惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

暮れ六つ

2021-10-30 20:49:16 | うんちく・小ネタ

 日没(今日の東京は午後4時48分)とほぼ同じ時間に家を出て、近所を散歩。
 1時間弱、歩きましたが、後半は夜の散歩といいたいぐらいの暗さ。

 ところで江戸時代の昼間は「明け六つ」から「暮れ六つ」までの間で、「日の出」から「日の入り」までとされています。
 しかし正確には「明け六つ」は日の出の30分あまり前、「暮れ六つ」は日の入りの30分あまり後でした。手許がなんとか見える時間帯までを昼間に組み込んでいたわけです。勤勉さゆえでしょうか。

 ということで、私の今日の散歩時間は「暮れ六つ」をはさみ、昼と夜とにかかっていたことになります。後半は夜の散歩、というのは正しかったのです。

 ついでに深大寺の時鐘について。

 この季節、深大寺の鐘は朝6時、夕5時に鳴らされます。昼はその中間の午前11時半。
 昼の鐘が正午でないのはどうしてかと永年、不思議に思っていたのですが、東京における太陽の南中時刻(真南に来る時間)がだいたいその時間なのですね。おそらくその時間を昼の鐘としているのだと思います(確認はしていません)。


おじやと雑炊

2015-11-03 20:22:14 | うんちく・小ネタ

 気持ちよく晴れました。

 が、日没は早い。うかうかしているうちに、散歩に出かける時にはもう薄暗くなっていました。
 ひさびさにカニ山や深大寺周辺でポッカールをと思って出かけたのですが、ヘッドライトが必要。

 ちなみに、カニ山の広場付近はこんな具合。ススキの穂が薄闇に白く浮かび上がって見えます。

 

 帰宅すると夕飯。
 コーンスープを使った西洋風おじやのようなものを食べながら、「おじやと雑炊はどう違うのか?」という話になりました。

 家内の意見では、おじやの方が雑炊より具が豊富な気がする、といいます。
 私もこれには同感。おじやは残り物があれこれ入って賑やかな食べ物になっているような気がします。これに対して雑炊は、わざわざ具入りのおかゆを炊いた感じで、中身はシンプルな印象。
 具の多さでいえば、おじや > 雑炊 > おかゆ、となるでしょうか。

 などと、非常に高尚な会話を楽しみながら夕食を終えた後で辞書を引いてみると――

おじや : 雑炊。▽もと、女性語。「じや」は煮える音という。(『集英社国語辞典』)

 なんだ。同じなんですね。「味噌汁」と「おみおつけ」みたいなものかな。

 明後日(5日)になりますが、以下のようなコンサートがあります。興味がおありでしたら、ぜひともよろしくお願いします。

森下唯 オールアルカン ピアノ・リサイタル

 錦糸町駅近くのすみだトリフォニーホール。午後7時開演です。


「目抜き通り」

2013-03-30 20:47:19 | うんちく・小ネタ
 曇って寒い一日。花冷えなどというものではなく、また冬に逆戻り。
 最高気温10.6℃(隣町アメダス)は日付が変わった深夜のもので、その後、気温はゆるやかに下がり、日中は7~8℃で推移。対応が難しいですね。

 この前から「目抜き通り」という言葉が気になっていました。
 繁華街のことをなぜそう呼ぶのだろう?

 直感では、なぜか「目刺し」を連想してしまいました。イワシの目を貫いて並べたように、いくつもの店が並んでいるからではないか、と。
 でも、それだと「目刺し通り」になってしまいますよねえ。

 ちょっと調べてみると、刀の「目貫」から来ているという説が有力のようです。

 目貫は、刀身を柄(つか)に差し、抜けないように両者を貫いて指す金具のこと。特に柄の表面に出た派手な飾り金具部分を指し、内部を貫通する棒状の部分は目釘というそうです。

 刀の「目貫」同様、よく目立つから「目抜き」通りとなったということですが、何気なく使っている言葉でも、ふと気になるとよくわからないものって多いですよね。


「一時」の恥

2013-02-16 21:19:37 | うんちく・小ネタ
 ロシアのチェリャビンスクに落下した隕石は、直径17メートル、重さ10000トンだとか(NASA発表)。
 凄いなあ。動画で見ると、白くて太い煙の帯がぐんぐん伸びて、衝撃音、大発光に至る。

 確率的にいうと100年に1度の出来事ですか。見られた人は運が良かった(悪かった)?
 不謹慎かもしれませんが、私は現場で見てみたかった。

 「私も知りませんでした!」と、叫びそうになったのは、山口文憲さんの『若干ちょっと、気になるニホン語』(筑摩書房)の「一時避難所」の章を読んでいた時のこと。
 自転車でホームセンターへ出かける途中、信号待ちの際に山口さんがふと見上げると、次のように書いた案内板が出ていたというのです。

「いっとき避難場所」
 「一時避難場所」のことですよねえ。その読みが「いっときひなんばしょ」だとは。
 山口さんの調べによれば「首都圏では、ほとんど全自治体が」こう称しているとか。

 たとえば横浜市南区のホームページにはこうあります
 またウィキペディアにも「一時避難場所(いっときひなんばしょ(※一部の地域ではいちじひなんじょという)」と書いてある。

 OKWaveの質問欄では、「一次避難所」と区別するためにこう呼ぶともありますが、なるほど、お役所らしい考え方ではあります。

 ちなみに、台所仕事をしている家内に「一時避難所」は「いっときひなんじょ」なんだよ、と教えると、「ええっ!」と言って、持っていたお鍋を取り落としそうになりました。衝撃の「いっとき避難所」。


便所

2012-03-28 21:07:18 | うんちく・小ネタ
 うちの母親は「べんしょ」と濁らないで呼んでいたなあ……と思い出しました。

 このところちょっと「濁る音」「濁らない音」が気になっていて、たとえば「三階(さんがい)」は濁るのに、「四階(よんかい)」が濁らないのはなぜだろう? とか、考えたりしています。
 どうやら、濁る・濁らないはかっちりとした法則があるわけではなく、習慣によるところが大きいらしいですね。

 で、あれこれ考えているうちに、「便所」のことを思い出したのでした。
 母親の場合、何かの勘違いだったのか? それとも、方言のようなもので、田舎(高知)の一部では「べんしょ」と呼びならわしていたのか?

 よくわかりませんが、「便所の語源は〈鬢所(びんしょ)=髪を整える場所〉」という説もあるらしいので、結構、由緒ある言い方をひきずっていたのかもしれません。