今日は上野の森の東京都美術館に出かけ、「田中一村展 奄美の光 魂の絵画」を見てきました。
入館は正午過ぎ。そして退館は午後4時。4時間近く、一村の画業を堪能しました。
「神童」と呼ばれた7~8歳の頃から、奄美で筆をふるいながら69歳にてあの世へ行ってしまうまで。全期間の絵を、順番に見てゆくと、時間が経つのを忘れてしまいます。
どの時期にも素晴らしい絵があるんだなあ。
今回は特に、千葉時代の「秋晴」と、その姉妹作ともいうべき「黄昏」とが印象に残りました。
夕暮れ時のほの明るさの中で輝く大根や、障子の裏から滲む灯火の温もりが胸に迫ります。後者の空に三日月を見た時の喜びも大きかった。
もちろんこれらは、後の奄美の絵があるからこそ、それらとは異なる輝きをもつ存在として魅力を発揮しているのではありますが。
お客さんは大勢でしたが、肩寄せて並んで作品をじっくり見られるぐらいの込み具合。
しかし、今月下旬にNHKの「日曜美術館」での放映があった後はこんなものではないでしょうね。行くならその前がよいかとも思います。会期は12月1日まで。