惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

「近代日本奇想小説史 スペシャル篇」

2012-06-30 21:13:41 | SF
 午後、渋谷区の氷川区民会館にてSFファン交流会

 今回は『近代日本奇想小説史 明治篇』で、SF大賞特別賞・大衆文学研究賞・日本推理作家協会賞評論その他の部門賞の3冠に輝いた横田順彌さんを迎えての「近代日本奇想小説史 スペシャル篇」。
 聞き手は日本古典SF研究会会長・北原尚彦さんと同会員で評論家の牧眞司さん。特別ゲストとして『近代日本奇想小説史 明治篇』と同『入門篇』の編集を担当した川村伸秀さんも参加なさいました。

 話は横田さんの仕事全般に及びましたが、中では初期の代表的評論『日本SFこてん古典』と今回の『――小説史』とを比較して、「扱った雑誌・書籍などの量は3~4倍になっている。編年体の記述にしたので、古い作品が新しい作品に及ぼした影響がはっきりし、日本SF全体の流れが明らかになった」というところがいちばんの目玉だったでしょうか。
 「ハチャハチャは何もないところから生み出さなければならないので力が必要。今は無理。読んで『くだらない!』とあきれてもらうのが最高」というのは、小説面での仕事について。

 編集の川村さんの苦労(というか楽しみ?)の話も大変興味深いものがありました。
 横田さんの原稿で「不明」とか「締切の関係で調べがつかなかった」とあるところをそのままにしておくのは「気にくわない」ので、図書館などで徹底的に調べてウラを取ったり、詳細を明らかにして本に仕上げたとか。

 会場には版元であるピラールプレスの担当であられる仲村さんもいらして、発言してくださったのですが、この方のお話も面白い。
 某医学関係の団体で政府の援助を受けて会誌を発行していたのが、民主党政権の事業仕分けで切られてしまい、自分たちで本を出そうと立ち上げたのがこの出版社だそうで、今回、『近代日本奇想小説史』がそれなりに売れ、しかもたくさんの賞を獲ったというので、業界では希望の星的存在になったというようなお話だったと思います(うろ覚えなので違ってたらスミマセン)。

 あとは古書談義。コツとか醍醐味とか古典SF研に入って会長になりましょうとか。笑いの絶えない、大変に楽しい3時間でした。


五月晴れ

2012-06-29 21:08:48 | 季節
 朝は今にも降りだしそうな暗い空でしたが、夕方になってカラッと晴れました。梅雨の晴れ間。
 今日は旧暦5月10日ですから、五月晴れといって良いのでしょうね。本来、この言葉は梅雨の晴れ間を指していたそうです。

Landscape1206 空気が澄んでいたので、市の文化会館12階から東の都心方面を撮ってみました。

 左端は都庁など新宿新都心のビル群。右端は東京タワーや六本木ヒルズのあたりです。
 中央の白い棒のようなのは、世田谷区の清掃工場の煙突でしょうか。

 東京スカイツリーも見えるのですが、ちょうど新宿のビル(KDDIビル?)の向こう側になっていて、先っぽの細いところしか写っていません。このサイズではよくわかりませんね。

 明日は農協の畑でジャガイモ掘りです。


髭長胡麻斑天牛

2012-06-28 21:10:05 | 動物
 庭にはアゲハチョウを始め、色々な虫がやって来ます。

Higenagagomafu1206 今朝は、物置代わりに軒下に置いてある木製ロッカーに、カミキリムシが来ていました。

 ヒゲナガゴマフカミキリではないでしょうか。
 体長2センチぐらい。比較的小さいカミキリムシですが、触角の長さが際立っています。

 この角度から撮ると背中の胡麻斑模様がわかりにくい。でも、頭の様子はよく見えます。
 何かの動物に似ていると思いません?

 カミキリムシは漢字で書くと「髪切虫」。「毛切虫」ともいうそうです。
 鋭くて強い顎の力で、髪の毛も切ってしまうということでしょうね。
 また一方で「天牛」という漢字名もあって、「なぜかなあ?」と思っていました。しかし、この写真で謎が解けました。
 耳こそないものの、角の生えた牛の顔によく似ています。「空飛ぶ牛」という意味なのでしょう。
 七夕が近づいたので、「天牛」という名にいっそう興味深いものを覚えました。

 〈小説推理〉8月号が発売になりました。担当のSFレビューで次の3冊を取り上げています――

  • ロバート・チャールズ・ウィルスン『連環宇宙』(茂木健訳、創元SF文庫)
  • 梶尾真治『ダブルトーン』(平凡社)
  • 花田智『天狼新星』(ハヤカワSFシリーズJコレクション)
 他にもスコット・ウエスターフェルド『ベヒモス ―クラーケンと潜水艦― 』や『天冥の標VI 宿怨PART1』など面白い作品があったのですが、シリーズの一環ということで今回は見送ってしまいました。それだけでなく、スペースと読む速度の問題で積み残したものもあります。来月、頑張らねば。

岡虎の尾

2012-06-27 21:24:12 | 草花
 今日も涼しい晴天。

Okatoranoo1206 多摩市にある都立桜ヶ丘公園の山腹に咲いていたオカトラノオの花です。サクラソウ科の多年草。群落をつくっていました。

 名前の由来は一目瞭然ですね。尻尾の先がピンと立ってみごとです。

 しかし、この命名はいつ頃なされたのでしょう? 虎の尾といわれれば、もうそれ以外にないことはわかりますが、古代の日本人が虎を見慣れていたとも思えません。でも、朝鮮半島には虎がいたから渡来人にはお馴染みだった?

 林の中で、白い虎の尻尾だけがふわりと泳いでいる様は幻想的です。胴体や頭はどこへ行ったのだろう、と思ってしまいます。
 仲間にノジトラノオ(野路虎の尾)やヌマトラノオ(沼虎の尾)があるとか。


秋茜蜻蛉

2012-06-26 20:57:10 | 動物
 梅雨前線が太平洋上へと南下し、関東地方は移動性の高気圧に覆われました。
 梅雨入り前のようなカラッとした青空が広がり、湿度もあまり高くありません。涼しい、気持ちの良いお日和。

Akiakane1206 庭のトマトの支柱にトンボが来てとまっているのも、こんな日にふさわしい光景でした。

 アキアカネのメスでしょうか。
 まだ孵化してそんなに時間が経ってないようで、いつまでも飛び立とうとせず、翅を乾かしていました。

 この時期、しばらくは平地にいて、体力を養うのでしょうね。
 暑い夏の盛りは群をつくって高地へ移動し、秋が来るとまた戻ってきます。その時は、オスが赤くなっているはず。
 今は、我が家の庭のヤブ蚊をどんどん食べてもらいたいものです。