怪我の功名(7月1日投稿)
次から次へとタイミングよくニュースの種が現れる。久間防衛大臣の「長崎、広島の原爆投下はしょうがなかった」という発言が大変なさわぎだ。たしかに困った発言だ。アメリカの原爆投下がナノ秒の世界史上に比類のないジャイアント・ホロコーストであることをポイントアウトしたのは怪我の巧妙だろう。
しかし、罪は日本国民、与野党の政治家にもある。アメリカに抗議したことがありますか。国会で原爆非難決議を採択してアメリカに突きつけたことがありますか。広島には原爆の碑というのがあって「過ちは繰り返しません」という被害者の誓いのことばがあるそうだが、いったいこれは何のことだ。
一つ言っておくが、広島、長崎は被害選民でもなければ被害エリートでもない。東京大空襲でも同じ規模のホロコーストが行われた。東京では二時間かかった、広島、長崎ではナノ秒であるという違いだけだ。居丈高な言動はよくない。戦争の惨禍を宣撫する効果を薄れさせる。半年間にわたって百万人にも上る日本人婦女子がアメリカの爆撃によって焼き殺されたことも忘れてはいけない。
こんなマゾヒスティックでグロテスクな言葉があるか。加害者を明示しないで歴史を記録することが出来るのか。この碑文で戦後の日本国民は納得しているらしいが、日本国民はこんなにまで家畜化しているのか。こんなにまで卑屈でアクロバティックな精神操作をして自己嫌悪におちいらないのか。
アメリカの下院本会議で今月(今日から7月だね)、従軍慰安婦非難決議案が採択されそうだ。どこの国でもこんないわれもない決議を採択することは許されないが、よりによって、もっとも資格のないアメリカで採択されるとは何たる皮肉。(決議は7月末に採択された)
久間大臣の発言をきっかけに与野党一致で原爆投下非難決議案を採択してアメリカに謝罪を求めるくらいのガッツは国会議員にはないのかね。選挙後開会した参議院本会議は原爆非難決議のチャンスだったのにね。小沢君しっかりしたまえ。