惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

桐?

2013-04-30 21:20:40 | 草花
 五輪大会招致に関してIOCが定めた倫理規定を知りたくてググってみましたが、猪瀬知事の発言に関する項目ばかりがヒットして、肝心の規定がなかなか見つかりません。
 英語で検索してやっとIOCの「Ethics(倫理)」(pdf)に行き当たりました。
 中ほどにある「五輪大会を組織しようと望む都市に適用される規則集」に、次のような項目がありますね――
Article 14
Relations Between Cities

Each city shall, in all circumstances and at all times, respect the other cities as well as the IOC Members and the IOC itself.

The cities shall refrain from any act or comment likely to tarnish the image of a rival city or be prejudicial to it. Any comparison with other cities is strictly forbidden.

No agreement, coalition nor collusion between the cities or their NOCs aimed at influencing the result is permitted.
 こういう規則が――というか、規則集全体が存在することを知らなかったので、良い勉強になりました。
 スポーツの祭典にふさわしい、立派な招致ルールだ。

Kiri1304 写真はキリの花……でいいんでしょうか?
 図鑑と照らし合わせると、ちょっと違うような。でも、キリ以外ではありえないような。

 ――と書いていたら、らあむさんから「ベニバナトチノキ」ではとのご教示がありました(コメント欄参照ください)。
 そうです。これはベニバナトチノキです。トチノキ科トチノキ属の落葉高木。
 したがって下記のキリに関するコメントは勘違いにもとづいています。

 キリはゴマノハグサ科キリ属の落葉高木。ただ、図鑑によっては、ノウセンカズラ科キリ属としているものもあります。

 下駄や箪笥の素材となる木で、パスポートの紋章にもなっていますね。
 いずれ桐の材を使った細工もしてみたいと思っています。何を作るのがいいかな。


松葉海蘭

2013-04-29 20:47:08 | 草花
 午後、自転車で都立多摩図書館へ。

 我が家からは片道13.5キロぐらい。野川沿いに北西へ野川公園まで3.5キロ。その後は、ほぼ西へ一直線のルートをとることができます。多磨霊園を突っ切り、農工大と府中刑務所の裏を通り、東芝府中工場の北側へ。東八道路を渡って国立高、女子体育大学脇を通って南武線踏み切りを過ぎると、間もなく都立多摩図書館です。ゆっくり走って、1時間ちょっとかかりました。

 図書館では1962年刊の〈週刊朝日〉を出してもらって調べもの。目当ての記事が見つかり、助かりました。

Matsubaunran1304
 写真は、途中の多磨霊園で撮ったマツバウンラン。ゴマノハグサ科ウンラン属の1~2年草。北米原産の帰化植物です。花の大きさは約1センチ。趣きのある植物です。



 〈小説推理〉6月号が発売になりました。
 担当のSFレビューで次の作品を取り上げています――

  • チャイナ・ミエヴィル『言語都市』(内田昌之訳、新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)
  • ミハル・アイヴァス『もうひとつの街』(阿部賢一訳、河出書房新社)
  • 森岡浩之『星界の戦旗Ⅴ―宿命の調べ―』(ハヤカワ文庫JA)
  • 高千穂遙『クラッシャージョウ11 水の迷宮』(ハヤカワ文庫JA)
  • 神林長平『敵は海賊・海賊の敵』(ハヤカワ文庫JA)
  • ロイス・マクマスター・ビジョルド『任務外作戦〈上・下〉』(小木曽絢子訳、創元SF文庫)
 メインは最初の2冊で、あとは「お馴染みのスペースオペラシリーズの新刊が続々」ということで、ほとんどタイトルのみです。

 〈小説推理〉誌は創刊40周年だそうですが、そのうち30年以上、北上次郎さんと香山二三郎さんと私は、ブックレビューを担当しているんですよ。もっとも、つい先日、亡くなられた佐野洋さんは「推理日記」を39年も書き続けられたんですけどね。


梅に猫

2013-04-27 21:20:33 | アート・文化
 午後、バイクで都心方面へ。

 まず初台。交差点近くの遊歩道に設けられた渋谷区のバイクパーク(1時間まで無料)にバイクを停めて、オペラシティ3階アーギャラリーへ。「梅佳代展」です。
 廊下のような入り口の展示を眺めながら奥に進み、最初の部屋へ足を踏み入れて、愕然。自分でスカートをまくり上げてパンツを披露している女子中学生2人の巨大なプリントが待ち構えていました。
 ショック! オジサンは足が萎えそうになりました。大根を股間に押し付けていたり、制服のまま何やら分娩していたり。キミたち何をやっているの?! と言いたくなります。
 梅佳代さんのデビュー作「女子中学生」、10年ぶりの公開だとか。こんなのがデビュー作だとは知らなかったよぉ……。

 「出し惜しみせず、全部です」という展示内容は豊富で、予想以上の衝撃。上のリンク先のポスターに使われている、菓子パックを抱いて草原に寝る幼女の写真はたぶん一生、瞼に浮かびつづけると思います。

 その後、甲州街道を東進して、合羽橋下の新宿区のバイクパーク(2時間まで無料)にバイクを停め、荒木町のCOFFEE&GALLERYゑいじうへ。「第2回穂高順也展~ネコの集う場所~」です。
 傑作絵本『さるのせんせいとへびのかんごふさん』などの作者・穂高さんの1点もの絵画の展覧会。動物をモチーフにしたメルヘンとユーモアの世界がひろがっています。こちらは今日までの会期でした。

 穂高さんやなつかしい友人とちょこっと歓談し、今度は靖国通りを走って神保町交差点へ。民間の有料バイクパーク(1時間200円)に駐車して、近所の喫茶店へ。古典SF研究会の例会でしたが、参加者は少なく、しかも私も早々に帰宅する必要があったので、ちょっと寂しかったかも。

 日中は暖かく最高気温20.4℃(隣町アメダス)と、ほぼ平年並みまで上がったのに、日が傾くと風は冷たくなっていました。


コンピューターは考える

2013-04-26 21:28:50 | サイエンス
 第2回将棋電王戦のレポートをいくつか読みました。

 コンピューターが人間に圧勝したわけですが、興味があるのは対戦中、人間の棋士が相手をどのように感じていたのか、という点。
 いかにもプログラムされた機械的なものと感じていたのか、それとも人間に似たものと感じていたのか。あるいは、機械でも人間もない、何か得体の知れないものと感じていたのか。

 良い参考になったのは、第2局で敗れた佐藤慎一四段のブログ「サトシンの将棋と私生活50-50日記」での対戦記(4月1日の記事)。
 人間の棋士は「線」で考えているが、コンピューターは「点」で考えているようだ、という意味の記述があります。人間はひとつの意図のもとに繋がりのある作戦を立てるが、コンピューターはひとつひとつの局面ごとに形勢を判断し、作戦を立て直して来るというようなことでしょうか。実際、ほとんどのプログラムがそのような指し方をするように作られているのでしょうね。

 ただ、第5局ではコンピューターがひとつの細かい勝ち筋を狙い、それを貫いたという印象もあるようです。
 だとすると、このプログラム(GPS)は「線」で考えているのかもしれない。

 私は将棋には疎く、パソコンソフトと対戦したこともありませんが(囲碁はある)、今の将棋ソフトには、時に個性を持った人間のように思える瞬間があるのかもしれません。
 人間の「思考」が実はどういうものかよくわからない以上、そういうコンピューターの「思考」も否定できない段階に来ているのでしょうか。対戦した棋士の感想をさらに知りたいと思っています。


京王閣

2013-04-25 21:15:48 | まち歩き
 田端義夫さん逝く。
 「島育ち」、良かったなあ。この歌は田端さんが奄美で発掘してきて、執念でヒットに結びつけたんですよね。

 いつだったか、田端さんが歌手生活を振り返るラジオ番組を聴いたことがあります。語り口が素敵でした。素朴で、人情家で、自信に溢れ、歌手であることを何よりも大事にされていることが伝わってきた。

 享年94は大往生といっていいでしょうね。素晴らしい歌とステージ、ありがとうございました。

 午後は市の郷土博物館へ出かけて、収蔵品展「地図でたどる調布・小さな旅」
 京王線が開通して100年になるのを記念しての展示らしい。

 かつて京王多摩川にあった「京王閣」がいかに派手な娯楽施設であったかを知って驚きました。
 活動写真館、プール、メリーゴーラウンド、大浴場や宴会場など、昭和初期には都内で3番目に客を集めた遊技施設だったんですって。今は競輪場として名前を残すのみですが。

 この前まで仙川駅ホームの柱だかに使われていたという、古いレールも展示されていて、アメリカのレール製造会社の名前が刻まれているのに感心しましたが、その会社名をすっかり忘れてしまった。
 老人力のなせるわざですな。