午後、市内を自転車でうろうろ。
駅前の本屋さんでは立ち読み。
実際にやっている時よりも、こうやって振り返ってみると、良い時間だったなあと思います。
小学館のPR誌〈本の窓〉6月号で、亀和田武さんの連載「60年代ポップ少年」。今回が最終回。
新左翼のセクトを抜け、マージャン三昧の日々を送るうちに山上たつひこ『喜劇新思想体系』と出会い、ようやく70年代を生きるアグレッシブな気分になった、とあります。
私が大学に入った年のことですね。
1970年といえば、前年に大学立法が成立し、学生は世の中にさからわず、組織の役に立つ人間になるべし、ということで、どうにもシュンとしたキャンパスなのでした。授業そのものも、先生方に自信はなく、新しい大学をどうすべきか、全体的に手探り状態。新入生の私は前途に光を見ることができず、好きなSFや映画にうつつを抜かしていました。
そんな中で、確かにマンガには新たな手応えを感じたものでした。特に素晴らしいと思ったのは少女マンガ。
樹村みのり、矢代まさこ、水野英子(『ファイヤー!』)、西谷祥子らの作品に心を奪われていました。上京したついでに私の暮らしぶりを覗きに来た叔父が、「おまえの部屋は少女マンガばかりだ」と嘆いたことでした。
亀和田さんと初めて会ったのもその頃でした。マンガの話はしたっけ?
大学祭で亀和田さんがローリングストーンズのミック・ジャガーのコピーをしたのが、今でも印象に残っています。70年ではなくて、翌年か翌々年だったかも。
あの頃、自分がSFを仕事にするなどとは、夢にも思ってなかったなあ。