6月2日(水)、韓国では統一地方選挙が行われた。
事前の各種世論調査や大方の予想では、保守系与党のハンナラ
党が楽勝するはずだった。
「ヲタク」が、今回の統一地方選にあまり関心が湧かなかったのも、
実は、そうした理由があったからだ。
ところが、選挙の結果は全く違った。
焦点となった全国主要16自治体(9道、7大都市)の首長選で、
ハンナラ党は6自治体を制するにとどまり、予想外の敗北を喫した。
一方、野党第1党の民主党候補は、与党を上回る7自治体で
勝利し大躍進を遂げた。これに、野党系無所属候補の当選を
加えれば、野党側の大勝利と言える。
さらに、基礎自治体(区、市、郡)の首長選では、そうした傾向が
一層、明確に現れ、中でも首都圏におけるハンナラ党の退潮ぶりは、
まさに惨敗と言ってよい。
今回の地方選では、朝鮮半島で軍事的緊張が高まる中、北朝鮮に
強硬な保守党に有利な「북풍(北風)」が思ったほど作用しなかった
ばかりか、むしろ、これまでとは逆方向に作用した可能性すらある。
△首都圏基礎自治体首長選挙当選者の変化(ヘラルド経済)
全般的に予想外の結果となった今回の地方選で、特に「ヲタク」が
注目したのは、これまでハンナラ党の盤石の地盤とされて来た
慶尚道2道のうち1道(慶尚南道)において、前盧武鉉(ノ・ムヒョン)
政権下で行政自治省長官を務めた野党系無所属のキム・ドゥガン
候補が当選したことだ。
これは、キム候補本人の南海郡(慶尚南道)郡長時代からの行政
手腕や人柄が道民の信頼を広く集めたことに加え、同じく慶尚南道
金海市を出身地とする故盧武鉉前大統領の一周忌を前後して
強まった、「노풍(盧風)」と呼ばれる政治的求心力も少なからず
作用したものと考えられる。
一部韓国メディアは、韓国に根強い地域主義の壁を破り、慶尚道
地域に、反ハンナラ党進歩派知事が誕生したことを、「선거혁명
(選挙革命)」とまで報じていた。
ここでは、今回の地方選で、「노풍(盧風)」が「북풍(北風)」に
勝(まさ)ったことを単純明快に描いた時事漫画を紹介しておく。
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■노>북
盧>北
(メディアトゥデイ 6月3日)
△「今回の地方選の投票率は54.5%。一方、
オマエの事前予想は53.1%」
「まさか、ここまで大きく外すとは思わなかったな・・・」
△「たった1.4%の差なんて、当たったも同然ですッ!」
(終わり)