惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

毛狐の牡丹

2010-04-30 21:04:33 | 草花
Kekitune1004 小さい頃から「キツネノボタン」という植物名はよく知っていて、なんだかお伽話のようなイメージがあって好きでした。
 「キツネのボタンって、どんなところにつけるのかなあ? チョッキかなあ。コートかなあ」などと考えたのは、「ボタン」を「釦」のことだと思っていたからです。

 本当は「牡丹」のことだそうです。葉っぱが似ているから、そう名づけられたとか。
 でも、キツネの園芸家がこの花を大事に育てているところを想像すると、やはり可愛いですね。

 ステレオグラムはケキツネノボタン。葉っぱの切れ込みが深いのと、果実の尖りぐあいから同定しました。よく似ているので難しいのですが。
 花の上で休んでいるのは、ハエの仲間でしょうか。

 明日はSFセミナー


不安定なサイン

2010-04-29 21:47:22 | SF
 今日から東京の世田谷文学館で「星新一展」が始まりました。
 昨夕の内覧会で拝見したのですが、展示は星さんのお父さんやお祖父さんから始まり、星新一がどういう人で、どういう仕事をしたのかをわかりやすく見せてくれます。

 少年時代の作文やアルバム、書いた作品などがありますが、中でも圧巻は原稿用紙や便箋などの裏に書かれた下書き、それとアイデアメモでしょう。
 なぜ、こんなに小さな字で、こんなに詰め込むように書いたのかと思わずにはいられません。

 それと、私が興味深く眺めたのは星さんのサイン。縦書きされた「星新一」の字が、どうにも危なっかしいのです。頭でっかちで、下の「新」「一」が小さい。もしこのまま立たせたとしたら、ふらふらと不安定な感じのサイン。

 このサインから2つのことを想像しました。

 ひとつは星さんご自身の頭が大きかったこと。たぶん小さな時からそうだったのでしょう。頭でっかちの子どもが、そのまま大きくなったような人だったのではないでしょうか。
 もうひとつは、星さんは地球の重力から無縁の才能を持っていたのではないかということ。無重力の空間でなら、あのサインのような格好の存在がいても、別に不安定ではありませんものね。


小蕃茄

2010-04-27 20:59:15 | 園芸
 昼過ぎから雨。

 傘差して出かけた散歩の途中、ケヤキの幹から皮が剥がれているのに気づいたので、拾い集めて持ち帰りました。昨年から庭の凹んだところにばら撒いています。
 雨が降ると凹みに水が溜まって足もとの具合が悪くなります。土や小石を入れれば良いのですが、その代わりに木の皮はどうかと思って試してみたら、結構いい感じでした。
 今年も雨の季節が近づいたので、その前に。

Minitomato1004 ステレオグラムはプランターで育てているミニトマトの花。2日前に撮影しました。
 まだ小さな苗なのに、もう花を咲かせているのです。元気に育ってほしい。

 タイトルの漢字は、勝手に考えた当て字。でも、トマトのことを「蕃茄」と書くことはあるようです。「外国から来たナスのようなもの」というような意味でしょうか。
 余談ですが、ナスの日本での栽培は古く、正倉院文書にも出ているそうです。トマトの渡来ははっきりしませんが、江戸時代、貝原益軒の『大和本草』に「唐ガキ」として登場するとか。食用にするようになったのは明治以降のことのようです。

 〈小説推理〉6月号発売中。担当のSFレビューで次の4冊を取り上げました――

  • 小川一水『天冥の標II 救世群』(ハヤカワ文庫JA)
  • 小川一水『博物戦艦アンヴェイル』(朝日ノベルズ)
  • 伊藤計劃『伊藤計劃記録』(早川書房)
  • 鏡明『二十世紀からでてきたところだけれども、なんだか似たような気分』(本の雑誌社)

紫鷺苔

2010-04-26 21:20:21 | 草花
Murasksagi1004 ムラサキサギゴケ。

 といっても、苔の仲間ではありません。ゴマノグサ科の多年草。
 地面を広く覆うところがコケに似ているということなのでしょう。

 花の色が白いのもあって、そちらはただのサギゴケ。ムラサキ色のに比べると少ないのですが、白い花が群がって咲いていると、確かに、サギの群が林にとまっている様子を思わせます。

 この花もキランソウやカキドオシと同じく唇形をしていますね。


貸本マンガ

2010-04-24 21:43:58 | テレビ番組
 NHKの連続ドラマ「ゲゲゲの女房」の舞台が、とうとう我が町にやって来ました。富士見町のお寺の裏のボロ家で水木さんが貸本マンガを描いています。

 私が小学校低学年の頃、貸本屋で借りる本は、確か、1冊5円でした。
 毎日、1冊ずつ貸本マンガを読むとひと月150円。月刊のマンガ雑誌の値段とそんなに違わなかったと思います。母親から、貸本か雑誌購読かどちらかにしろと迫られて、迷ったことを覚えています。

 水木さんが『墓場鬼太郎』を描いたのは私が9歳の頃。毎日のように貸本屋に通っていたので、当然、借りて読みました。『河童の三平』も記憶があります。
 暗い場面が多いし、気味の悪い登場人物がほとんどで、あまり好きではなかったのですが、でも読むのを止められませんでした。田舎の我が家周辺としっくりする絵柄だったということもあるのではないでしょうか。

 水木さんが布枝さんと結婚したのは昭和36年、私が10歳の時だといいますから、ちょうど田舎の貸本屋で水木さんの本を借りては読んでいた頃の話なんですね。とても親しみを感じます。