惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

〈小松左京マガジン〉

2013-09-30 20:47:09 | SF
 〈小松左京マガジン〉が、このほど発行された第50号で終刊となりました。
 発行 :(株)イオ、発売 :(株)角川春樹事務所、定価1000円。

Ksm50 小松左京さんの主宰する同人誌として2001年1月に創刊され、あしかけ13年。季刊のペースをきっちり守って、ちょうど50号。きりのいいところでおしまいというわけです。
 この最終号では表1~4を使って前号までの表紙が並べられています。
 内容は石毛直道さん、小佐田定雄さんらによる座談会「小松左京と上方風流」、同じく座談会で、山田正紀、萩尾望都さんらによる「小松左京の未来」。かんべむさしさんのエッセイ「ロマンチストの焦燥感」、会員からのメッセージ、2000年以降の小松さん関連の詳細な年譜など、盛りだくさん。いつもより小さな活字でびっしりと詰め込まれています。
 編集/発行人の乙部順子さん、お疲れさまでした。

 〈小松左京マガジン〉は同人誌といっても、小松さんの人脈を生かしたリトルマガジンのような趣きで、地球文明、出版、芸能を中心とした日本文化、それにもちろん小松作品などについて、自由に語り、論じてきました。
 私も最初から、購読会員としてお付き合いしてきましたが、なかなかに面白かった。バックナンバーは貴重な資料になると思います。

 個人的には、小松さんが亡くなって以来、ずっと考えてきたことの一端を、49、50号に「小松左京の〈文学〉――迷路の果てに」と「 〃 ――廃墟空間から複素宇宙へ」として書かせてもらったことが大きかった。なんとか終刊に間に合ったという感があります。
 今後、時間を置けばおくほどに、小松さんの業績は大きく浮かびあがってくると思います。私もまだまだ学び、考えなければ。


翡翠日和

2013-09-29 21:10:12 | 野鳥
 今日も秋晴れ。が、昨日一昨日とは違い、少し雲があって、抜けるような青空ではありませんでした。
 しかし、こんな日はカワセミも漁がしやすいのか、野川のそこここで姿を見ることができました。

Kawasemi1309 それ以上に多いのは、カワセミを狙うカメラマンの数。
 ここ数年でとみに人数が増えたのは、カメラの性能が良くなり、誰でも鳥のアップが撮れるようになったせいでしょうか。健康のため、外歩きをする理由にもなりそうです。

 私もコンパクトデジカメで何枚か。
 このカワセミはなかなか器用で、この後、別の岩の上に移り、たて続けに何匹か小魚をしとめていました。私はすでにカメラを収めていたので、感心しながら眺めるのみでしたが。

 〈小説推理〉11月号発売中。担当しているSFレビューで次の5作をとりあげています――

  • クリストファー・プリースト 『夢幻諸島から』 (古沢嘉通訳、新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)
  • 西島伝法 『皆勤の徒』 (東京創元社)
  • チャイナ・ミエヴィル 『クラーケン〈上・下〉』 (日暮雅通訳/ハヤカワ文庫SF)
  • 中村融編 『時を生きる種族』 (創元SF文庫)
  • 限界研編 『ポストヒューマニティーズ 伊藤計劃以後のSF』 (南雲堂)
 『皆勤の徒』は今年最大の話題作かも。百鬼夜行図のごとき宇宙の姿は悪夢となって脳裏に焼きつきます。
 ただ、この作品に限りませんが、世界の姿を自在に変えるナノテクの使い方は、ハードSFというより、むしろファンタジーの道具といいたいような気もします。

臭木

2013-09-28 21:32:37 | 草花
 今日も気持ちの良い秋晴れ。
 夕方、自転車で吉祥寺まで。北口のコピス(かつて伊勢丹だったビル)の6、7階にあるジュンク堂書店吉祥寺店でゴブリン書房10周年フェアが行なわれているので「どれどれ」ということで。

 6階児童書コーナーの棚の一画が、それでした。パネルがあり、刊行図書が並んでいます。私の『「希望」という名の船にのって』もありました。
 パネルには作家さんたちが寄せたお祝いのメッセージカードもレイアウトされているのですが、色付きの絵が添えられたカードが多い中で、黒のサインペンで文字だけ書いた私のものは見劣りしてました。絵本を描いたりするせいか、児童書の作家さんたちは多芸多才だなあ。

 ともあれ、ゴブリン書房さん、10周年おめでとうございます!
 フェアはこの後、紀伊國屋書店新宿本店でも開かれるそうです。

Kusagi1309 写真はクサギの果実。昨日、六道山公園の尾根道で撮りました。赤い萼に青紫の実の取り合わせがよく目立ちます。

 クサギはシソ科の落葉小高木(以前はクマツヅラ科に入ってたそうです)。
 「臭木」という名は、葉や茎に独特の臭気があることから。人によっては「悪い匂いではない」ともいいます。自分で嗅いで確かめたいところ。

 実は染物に使えるそうです。早稲藁の灰汁で煮出した液を使うと浅黄色に染まるとか。これも試してみたいですね。


尾花

2013-09-27 21:22:34 | 草花
 朝晩はめっきり冷え込むようになりました。秋たけなわといった感じ。

 移動性高気圧におおわれたせいで、今日は美しい秋晴れ。一度、行ってみたいと思っていた武蔵村山市の野山北・六道山公園まで足を伸ばしてみました。狭山丘陵の南西部に位置し、都立ではもっとも広い面積を誇る緑地公園。

 距離的にはそれほどでもないのですが、途中の道路が混むので時間がかかりました。片道、約1時間。あまり広くない都道をたどって行かなければならないのです。

 おかげで現地で過ごす時間が1時間足らずで、少ししか歩けませんでした。六地蔵から展望デッキあたりにかけての尾根道と雑木林の坂道。あまりにも広く、とても全体を把握するところまではゆきません。また出かけなくては。

Susuki1309 写真はススキ。正面、夕陽を浴びて銀色に穂が輝いています。六地蔵のあたりで見かけました。

 ススキはイネ科の多年草で、秋の七草のひとつ。房のような穂を「尾花」と呼ぶのですが、何の尻尾に見立てたのでしょう? 馬? それとも狐?

 手前に見える褐色の穂はチカラシバでしょうか。イネ科の多年草。やはり夕陽に輝いてきれいです。


女郎花

2013-09-25 21:26:16 | 草花
 終日、小雨が降ったりやんだり。
 緑のカーテンのアサガオとフウセンカズラの鉢を置いてあったところに、白菜苗を植えた鉢を置きました。

 白菜苗は台風18号の風にあおられてダメージが大きかったのですが、なんとか生き延びたものもあり、傷つきながらも葉を伸ばしてきました。ベランダで秋から冬の陽射しを浴びて、なんとか育ってもらいたいところ。

Ominaeshi1309 写真はオミナエシ。オミナエシ科の多年草で、秋の七草のひとつ。

 小さな花がびっしりと集まっています。ひとつの花の大きさは約4ミリ。
 花は、短い筒の先が5枚の花びらに分かれ、オシベは4本。花びらとオシベの数が微妙に違うのがちょっと珍しい。
 よく似た仲間にオトコエシがあり、こちらは白い花です。

 語源がよくわからないそうです。
 古くは「をみなへし」と書きました。
 岩波古語辞典には「ヲミナは美女の意。ヘシは脇へ押しやる、力を失わす意。この花の美しさが美女をも顔色なくさせるの意か」とあります。
 「をみなめし」という呼び方もあり、中世以降はこちらが多かったとか。とすると、「女のご飯」という意味ではないかとも勘ぐりたくなります。見てくれが米粒みたいですから。

 方言で、小粒の花が粟に似ていることから「蒸し粟」と呼ぶところもあるそうです。