惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

戻り鰹

2005-10-31 20:24:42 | 食・レシピ
 夕食に凄いものを食べてしまった。
 カツオのたたきですけれども、この季節だから、たっぷりと脂ののった戻り鰹。分厚く切って、辛めのタレでニンニクのスライスと一緒にご飯にのせていただくと、もういくらでもお腹に入ってゆきます。

 いつもは美味しいご飯だと身も心もフワフワになってしまうような豊かさを感じるのですが、今夜のはむっちりした身と脂と切れ味鋭いタレが一緒になって体をハードにしてくれる。食べれば食べるほどしゃきっとする美味しさなのです。

 これ、実は息子の頂き物で高知県幡多郡大月町から送られてきたもの。ご相伴にあずかったというわけですが、こういうのはうれしいなあ。感激しました。


天皇賞

2005-10-30 20:35:33 | スポーツ
 私の注目していたスイープトウショウとアサクサデンエンは、それぞれ5位と4位。わりと良い順位に入りました。
 ――といっても、別に馬券を買うわけでもなし。単に「これとこれかな」と前もって考えるだけですが。それでも十分に楽しい。

 しかし、1位のヘヴンリーロマンスは予想しづらかったでしょうねえ。素人だから――というより、知れば知るほどむずかしくなりそう。

 優勝した松永騎手はロイヤルボックス(でいいのかな?)の前で馬を停め、騎乗したままヘルメットを脱いで深々と頭を垂れていましたね。あれが礼儀なのでしょうか。気持ちの良い作法でした。


明後日は

2005-10-29 20:38:35 | 日記・エッセイ・コラム
 風邪引きの妻のお遣いでスーパーへ行ったら、レジのお姉さんが奇妙な格好をしていました。黒い服を着て、頭の上には何かヒラヒラしたもの。
 勘定をしてもらう時によく見たら、ヒラヒラはコウモリの羽根だった! これは……。
 まわりを見ると、そのお姉さんだけでなく、他にも、つばのやたらに広い帽子を被った黒服の店員さんもいる。

 やっとわかりました。ハローウィンの仮装をしているのだ!

 このスーパーは親会社がアメリカのウォルマートなので、そのせいなのでしょうか。上から指令が来たのか、それとも現場が勝手に盛り上がっているのか。
 後者の理由にしては、仮装のお姉さんがあまり楽しんでいるふうに見えないんですね。もっと嬉しそうにしていればいいのに。
 でも、私はうれしくなりました。「トリック・オア・トリート」と、そっとつぶやいてみたり。

 夕食はサンマ。今日のは1尾49円!
 安~~い。美味し~~い。サンマ、万歳!


高枝鋏

2005-10-28 21:06:04 | 日記・エッセイ・コラム
 そろそろ庭木の剪定開始。

 今日は夕方1時間ほどかけて、玄関脇のカクレミノを刈り込みました。
 刈り込むといっても、割と大きな枝をバッサバッサと切り落とし、先端の葉っぱ数枚を残すという大雑把な剪定。伸びる力が強いのでこうしておかないと、どんどん大きくなってしまいます。

 枝に登って高いところを切り詰めていたら、近所のご隠居がやって来て「これを使いなさい」と高枝鋏を差し出してくれました。通信販売でお馴染みの、長い柄の先の刃を手元のハンドルで動かすやつ。「便利ですよ、ほら」と刃を動かして見せてくれたりもします。
 ありがたいけれど、そういう道具を使わなくて済むよう、毎年、頑張って刈り込んでいるのです。何度も礼をいって、引き取っていただきました。

 いつものことながら、こういう家周りの仕事をしていると、色々な人が声を掛けてくれます。それがうれしい。


『みんな一緒にバギーに乗って』

2005-10-27 20:51:37 | 本と雑誌
 川端裕人さんの新作『みんな一緒にバギーに乗って』(光文社)を読みました。
 これは驚くべき本です。色々な面で驚かされました。

 まず、題材。男性保育士の物語なのです。
 この職業を小説の素材にしようと考えるところが凄い。ベストセラーの本棚を眺めながら仕事をしていては思いつかないでしょう。たぶん、自分の身近なところに気を配っていて、誰も気づかないところに題材を見つけたものと思われますが、そうした視点といい、興味の持ち方といい、素晴らしいことです。

 そして、素材の料理の仕方が憎い。とおりいっぺんの、単に珍しい主人公を持ち出した小説ではなく、保育の――それも男性がプロとして保育に携わる場合の――問題を正面に据え、それでいて楽しく読める物語を作り上げている。大変なことです。

 さらに、人物の描き分けが見事。男性保育士が3人登場しますが、それぞれが違ったタイプで、性格に応じた保育の仕方があるのだということが納得させられます。もちろん女性の保育士も4人ばかり登場し、彼女たちもそれぞれ違った個性を持ち、違った保育の手腕を発揮しているのです。

 もっと凄いのは、子どもたちが――それもたった2歳の子どもたちが、見事に描き分けられていること。
 そうなんですねえ。人は赤ちゃんの時からそれぞれ独自の性格を持っているんですよねえ。
 自分の子どもが小さかった頃には気づいていたはずなのに、今ではすっかり忘れていたことを思いださせられました。
 それにしても、こんなに小さな個性をくっきりと描き出すなんて、何ということでしょうか。

 作家の手腕の面のみに注目して、物語の内容には触れませんでしたが、その点でも、昨今の殺伐とした状況を告発するのではなく、子育てには子育ての困難さと面白さがあることが生き生きと伝わってくる、好感の持てるものであることを保証いたします。
 いやあ、凄い。一見派手でないだけに、よけいに凄い本だと思いました。