惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

大和蜆

2011-08-31 20:30:25 | 動物
 台風12号が予想外の動きをしていて、週末のお天気が混沌としてきました。

 土・日と静岡でSF大会があり、私が参加する企画もあるので気が気ではありません。なんとかバイクで行けると楽なんだけどなあ……。

Yamatoshizimi1108 ステレオグラムは、たぶん、ヤマトシジミ。翅の外縁にある黒いふちどりが綺麗です。
 夕暮れ時、そろそろ寝に就こうかというところをお邪魔しました。幼虫の食草はカタバミだそうです。


殿様飛蝗

2011-08-30 21:11:00 | 動物
 最高気温31度。暑い。
 夕方になって雲が広がり、夜には小雨がパラつきました。台風接近中なので下り坂のお天気です。

Tonosama1108 ステレオグラムは日向ぼっこをしていたトノサマバッタの頭部分。
 6月6日の日記にもトノサマバッタの写真を載せましたが、今回の方がずっと迫力のある顔つきです。甲冑と鎧で身を固めた兵士のようですね。
 大きな顎と唇、卵型に盛り上がった複眼。それに胸の前部の背中側を覆う巨大な肩当てのような殻の立派なこと。

 色は「孤独相」と呼ばれる単独生活型が緑色、「群生相」と呼ばれる集団発生型が褐色だとのことですが、そういえば周囲にも何匹かトノサマバッタがいました。ある程度、固まって生まれたのでしょうか。


深山茜

2011-08-29 20:56:07 | 動物
 日中の最高気温は30.5度まで上がりましたが、秋の気配が濃厚になってきました。
 夕方、ひさしぶりに都立桜ヶ丘公園で部活(ポッカール&ウオーキング)をしたのですが、山道はどこもヒグラシの声。
 全山に声満たしたるカナカナかな――仁丹。

Miyamaakane1108 公園は夏に刈った雑草がまた伸びて、草茫茫となっていますが、あちこちでトンボやバッタを見かけました。

 写真はミヤマアカネ。アカトンボの一種ですが、まだ成熟しきってなくて赤くありません。
 オス、メスどちらなのか、私には不明。

 このトンボが赤くなる頃が秋本番ということでしょうか。


ミステリーとSF

2011-08-28 21:20:37 | SF
 昨日、自分のSFレビューに触れた〈小説推理〉10月号ですが、連載エッセイ「推理日記」では佐野洋さんが「小松左京さんのこと」と題して思い出を記しておられます。
 中でも、「小松少年は、二歳違いの兄がいたために、一見豪放な中にも、気遣いをする少年として育ったのではないか」という指摘が印象的。

 ところで、小松さんの『日本沈没』は第27回日本推理作家協会賞を受賞していますが、佐野さんはそのことについて、まず候補になった段階での事情を――

 『日本沈没』は、長編SFであり、ミステリーの枠を広げれば、当然その枠の中に入るものである。従って、SFの優秀作品は、協会賞の候補に入れ、他の候補作と競って然るべきだ。
 候補作の予選委員会は、こうした考えから、『日本沈没』を、協会賞候補として選出した。
 と述べ、その後に、各選考委員の意見を抄録してあります。
 それによれば、笹沢佐保委員は『日本沈没』の受賞に反対だったので公式コメントなしとのことですが、他の生島治郎、菊村到、角田喜久雄の各委員は日本推理作家協会賞に積極的に推しています。

 これを読んで、私は今年の第64回の同賞〈長編および連作短編集部門〉候補作だった上田早夕里さんの『華竜の宮』について思いを馳せずにはいられませんでした。
 同賞の各選考委員の選評は推理作家協会のページから当該項目をクリックすれば読むことができます(「第64回日本推理作家協会賞受賞作の選評と経過が登録されました(2011.6.27)」の下の当該部門受賞作タイトルをクリックし、それから各選考委員の名をクリックする)が、大雑把にいえば、SFであるがゆえにミステリーを対象とするこの賞にはそぐわないという理由で議論からはじかれたようです。

 日本SF大賞がなかった時代との違いもあるかもしれませんが、ミステリーの範疇をことさらに限定してゆこうとする意見が幅を利かすようになるのか、と寂しく感じたのは事実。推理作家協会はこの件について少し議論してもらいたいと思うのは私だけでしょうか。(ちなみに私も協会員の1人です)


狐の孫

2011-08-27 20:54:51 | 草花
 日が差さず、涼しい一日でした。

Kitsunenomago1108 夕方、野川公園まで出かけ草むらを覗くとキツネノマゴが咲いていました。
 キツネノマゴ科の一年草。花は5ミリくらいの大きさなので、そばにゆかないと気づかないかもしれません。
 唇形の花の上唇に2個ある目玉のようなのがオシベの葯。
 この花は毎年、秋の初めには掲載していますね。

 〈小説推理〉10月号が発売になりました。担当しているSFレビュー欄で次の6作を取り上げています――

  • 津原泰水『 11 eleven 』(河出書房新社)
  • 森奈津子『セクシーGメン 麻紀&ミーナ』(徳間書店)
  • 篠田節子『はぐれ猿は熱帯雨林の夢を見るか』(文藝春秋)
  • 宮部みゆき『チヨ子』(光文社文庫)
  • 瀬名秀明『希望』(ハヤカワ文庫JA)
  • サミュエル・R・ディレイニー『ダールグレン〈Ⅰ・Ⅱ〉』(大久保譲訳、国書刊行会)
 『ダールグレン』以外は日本人作家の短編集。津原泰水さんの『 11 eleven 』は短編小説好きには絶対のお薦め。うっとりします。