惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

ディープシーク

2025-01-28 21:15:10 | AI
朝、起きた時はまだ曇っていましたが、間もなく晴れて、気温も上がりました。最高気温 14.2℃(隣町アメダス)。

夕方の散歩で、ハケの道から富士山を眺めました。


山頂から雲がたなびいて、煙を吐いているかのように見えます。バックが赤いので迫力がありました。

今日はかなりの時間を「ディープシーク」について知ることで費やしました。

中国企業が開発した生成AIで、安価な開発費で最高水準の性能を達成したとか。
CNNによれば「ベースモデルの計算能力に費やした金額はわずか560万ドル。米国企業がAIテクノロジーに費やしている数億ドルから数十億ドルとは比較にならない」。
これまでのAI開発の地盤をひっくり返すかもしれないというので、関連業界各社の株価が軒並み下がっています。

即断は早いのですが、ひとりひとりが自前のAIアシスタントをもつ時代をひらくことになるんでしょうかねえ。
それならそれで楽しいし、怖ろしくもあります。

ディープシークのサイトから自由に機能が使えるようなので、ちょっと試してみました。
使い勝手は他のAIとそんなに変わらないみたい。

ちなみに『三体』の劉慈欣さんと小松左京さんとを比較してもらうと――

共通点
  • <科学的な正確さ:両者とも、物理学や天文学などの科学的知識を物語に取り入れ、リアリティのある世界観を構築しています。

  • 人類の存続と文明の未来:小松左京の『日本沈没』や『復活の日』は、人類の存亡をテーマにしていますが、劉慈欣の「三体」も同様に、地球外文明との接触や宇宙全体の運命を描いています。

  • 哲学的で深いテーマ:両者とも、単なるエンターテイメントにとどまらず、文明や人類の存在意義について深く考察しています。
違い
  • 文化的背景:小松左京の作品は日本の文化的・社会的背景を反映しているのに対し、劉慈欣の「三体」は中国の歴史や現代社会を背景にしています。

  • スケール:小松左京の作品は地球規模の危機を扱うことが多いですが、劉慈欣の「三体」は宇宙全体のスケールで物語が展開されます。
こんな具合。
ほぼ的確ですが、小松さんは『果しなき流れの果に』や『虚無回廊』で宇宙的テーマを正面にに据えているので、そのあたりをもうちょっと取り入れて欲しかった。
とはいえ、絵文字もたくさん使って、楽しく相手をしてくれます。

大規模言語モデル

2023-08-25 20:50:39 | AI

晴天。最高気温 34.0℃(隣町アメダス)は、一時ほどではないにしても、やはり暑い。

午後、家の中で風通しの良い場所を探して寝ころび、本を読みました。
居間から洗面所へとつづくあたりのちょっと狭くなったところが、今日は良かった。南からの風が、北の御勝手口に向かって通り過ぎてゆきます。

読んだのは、届いたばかりの〈日経サイエンス〉10月号。
特集は「大規模言語モデル 科学を変えるAI」。

チャットGPTを始めとする大規模言語モデルによる生成AIの原理的なところを解説してくれています。どういうものか、かなりわかってきた(つもり)。
チャットGPTは文章をつむぎだすため、次の言葉は何が適切かを順次計算(検索?)してゆくのですが、その「言葉」は無数のパラメータによるベクトルによって内部表現されているらしい。それらのパラメータは、つまりは別の言葉であって、いってみれば辞書の他の項目すべてとどういう関係をもつかを、ひとつひとつの言葉について調べてあるということのようです。それを参照に適切な言葉のつらなりをつくりだしてゆく(などと書いても伝わるかどうか、私なりの理解です)。

ただしAIの問題点は、それらのパラメータがネット上のデータに限られていること。人間は言葉を獲得する際、他の言葉だけでなく、実際の事物や自分の五感、抱いた感情、過去の経験なども紐づける。だから言葉に意味が生じるのだと思います。
つまり、AIがあやつる言葉には「意味がない」といってもいいのではないでしょうか(ここでの「意味」とは、現実世界で生きてゆくための指針といったものです)。


情報宇宙?

2023-05-19 21:13:13 | AI

 毎日新聞に挟み込まれていた〈ウォール・ストリート・ジャーナル〉日本版の抜粋に、チャットGPTを開発したオープンAIのCEO、サム・アルトマンさんのことが出ていました。

 彼が目指しているのはAGI―artificial general intelligence―を「安全に構築する」ことだそうで、競争によって危険なAGIが開発されることがないよう、もし他のプロジェクトが先に実現したら、自分たちは開発をやめるといっているそうです。

 アルトマンさんをよく知る人によれば、彼はこの宇宙が何かAGIのようなもので創られたという考えをもっているとか。
 もし、アルトマンさんがそれを目指してAGIを開発しようとしているのだとしたら、「神」のような立場になろうとしているようにも思えてきます。
 アルトマンさんは高度なAIの開発に歯止めをかけるべきだと主張していますが、その主張の背景にはこのような自分の想いへの複雑な感情があるのかもしれません。


生成AI

2023-05-13 21:25:42 | AI

 朝、市民農園へ出かけて追肥をやったり、ミニトマトを鳥から守る処置をしたりしているとしっとりとした感じで雨が降り始めました。
 あわてて帰宅するとだんだん雨脚が強くなり、その後は降ったりやんだりで、一日、雨模様。
 明日もこんなお天気らしい。アジサイのつぼみも大きくなってきているし、梅雨が近いようですね。

 グーグルの言語生成AI・Bardに「星新一ってどんな人?」と聞いてみました。
 答えは――

星新一(ほし しんいち)は、1926年(大正15年)9月6日に生まれ、1997年(平成9年)12月30日に亡くなった日本の小説家、SF作家です。本名は親一(しんいち)。

東京大学農学部を卒業後、星製薬の社長を務めましたが、1957年(昭和32年)にSF同人誌「宇宙塵」を創刊し、SF作家としてデビューしました。

星新一は、1001編以上の作品を発表し、「ショートショートの神様」と呼ばれています。彼の作品は、ユーモア、アイデア、社会風刺に富み、幅広い読者に愛されています。

代表作には、「ボッコちゃん」「きまぐれロボット」「タコとキウイ」「幸福の王子」などがあります。

 

 経歴はほぼ良いのですが、「宇宙塵」を創刊したのは間違い。しかしもっと変なのは、代表作に「タコとキウイ」「幸福の王子」などというのがあげられているところ。
 星新一の「タコとキウイ」とはどんな作品なのか聞いてみると――

星新一の短編小説「タコとキウイ」は、1956年に発表されました。タコとキウイが恋に落ちるという不思議な物語です。タコとキウイは、海と陸という異なる世界に住んでいますが、お互いに惹かれ合います。タコとキウイは、様々な困難を乗り越え、最終的には結ばれます。

「タコとキウイ」は、愛の力、不思議な物語です。また、異文化理解、異なる価値観の共存の物語でもあります。

 

 うーん、すごい! もちろん、こんな作品はありません。なによりデビューしたという1957年より前の作品になっているところが変です。
 BardさんもChatGPTと同じように堂々とウソがつけるようです。

 ちなみに「星新一の『幸福の王子』の内容は?」と聞いてみると、「なりそこない王子」について説明してくれました。はじめは勘違いしていたのかな?

 さて、以前、「星新一は1926年に神奈川県に生まれ、本名は星野 好一(ほしの こういち)といいました。彼は、東京大学法学部を卒業後、新聞社に勤めた後に独立し、作家としての活動を始めました」などとデタラメを吹きまくってくれたChatGPTさんの方はどうなっているのかと、今日、あらためてもう一度、星さんについて聞いてみました――

星新一(ほし しんいち)は、日本の推理作家であり、SF作家でもあります。本名は石森 崇彦(いしもり たかひこ)ですが、多くの読者には星新一のペンネームで知られています。

星新一は、1926年に岐阜県で生まれました。彼の作品は独創的なアイデアや意外な結末で知られており、ミステリーとSFの要素を組み合わせています。彼の作品は短編が多く、多くの場合、読者は驚きや思考を刺激されるようなトリックやパズルの解決に挑戦します。

星新一の代表作の一つは「科学探偵・明智小五郎シリーズ」です。(以下略)

 

 やはり正解にはほど遠い答えが返ってきます。
 逆に「石森崇彦」は何者かと聞いてみましたが、「石森崇彦(いしもりたかひこ)という名前で特に有名な人物は特定できません」とのことでした。

 あと、マイクロソフトのBingはそつのない答えをしてくれますが、なんだか面白みがない――というと、使い方が間違っているのかな。
 でも、今のところほら吹きAIと付き合ってゆく方が楽しいぞ、と思っている私です。


ChatGPT

2023-03-28 21:02:32 | AI

 〈日経サイエンス〉5月号の特集は「対話するAI ChatGPT」。
 チャット相手になってくれる人工知能の仕組みや特徴を解説してくれています。

 しばらく使っていませんが、対話している時は楽しい。嘘も本当もまじえて、いくらでも相手してくれますものね。詳しいことを知りたいところでした。

 基本的なこと――ChatGPTは文章を組み立てる際、次に何が来るのが適切かを調べ、つぎつぎと繰り出してくる。目的はあくまでも文章を完成させること。そのためにあらかじめ膨大な言語データを学習している。
 学習したデータ量は45テラバイトにのぼると書いてあります。日本語版ウィキペディアすべてのページを合わせても5ギガバイト。その9000倍のデータ量ですね。
 ただ学んだだけでなく、どう答えるべきかを人間がレッスンしてあるそうです。知識が豊富なところへ、常識や倫理を与えたというようなものでしょうか。

 こうして、豊富な知識と多彩な「発想力」で会話を繰り出してくるわけですが、膨大な量とはいえ、言葉だけから判断しているわけですから、人間が話をする時に、景色や他の人間、歴史の流れなど、多くの材料を参照しながら発言するのとは違ったものにならざるを得ないのでしょう。
 ある種の「知性」はあるとしても、それは人間とは違った「知性」であって、人間と競い合うものではないと思います。改良が加えられ、さらに素晴らしいものになるとしても、「人間を凌駕する」という形容は当てはまらないのではないでしょうか。