たら、反安倍派の人も協力しよう」というような呼びかけがあった。
 私は「協力」などはしない。自分のいのちを守るために自分のできることをするだけだ。安倍が何をやってきたか、何をやろうとしているか、それを報道機関はどう伝えているか、それを読みながら自分で判断する。安倍の行動(政策)ももちろん批判し続ける。批判しないと、独裁がさらに進むだけである。「死の不安」をみせつけておいて、言うことをきかないなら死ぬ目にあうぞというような脅しの政治に、そのまま従うつもりはない。
 たとえば、1面のトップ記事のなかほどに次の文章がある。

首相は6日、(基本的対処方針等)諮問委会長の尾見茂・地域医療機能推進機構理事長と会談した。尾見氏は首相に、東京など都市部で感染者が急増し、医療現場が危機的状況になっているとして、宣言を発令するよう求めた。

 とある。私はこの文章を読みながら、いままで安倍は医療関係者(たとえば尾見)に、積極的に情報を求めたのか、ということが気になる。安倍がこれまでに尾見を呼びつけ、感染者と医療現場の状況はどうなっているか、日々把握し続けたのかが気になる。尾見が言うまで、それを待っていた、というのでは困るのだ。
 「学校休校」のときもそうだが、安倍が関係者を呼び、そこで状況を聞き取り、さらには意見を聞いて「要請」を出したのか。そのときの「状況聞き取り」の「議事録」はあるのか、というようなことが問題なのだ。
 「現場」の声を聞く、「現実」を把握する、ということをしているかどうか、それが問題なのだ。尾見に「要請」をさせておいて、尾見に要請されたから「緊急事態」を発令する(ぼくちゃんの責任じゃない)という「逃げ道」を残したまま進める政策は間違っている。尾見の報告を聞き「それで対応できるか。対応できないのではないか。もし、ここで緊急事態宣言を出し、国民の行動を規制した場合、医療現場の状況はどう改善、あるいは維持できるか」というようなことを確かめ、そのうえで安倍の判断で決定しなければいけない。尾見から要請されたからではなく、安倍が方針を示し、尾見に協力を要請しないといけない。どうも、逆に思えるのである。
 だから。(ここからが、さらに大事。安倍の「うその政策」を「数字」で明らかにしておく。)

 私の読んだ限りでは、この緊急事態宣言の発令によって、今後感染者の増加スピード、死者の増加スピードは、これくらい減速する(減速させる効果がある)ということが、政府のことば(予測)としてはどこにも書かれていない。
 2面に

外出自粛6週間/都民に呼びかけ/都医師会

 という見出しで東京都医師会の尾崎会長の、

自粛すれば最初の2週間で新規患者が激減し、続く2週間で感染した患者が治り、最後の2週間を終えると街中の感染者がほとんどいなくなると説明し、医師会としての「緊急事態宣言」と位置づけた。

 という記事があるだけだ。
 そして、思い出したいのだが、この「6週間」は1面の

福岡など1か月程度

 とは合致しない。医療関係者は最低「6週間」は必要だと見ている。(実際、イタリア、スペインでも「1か月」では間に合わず、期間を延長している。)
 安倍は、ここでも医療関係者の話を真剣には聞いていないし、外国の実情にも眼をつむっている。現場から求められている「数字」を政策に正確に反映していない。
 「緊急事態宣言」は「1か月」では終わらず、少なくとも「6週間」はつづく。つまり延長しないといけない。そのとき安倍は、どういう「口実」を付け加えるのか。安倍の「野望」がそのときより明確になるはずだ。安倍は、「非常事態宣言」を延長するために、わざと「1か月程度」と言っているのだと考える必要がある。一度延長し、それが受け入れられれば、それをずるずると延長し続けることは簡単なのだ。安倍の「狙い」は、そこにある。国民の健康、いのちよりも、安倍が独裁者になるということが大事なのだ。























#安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位 
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