政府の対処もお粗末だった。四ヶ月ほどさかのぼって安倍内閣の無能力を振り返ってみよう。
3月22日の産経朝刊5面に「安倍政権6ヶ月、下」という記事がある。石橋文登と署名がある。たしか、前にも同じような題で郵政改革反対議員の復党問題でゆれていたころに記事を書いていた記憶がある。
番記者の古手でデスクか編集委員の人だろう。昨日の記事は米国議会の従軍慰安婦決議案をめぐるものであった。「この決議案はもともと米国でも大して注目されていなかった」とある。この意見は安倍側近からよく聞くが、あきれた認識である。精神年齢の未発達が顔に表れている山本一太などという議員がテレビ(たしかたけしのTVタックル)なんかに出てきてしたり顔で解説していた。
彼だけかと思っていたら、驚いたことに麻生外務大臣がテレビで(たしかフジテレビ報道2001)同じことを云っていた。こんな認識で外務大臣が務まるのかね。危なっかしくて見ていられない。麻生が先か、山本一太がさきか分からなくなってきた。
彼らの言い分は「決議案が出てもマスコミは大して注目していないから、黙ってクビをすくめていればいい」というのである。彼らにすればテレビ討論番組で取り上げられたりすると相手を刺激するといいたいのだろう。驚くべき言論弾圧の思想だ。
山本一太にすれば、安倍首相が国会で「従軍慰安婦を強制的に連行したことは、狭義の意味ではなかった」などと答弁したからアメリカのマスコミが騒ぎ出したと云いたいのだろう。大体これまでに何回も決議案は出されたそうだが、委員会採決で可決したことはなかった。したがって本会議に決議が上程されることもなかった。今回は委員会で公聴会が開かれ可決され、やがて本会議に上程される。しかも民主党が多数を占めている。前回までとはまったく異なる。(そして決議案は採択された)
麻生や一太には政治家に不可欠なカン、切迫感、緊迫感がない。こんなノー天気で外交が出来るのか。大きな問題になるかどうか、タネのうちに察知する能力がなければ外交はできない。おおきな問題というのは最初はなにげなく小さな花をさかせるのである。彼らは理屈にもならない弁解を述べている。
それに、安倍首相の発言にしたって、野党の質問に答弁したものだ。黙っていようと思っても野党はアメリカ議会の動きをとらえて罠にかけるような質問をぶつけてくる。また、中韓の反日メンバーは日本の野党やマスコミに逐一ご注進してあおるだろう。どうしても性根を据えて立ち向かわなければならないのである。
向うが張り手をかましてきたのである。かるくいなせるとでも思っているのか。正面反攻しか相手を黙らせる以外には手がない。安部さんというのは、この産経新聞のタイトルを借りて、「安倍政権の6ヶ月を見ると」腹の据っていない男である。
安倍さんのとりまき、(ブレーンと云ってもいいし、側近と言ってもいいが)は麻生や山本のような自称情報通のボンクラ、ノー天気グループといわゆる安全保障の専門家というグループに分けられるようである。
この安全保障の専門家と言うのが危ない。初期のフルブライトの留学生だったり、アメリカの隠れエージェントだったりする。半エージェントというのは早く言えばスパイである。こういうグループに取り囲まれて腹の据わらない男が真ん中にいる。危ういかな。
たしかに正面反攻は難しいし、あぶない。素人には無理だ。しかし政治家なら正面反抗を成功させるガッツと機知がなければいけない。それがなければ何故政治家をしているのか問いたい。正面反攻をして、相手を納得させ、最後には握手に持っていく。これができなければ政治家をやめよ。
安全保障のブレーンを再吟味し、一新せよ。平成の長野主膳、長井雅楽の首を刎ねよ。
お知らせ。従軍慰安婦についてはほかにも沢山記事を書いたが、復刻版の第一弾は今回にて終わりにする。あまり長くなると嫌われるのでね。興味のあるかたは当ブログのカテゴリー「慰安婦問題」で検索してください。
次回から復刻版は「米国のホロコースト犯歴」がはじまります。