惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

2015-09-30 20:55:59 | 動物

 9月も今日でおしまい。
 2階ベランダの緑のカーテンを、そろそろ片付けたいところなのですが、もう少し後になりそう。

 というのも、今年の緑のカーテンは、ゴーヤとアサガオとフウセンカズラの3種が混在していて、そのうちのアサガオは、ふじたまさんにもらった珍しい2株。その種を採っておきたいのですが、遅くなってから種がついたので、まだ熟しきってないのです。それを待って片付ける予定。

 とりあえず今日はフウセンカズラの種を収穫しました。お猿さんの顔のような可愛い種。
 せっせと採っていると、上の方から近づいてくる影がありました。

 このカマキリ、カーテンが育ち始めたころからずっと棲みついています(右奥に見えるのはゴーヤの実)。
 たぶん、庭のイヌツゲにあった卵から春先に孵ったやつ。壁伝いに登ってきて、ここを棲みかと決めたのでしょう。最初は小さかったけれど、いまでは立派な親カマキリ。
 このままここで一生を終えるとしたら、はたして伴侶に恵まれるかどうか。ダメなら相手を求めて飛んでいってしまうかもしれません。


狸豆

2015-09-28 20:35:09 | 草花

 ミミズ御殿のパーツを作っています。
 春から順調に使ってきて、ミミズも快適に暮らしているようですが、内容物がいっぱいになった時、簡単に、そしてミミズに負担をかけずに、堆肥を取り出せるようにしたい。そのために、中を二重籠仕立てにしてあります。その内側の籠の2つ目を作っているところ。
 これが出来上がって、堆肥を取り出したあとに嵌めれば、御殿は完成形。以後は楽々と取り出し作業が進むと思います。ここまで凝った造りのミミズ御殿は珍しいんじゃないかな。

 今日の花はタヌキマメ。

 マメ科の1年草。昨年からカニ山で見かけるようになりました。
 青い頭の上に羽根飾りをつけた野性的な人物のようにも見えます。愛嬌のある表情ですね。


継子の尻拭い

2015-09-27 21:07:36 | 草花

 勉強中のマイクロバイオーム関連の報道がありました。神経難病である多発性硬化症を招いているのは腸内細菌叢とみられるという研究がなされたというのです。

 知ったのは今日の毎日新聞朝刊記事でしたが、発表もとの国立精神・神経医療研究センターのブレスリリースを見ると、今月15日に公にしています。

 これによると、多発性硬化症の患者の腸内細菌は種数や多様性の度合いにおいては健常者と違いが認められないものの、細菌種の構成が異なっている(細菌叢の構造異常)のだそうです。
 さらに具体的にいえば、減少している細菌種が19種、増加している細菌種が2種見いだされています。減少種では、特に、クロストリジウム属の2種(Clostridia Cluster group ⅩⅣaとgroup Ⅳに属する菌)が目立つとか。

 多発性硬化症は中枢神経系の慢性炎症性疾患で、自己免疫疾患の一つと考えられています。それが腸の細菌叢の変化と関係しているというのは、ちょっとした驚き。
 しかし、腸と脳の関係は意外と深く、腸内細菌叢に我々の気分が左右されているという研究結果もあります。
 自分の感情が細菌に操られている――というと言い過ぎかもしれませんが、それに似たことさえ起こっているようなのです。

 今日の花はママコノシリヌグイ。

 タデ科の1年草。恐ろしい名前とは裏腹に、米粒のような花が愛らしく、ついつい写真に撮りたくなります。
 ただ、茎に生えている鋭いトゲが難物。今日も指先に2本も刺さってしまいました。


日本伝統工芸展

2015-09-26 20:48:29 | アート・文化

 午後、都心の日本橋三越まで足を伸ばして「第62回日本伝統工芸展」
 まさに眼福。伝統工芸の新作逸品が、これでもこれでもかといわんばかりに並んでいます。ひとつひとつがそれぞれに面白く、美しい。日本の工芸、すごいなぁ。

 ひとつだけ、といわれればこの桐塑彩色「目覚めの刻」でしょうか。伸びやかなフォルムがもつ心地よさはなんともいえません。人生の極意を形にしているかのよう。

 形があり、質感があり、模様があり、色がある。そのすべてがあいまって心をゆさぶったり、どこかへつれて行ったり。
 人間が美を感じるとは、どういうことなんでしょうね。

 〈小説推理〉11月号が発売になりました。担当しているSFレビューで以下の作品を取り上げています――

  • トマス・スウェターリッチ『明日と明日』(日暮雅通訳、ハヤカワ文庫SF)
  • ロバート・チャールズ・ウィルスン『楽園炎上』(茂木健訳、創元SF文庫)
  • 山本弘、北野勇作ほか『多々良島ふたたび ウルトラ怪獣アンソロジー』(早川書房)
  • 早川書房編集部編『伊藤計劃トリビュート』(ハヤカワ文庫JA)
  • 上田早夕里、新城カズマほか『SF宝石2015』(光文社)

 『明日と明日』は、アメリカの都市・ピッツバーグが核爆弾で壊滅した後の物語。米国人も、市民が核の犠牲になることを想像し始めたのかと、期待をもたせます。


雷鳥の腸

2015-09-25 21:18:01 | サイエンス

 フォルクスワーゲン社がディーゼル車の排気ガスで不正を働いていた問題。アメリカ合衆国の環境保護局(EPA)が、8日に、不正なプログラムが搭載されていると発表したことで発覚したのですが、EPAはどのようしてこれを知ったのか。それが気になっていました。
 通常の検査でわかるのか、それとも、内部通報があったのか、などと思いを巡らせていたのですが、今日の報道(毎日、朝日、時事など)で、経緯がおおむね明らかになりました。

 発端は2年前の2013年、自動車や飛行機の排気ガスが環境に与える影響を監視している欧州のNPО ICCT が欧米メーカーのディーゼル車の排気ガス調査を、米国ウェストヴァージニア大学の研究チームに依頼したこと。調査でフォルクスワーゲンの数値が異常だったため、昨年5月、このチームがEPAに報告したことから、EPAは調査を進めていたらしい。
 あまりにも異常な数値だったので、研究チームは当のフォルクスワーゲン社とも原因を協議していたといいます。それ以降、会社はどのような対策をとっていたのか、またまた気になるところです。

 最近、勉強しているマイクロバイオーム。関連する記事が朝日新聞朝刊に載っていました。
 といっても、人間ではなく、ライチョウ。
 上野動物園でライチョウの人工繁殖を試みていたところ、巣から卵をとってきて孵化させたライチョウの雛5羽がすべて死んでしまったことは知っていました。その原因が腸内細菌なのかもしれないというのです。

 ライチョウの雛は、野生状態では、巣の中の親の糞を食べて、親から腸内細菌を受け継ぐのだそうです。しかし、人工孵化だとそれができない。そのため、腸の消化吸収作用がうまく働かず、孵ってしばらくしてから死んでしまったのではないかと考えられるとか。

 人間でも帝王切開で生まれた赤ん坊は、産道で得るはずの母親の細菌がもらえず、不具合が起こる可能性が指摘されているらしい。そのため、わざわざ母親の細菌を与える処置を行っている医療機関もあるといいます。
 地球の生きもの、実は、細菌との共生関係を深めながら進化してきたのかもしれません。