鉄塔というと怪人二十面相を思い浮かべます。
少年探偵団のシリーズに『鉄塔の怪人』という巻があって、実は私は読んでないのですが、タイトルだけを何度も眺めては「どんなお話かなあ?」と空想にふけったものでした。
子ども心に怪人二十面相は深い印象を与えたのです。江戸川乱歩は特別な作家ですね。
そのせいか、今でも鉄塔はどこか胸騒ぎを起こす存在。夕空にそびえ立つのを見ると、垂直に上昇する意志と、水平にどこまでも連なってゆく意志とが交じり合い、遥かな、力強さを感じるのです。
今日の夕方は彼方に12夜の、ほぼ丸くなった月がかかっていました。黒いシルエットと明るい月の取り合わせが美しい。