惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

代書屋

2024-01-16 21:15:59 | 演芸
気温が上がらず、北風が吹きまくる寒い一日。
家の外まわりの物が風に吹き倒され、何度も対処する必要がありました。

NHKの大河ドラマ「光の君へ」第2回で、まひろ(紫式部)が代書屋をやっていました。なるほど見事な設定だと感心。
詩文に優れた資質が生かせるし、後に作家になるための修行にもなりますね。恋の成就を手助けして和歌を代作することで、さまざまな人情模様が取材できたといえます。

脚本の大石静さんのアイデアなのでしょうが、もしかしたら平安時代、商売にすることはないにしても、頼まれて和歌を作ってやる人はいたかもしれないと思いました。日本の古代って、とても変なところがあります。

ところで、代書屋といえば落語の演目にこのタイトルがあり、上方落語の4代目桂米團治さんが自分の体験をもとに語ったものだといいます。
子どもの頃、ラジオで聞いた記憶がありますが、あれは誰がやっていたのか?

しかし、この落語のいちばんの思い出は、なんといっても立川談志さんが1981年春に東横落語会で演じた一席。
運よくナマで聞いたのですが、あれは凄かった。腹の皮がよじれるとはこのことかと思うほど笑わされました。

談志の師匠の柳家小さんが、談志の代表作は? と訊かれて「代書屋……代書屋」と言っていたように思いますが、私も同感。
あれが聞けたのは一生の宝です。


大忙し

2023-11-19 21:16:16 | 演芸
今日は一日あわただしく過ごしました。

朝。市民農園を覗いた後、自宅で庭木の剪定。
今日は玄関前にあるカイヅカイブキ。脚立でできるので危険はないのですが、隣家に枝や葉を落とさないようにするのがひと苦労。脚立と塀に足をかけたり、カイヅカのてっぺんに腹ばいになったり、腕をのばすために苦心しました。

とりあえず切ったものの、片付けする時間はありません。脇に盛り上げておいて、昼食。

午後は新宿に出かけ、東口の「無何有」という貸席で立川わんだ師匠の落語会。
前座は立川笑王丸くん。ういういしい熱演。
わんだくんは改変古典2と新作Ⅰの3席。新しい側面が見えたような気もして、これからの楽しみができました。

帰宅してからはオンラインで古典SF研究会の例会。
夕食時間に退席して、今に至っています。

アジアプロ野球チャンピオンシップの決勝戦はどうなっているのか。これからテレビで確認しなくては。


和の出会い

2016-04-03 20:38:46 | 演芸

 毎年恒例となった野川夜桜ライトアップの日時が決まりました。
 今月5日(火)午後6時から9時まで。詳しくはこちらをどうぞ。

 今日は、午後、市の文化会館へ出かけて「第2回伝統文化交流会 ― 和の出会い ―」を観賞。

 三味線、尺八、篠笛、長唄、日本舞踊、生け花、折り紙……と、日本の伝統文化を学んでいる市民たちが成果を披露する催し。写真は、長唄三味線玉ごの會・日本舞踊舞音の会メンバーによる「元禄花見踊」。

 多摩に位置する郊外都市とはいえ、色々なことに挑戦する人たちがいるものだと感心しました。小学生など、若い人が頑張っていることにも心強いものを覚えます。
 来るべきオリンピックに向け、「和の心でおもてなし」をというのは、市長さんの挨拶の言葉。そういえば会場には外国人のご家族も見かけました。「ローマの休日」ならぬ、「多摩の休日」といったところでしょうか。


茶の湯

2015-09-21 20:52:28 | 演芸

 秋晴れのお天気が続きます。
 今日はイチゴを植える土を調合しました。庭の黒土と堆肥と赤玉土、それにバーミキュライトも混ぜてみました。
 イチゴはコンテナ栽培で、昨年は3株。今年はコンテナを2つにして、7~8株育ててみたいと思っています。苗は、この春、収穫の終わったイチゴから伸びたランナーについた子株をとってあります。植え付けは来月になってから。うまくゆくと良いのですが。

 夕食後の演芸タイムは三代目三遊亭金馬「茶の湯」。メリハリがあって、わかりやすいので、ついつい金馬師匠を聴きたくなります。この噺でも、隠居と小僧、棟梁、寺子屋の先生などの演じ分けが見事です。

 根岸の里に長屋付きの隠居屋敷を構えたご隠居。暇をもてあまし、手すさびに茶の湯をやってみようとする。しかし、付き添い小僧の定吉も、どちらもお茶はまるっきりの素人。それなのに、ああだろう、こうだろうと、勝手に想像して材料を用意し、とんでもない茶の湯が始まります。
 「風流だなあ」などと強がりを言ってますが、飲むうちに腹が下って、夜通し厠に駆け込む始末。自分たちだけでは「もったいない」と、長屋の店子を呼んで飲ませることに……。

 「寝床」同様、旦那の困った趣味に周囲が迷惑する噺ですが、「寝床」が眠くなるだけで済んだのに比べ、こちらは、苦くて口はよじれ、お腹まで下すという、さらに猛烈な害が生じます。押し付けられる周囲の反応も実に激しい。
 金馬さんは、年下の円生師匠からこの噺を教わったといいます。隠居の店子が茶の湯の招待を受けて困り果て、夜逃げを考えるというのは、円生師匠の演出だとか。
 録音なので、奇妙な「手前」の様子を見ることができなくて残念。所作といい、表情といい、とても可笑しいでしょうねえ。笑い声がたっぷり録音されています。
 「青黄粉」「椋の皮」などをあらかじめ覚えておけば、子どもでも存分に楽しめる傑作爆笑巨編。お茶をなさってる方は、お子さまやお孫さまに聞かせてあげたらどうでしょう?


しの字嫌い

2015-09-08 20:47:07 | 演芸

 雨の中、荷物を自転車にくくりつけて、宅配便の集配所へ。もちろん、傘差し運転ではありません。自転車用のポンチョを着てゆきました。
 荷物にも、濡れないようにビニールシートをかぶせなきゃならないし、もう大変。早く晴れてくれぇ。

 夕食後の演芸タイムは初代・金原亭馬の助「しの字嫌い」。
 ゲン担ぎで「し」のつく言葉を使わないことがあるという。旦那は、奉公人の清蔵の言葉遣いが悪いので、それを正すため、「し」の字を使うとご飯を食べさせないと言い渡す。その代わり、旦那の方が「し」を使うと、お金でも何でも、そこらにあるものをやろう、と。
 言葉を正す教育というより、意地悪ゲームのようなものですな。旦那は清蔵が「し」と言うように、あれこれ策を巡らすものの……。

 ついつい使ってしまいそうになるのを、「あぶない、あぶない」と、2人が踏みとどまりながら話をすすめてゆく、そのスリルとバカバカしさ。ついつい引きずり込まれてしまいます。どうでもいいことにムキになるのは、落語の定番。
 馬の助師匠の、田舎者言葉は豪快で、傍若無人な感じが出てていいですね。ただ、この人のしゃべりだと、あまりややこしい性格の人物は描写しづらかったのかも。いつかテレビで観たことがあるような気がします。