惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

『僕の妻はエイリアン』

2005-11-29 21:48:22 | 本と雑誌
 私のいつもの読書生活を知る人が、この本のタイトルだけ見れば「あ、SFね」と思うでしょうね。
 しかし、サブタイトルはこう――「高機能自閉症」との不思議な結婚生活。泉流星著、新潮社刊。

 アスペルガー症候群の人は意外にたくさんいるのではないかと思うようになったのは、ここ数年のこと。知り合いにも、知り合いの知り合いにも、そういう人がいることがわかったし、カウンセラーをしている知人の話を聞いても、最近はよく出会うらしい(本当は昔からいたはずだが、よく知られていなかった)。ついでにいえば、マスコミを騒がす事件を起こした若い人にも、かなりの割合で存在すると感じます。

 この本は、結婚生活の途中で奥さんが「高機能自閉症・アスペルガー寄り」と判明した人の手記――という形で書かれています。
 すんなり「手記です」といえないのは、実は、この本の本当の著者は奥さん――高機能自閉症の当人なのです。つまり、彼女が旦那さんになりきって書いたもの。
 これは大変なことだったそうです。なぜなら、あとがきによれば――

 自閉系人の主要な特徴のひとつは、「自分以外の人間の気持ちや考え方を理解する能力に問題がある」ということ。

 なのですから。

 うーむ、凄いことをやろうとしたものですね。しかも、やり遂げてしまったところがさらに凄い。

 詳しく内容を紹介する余裕はありませんが、非常に興味深い内容です。人と人との出会いのドラマとしても素晴らしい。こうした障害とは無縁だと思っていても、きっと得るところが多い本だと思いました。
 著者のホームページはこちら。原稿のもとになった日記はこちら


もみぢ

2005-11-28 20:36:17 | 日記・エッセイ・コラム
 暖か。
 夕方、いつもより早く、まだ明るいうちに散歩に出ると、野川のほとりの桜並木は赤く色づき、足元に散り敷く落ち葉も頭上に残る葉も明るい色に輝いています。その色に染められて、身も心も軽くなったような感じ。

 色彩が人間の心理に影響を与えるのは間違いなく、実験結果も豊富に出ていますが、その理由は解明されていないのではないでしょうか。さまざまな憶測の域を超えないのでは?
 もしかしたら、共感覚的なものがあるのかなあとも思います。数字に色を見る人がいて、音楽に色を聴く人がいる。それと同様に、普通の人でも色覚と感情とは神経回路がつながっているのかもしれません。

 まあ、理由はともかく、紅葉の中を歩くのはとても気分が良い。
 そういえば、山岳部にいた頃、晩秋の山の中腹の落葉しつつある林の中を歩いたことは今でも記憶に鮮やかです。たぶん、一生、明るい思い出として心に残るんだろうな。


はやぶさ

2005-11-27 20:47:35 | サイエンス
 日没後、東に向かって散歩すると火星が見えます。今はだいぶ高いところにかかってきました。一時ほどではないにしても、まだまだ大きくて明るい。

 火星は地球の近くにいるのに、小惑星イトカワは太陽の反対側。とても遠い。
 はやぶさはどうしてあんなに遠い小惑星を目指したのかと思っていたら、2年半前に出発した時の新聞記事には次のようにありました――

 ……ジャガイモのような形の小惑星「1998SF36」(大きさ約500メートル)に向かい、2年後の05年6月に到着する。この小惑星が選ばれたのは、太陽を回る軌道が楕円で、ちょうどこの時期、火星より地球に近い場所にあり、地球に最も近い小惑星の1つになるからだ。(毎日新聞05年5月5日朝刊)

 わざわざ遠い小惑星を目指したのではなかったんですね。当初の予定どおり半年前に到着していれば、うんと近いところにあった。

 しかし、予定が狂っただけに余計に今回のミッションの大変だったことを感じます。凄いことをやったんだなあ……しみじみと夜空を眺める。
 さあ、無事に帰ってきて、イトカワの石を我々に見せてくれよ! 


ダイコン

2005-11-26 20:21:29 | 日記・エッセイ・コラム
 昨夜は国書文芸カレッジ。
 第1期はこれでおしまい。第2期は態勢を整え直して、来春以降に開講する予定。詳細がわかりしだい、また当欄でお知らせいたします。

 今朝は農協の畑でダイコン掘り。長靴、軍手で自転車に乗って出かけましたが、すでに職員の方が掘りあげてくれていて、当方は持ち帰るのみ。こんなに楽な収穫でいいの?

  このダイコン掘りは農協を利用している者へのサービス。初夏には同じ畑でジャガイモを掘らせてもらいました。
 いかにも郊外の農協らしくて嬉しいもてなしです。

 それにしても、ダイコンは重い。8本いただいたのですが、一度には自転車まで運べない。4本ずつ抱きかかえ、2度にわけて自転車へ。前のカゴと後ろの荷台にわけて載せましたが、ペダルが重い。ハンドルもふらふらする。ゆっくり気をつけて帰ってきました。

 これでしばらくはダイコンに不自由しないぞ。何を作ってもらうかな。ブリ大根? 豚肉と炒めるのも美味しい。サンマも焼けるな。