東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

うすらさむい4

2007-08-31 07:01:47 | 社会・経済

復興への逆コース >> ==

太平洋戦争後のアメリカの対日占領政策を環境面から概観しよう。ポツダム宣言にあるとおり、占領の目的は民主化による民族家畜化と日本国力の徹底的破壊である。

GHQ民生局に入り込んだ民主党のアカどもが跳梁したわけである。だが世界情勢の変化でわずか1,2年にして潮目が変わってしまった。冷戦の勃発と深刻化である。

戦後すぐに再燃した中国共産党と国民党の内戦で共産党は勢力を拡大して、その優位は昭和22,3年ごろには決定的となった。昭和24年の初めには中共政権樹立、国民党は台湾に追い落とされた。ソ連と西側との冷戦は昭和22,3年ごろから激化、昭和24年にはソ連が原爆実験に成功する。

昭和25年には朝鮮戦争が勃発する。中国共産党は義勇軍を出して人海戦術でアメリカと戦う。ソ連のミグ戦闘機は朝鮮半島上空で空中戦をする。アメリカ不変のアジア政策は中国市場の獲得とアジアでの覇権である。日本は太平洋とアジア大陸の間に立ちはだかる壁であり、排除すべきものであった。

が、中国に共産党政権が成立すると、中国市場へのアクセスは夢のまた夢となる。しかも、中共は朝鮮半島のみでなく、日本赤化を目指すことは勿論のこと、ベトナム、カンボジア、マレイシア、インドネシアなどアジア全域への侵略を着々と計画実行する。アメリカがせっかく日本から奪い返したフィリピンにも共産党ゲリラが出没する。

いまや日本はアメリカのアジア支配の障害ではなく、中国の侵略に対する障壁にしなければならない。日本が弱体化しては困るようになった。GHQの占領政策は昭和22年ころからおおきく舵をきった。民生局からはアカの若造は追い払われた。

世に言う逆コースが始まった。「主義者たち」にとっては彼らの目論見の逆コースであり、それはまた、日本経済復興への順コースであった。その成果はすぐに現れた。朝鮮戦争のころから日本経済は目覚しく回復して昭和30年の経済白書では、日本はもはや戦後ではないとうたいあげた。

オマンマが心配なく毎日食えるようになると人間というものはマツリゴトに信頼をおくようになるものである。アメリカ式もなかなかエーじゃないか、となる。占領政策に対する批判も沈静化する。パカ・ブッシュがいう日本占領政策の成功になるのである。ブッシュさん、勘違いしないようにね。イラクのケースとの違いをよく検討するようにパカそろいのアメリカのシンクタンクにも注意しておくように。