惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

雨降り

2009-01-30 20:11:00 | 通販・買い物
 一日、降りました。明日も降るらしい。
 冬の雨とはいうものの、さほど冷たくはありません。これくらいの雨ならものともしない小鳥たちが庭にやって来てエサを探しているので、濡れながら枝にエサをセット。
 賑やかに食べてくれました。

 夕方は「毎月30日はワインの日」というお酒の量販店まで。
 しかし、棚ぞろえがひどいのですよ。20日の日本酒と同じで買いたい品がない。
 よく購入するリーズナブルな値段のワインの品種を「ないのですか?」と訊いてみると、「在庫から外れたので、お取り寄せになります」とのこと。

 仕入れに難儀をするような状態なんですかね。贔屓にしていたのに、参った。

 帰宅して、別の店でも探すかと「ワイン大安売り」で検索したらこんなページに行き着いてしまいました。飲めないよなあ、これは。


樹脂の香り

2009-01-27 21:25:10 | 園芸
 一昨日、昨日と2日かかって刈り込んだカイヅカイブキやサザンカの枝葉をガーデンシュレッダーで粉砕しました。ちょっと疲れた。

 カイヅカイブキの葉や枝には樹脂分が多く、しかも香りが強いのです。シュレッダーにかけていると、ややクセのある、しかし爽やかといえなくもない匂いがあたりに漂います。
 粉砕したものを庭のあちこちにばら撒いたので、しばらくは匂いが立ちこめるかもしれません。

 〈小説推理〉3月号が発売となりました。担当しているSFレビューで次の4冊を取りあげました――

  • 椎名誠『ひとつ目女』(文藝春秋)
  • 伊藤計劃『ハーモニー』(ハヤカワSFシリーズJコレクション)
  • 坂本康宏『稲妻6(イナズマシックス)』(徳間書店)
  • ウィリアム・ギブスン『スプーク・カントリー』(浅倉久志訳/早川書房)
 この4冊。新年早々、素晴らしいラインアップと我ながら感心。
 ギブスンの新作は、何が起こっているのか、ほとんど最後まで読者にはわかりません。で、わかるとあっけに取られる。こんな小説も珍しい。

ロボット工学の3原則

2009-01-26 20:19:13 | 日記・エッセイ・コラム

 『瀬名秀明ロボット学論集』(勁草書房)を読みながら、あれこれロボットについて考えました。
 その中の1つに「ロボット工学の3原則」を言い換えてみたらどうだろう? というのがありました。

 現在の「ロボット工学の3原則」(小尾芙佐訳)――

  • 第1条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
  • 第2条 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第1条に反する場合は、この限りではない。
  • 第3条 ロボットは、前掲第1条および第2条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。

 これを、内容を似たものにすることを念頭に置いて、次のように言い換えてみます――

  • 第1条 ロボットは優しくなくてはならない。
  • 第2条 ロボットは従順でなくてはならない。
  • 第3条 ロボットは強くなくてはならない。

 具体的指示ではなくて、抽象的な言葉に変えてあります。こうすることによって、より普遍的なロホットのモラルとなります。そのかわり、人間の道具であることが忘れられる可能性はあります。でも、ロボットの自立度は高まるでしょう。

 さらに言い換えれば、次の一文になるのではないでしょうか。

  • ロボツトは良きロボットたらねばならない。

 抽象度はさらに高まり、モラルをロボット自らが追究することになりそうです。

 人間のモラルもこんなふうにして拡大し、難しいものになってきたのではないかと思ったんですよね~。


若松岩松教授

2009-01-25 20:29:47 | 本と雑誌

 今日は庭木に寒肥を施しました。それと、刈り残してあったカイヅカイブキの剪定も。

 庭木の根元には、最近、ガーデンシュレッダーで粉砕した枝や葉っぱを撒き散らしてあります。それが有機肥料となって滲みこむので特に寒肥は必要ないと思われます。
 しかし、庭のほぼ中央にあるサルスベリと、東側の建物基礎に近いところのカイヅカの根元には撒いてありません。そこで、根元の周囲に溝を掘り、油粕を埋め込みました。「夏には盛大に枝を広げて、葉を繁らせておくれ」と頼みながら。

 『きのこ文学大全』(平凡社新書)は、著者の飯沢耕太郎さんのきのこ好きが嵩じて、古今東西の文学作品やマンガ、映画などからきのこの登場するものを選び出してきたという、実に嬉しい本。日本人作家では泉鏡花や宮沢賢治を始めとする早々たるメンバーが並び、外国からは『アリスの不思議な旅』や現代音楽のジョン・ケージの発言など多彩なテキストが採用されています。
 そうした中に、畏友・深堀骨氏(→こちらもしくはこちらをご参照ください)の「若松岩松教授のかくも驚くべき冒険」が入っているのには驚きました。何というマニアックなSF嗜好。
 「若松岩松――」は短篇集『アマチャ・ズルチャ 柴刈天神前風土記』(早川書房、2003年)に収録されている作品で、確かにきのこがたくさん生えている話でしたねえ。
 こういう読者もいることですから、深堀さんにはもっと作品を発表していただきたいものです。

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テオ・ヤンセン展

2009-01-24 21:27:35 | アート・文化
 地下鉄日比谷駅のすぐそばにある日比谷パティオまで出かけて「テオ・ヤンセン展―新しい命の形―」を見てきました。
 オランダ生まれのヤンセンさんの生みだすストランドビースト(オランダ語で「砂浜の生物」)の不思議な魅力はネットの動画で見たことがありました。風で動く、骨と羽根の怪物。その実物に会えるというので、一も二もなく出かけたのであります。

 ビーストたちの細胞(素材)は電気工事用のプラスチックチューブ。そばで見ると、とてもチープ。でも、軽くて丈夫で細工しやすいのはよくわかります。羽根として張り付けたピニールシートも、立派なものとは、お世辞にもいえません。
 しかし、出来上がったものはこれまで見たことがなかったような魅力を放っている。ヤンセンさんの想像力と手わざの素晴らしさをつくづく感じました。

 会場には10体ほどのビーストたちが展示されており、観客が風のかわりに力を加えて動かすことができるものもあります。
 もちろん、私も動かしてみました。たくさんある足の動きが実に不思議。次々と前方に繰り出され、体全体を運ぶ――その動きが滑らかで、美しく、でも、どこか違和感があるのです。節足動物の動きを見ているような感じ、かな。

 砂浜にこのような動物たちが何頭も動き回っていたら……と思うと、地球がべつの星のように思えてきます。

 今日の展示の目玉は、今日まで日本滞在中というヤンセンさん自身によるデモンストレーションと解説。入口間近に置かれた、アニマリス・モデュラリウスという巨大なビーストを、ペットボトルに詰めた圧搾空気で動かして見せてくれました。
 背骨にとりつけた何本ものペットボトルからチューブで送り込まれる空気が、筋肉代わりのポンプを伸び縮みさせ、足が動き、全身が移動するのです。その瞬間、会場は「オオッ!」というどよめきに包まれました。
 解説でヤンセンさんが「ジス・アニマル……」と英語でいうと、通訳の女性は「この子は……」と訳します。それがなんだか可笑しかった。

 「テオ・ヤンセン展」は4月12日まで。入場料1500円ですが、リンクしてある公式ホームページのクーポン券をブリントして持参すると100円引きになります。