惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

一つ葉田子

2021-04-24 20:41:32 | 自然

 比較的めずらしい木のようですが、深大寺周辺ではよく見かけるヒトツバタゴ。
 別名「ナンジャモンジャの木」。

 モクセイ科ヒトツバタゴ属の落葉高木樹。
 今年は昨年よりやや早く、今、花盛りです。

 純白の細長い花弁が4枚、伸びているように見えますが、根元がつながっていて、切れ込みの深いひとつの花だとわかります。

 明日からまた「緊急事態宣言」発出。
 そうなるとお出かけもままならないとばかりに、今日は人出が多かったように思います。
 明日の深大寺あたりはどうなるかな。


山桜

2020-10-05 21:03:30 | 自然

 夕方、例によってハケから深大寺のあたりを散歩。
 どこを歩いても金木犀の甘い香りがして、良い気分になります。なんでこの花はこんなに甘ったるい匂いなんだろうと思うほど。

 カニ山の北側広場。中央自動車道をくぐった小さな空間ですが、この隅に山桜の木があります。
 今日、そばに行ってみると花が咲いていました。

 最近はこの季節に咲く十月桜もあちこちにありますが、この木はまごうことなき山桜。今年の春もきれいな花をつけていました。

 気候のせいか、害虫にやられたのか、葉が一度、全部落ちてしまったようです。
 で、葉が芽吹くと同時に花も咲かせたということなのでしょう。

 花びらの形が、ふつうと違って、とんがっています。異常な時期なので、異常な形になってしまったということなのでしょうか。つぼみの育ち方が通常と違ってしまったのかもしれません。

 花は多くなく、ちらほらという感じ。
 でも、暗い夕暮れの広場の、この一画だけがほんのり明るくなっていました。

 〈ナンクロメイト〉11月号発売中。担当の新刊紹介欄で次の3冊を取り上げています――

  • 高山羽根子 『首里の馬』 (新潮社)
  • 遠藤耕太郎 『万葉集の起源 東アジアに息づく抒情の系譜』 (中公新書)
  • 島泰三 『魚食の人類史 出アフリカから日本列島へ』 (NHKブックス)

『万葉集の起源』は中国少数民族が伝承する歌垣と日本古代の歌とを関連づけ、万葉時代の人々の心を浮き彫りにします。
 短歌は(その他の歌も)、もともとは声に出して歌われるものだったんですよねぇ。メロディーを復元することはできないのでしょうか。


夏草

2020-08-19 21:15:04 | 自然

 今日も良い天気。
 いや、良くはないんです。いくらなんでも、そろそろひと雨欲しいところ。8月に入って以来、にわか雨の「おこぼれ」みたいなのが2度ほどパラついただけ。こんなに好天が続く夏も珍しい。

 夕方、例によって濡れマスクで野川沿いを歩いていて、こんな光景を見ました。

 歩道から枝を垂らしているのはソメイヨシノ。
 そこへ岸辺のアレチウリが絡みついています。
 上と下、離れた植物どうしが握手した格好。

 桜の枝は地面をこするほどには垂れていないと思います。でも、盛り上がったアレチウリの蔓が触れるぐらいには垂れていたのでしょう。というか、アレチウリの方が伸び上がったというべきか。
 夏草の繁殖力の強さにあきれます。

 でも、そろそろ草刈りが入る頃なので、この景色も見納めになりそう。
 今年はアレチウリの勢力が強かったけれど、来年はどうなるでしょう。川べりの景色も毎年変わるんですよね。


芋の露

2020-07-29 21:33:36 | 自然

 曇り空から時折り雨粒が落ちてくる一日。今年の梅雨は本当に長い。

 やみ間を見て、市民農園へ行きました。どの野菜も陽の光に飢えているようです。トマトもスイカも甘みが足りません。

 よそさまの畑の里芋の葉に、大きな露がとまっていました。

 大きさは1円玉くらいかな。きれいな形で鎮座しています。
 こんな露を見ると、すぐに「芋の露連山影を正しうす」という飯田蛇笏の句を思い出します。まことに名作というものの威力、おそるべし。

 蛇笏の句の露に映っているのは山の姿ですが、目の前のこの露に見えるのは、多分、畑のまわりの木々。それと空ですね。

 うんざりするし、水害も出て困った空模様ですが、ま、こういう綺麗なものを見られる楽しみもないわけではありません。


亜米利加采振り木

2020-05-23 21:31:08 | 自然

 午後も遅くなって青空が広がってきました。ひさびさに味わう太陽の恵み。

 近所を散歩するうち、柏野小学校のすぐ近くで赤い実の成っている木に遭遇しました。
 けっこう大きな木です。パチンコ玉ぐらいの実は、赤く熟し、道に落ちているのもたくさん。

 何の木だろう?
 家に帰って検索してみましたが、なかなかそれらしいものが見つかりません。

 あれこれ探しているうち、「ジューンベリー」という実らしいことがわかりました。樹種はバラ科のアメリカザイフリボク。

 「ザイフリボク」は「采振り木」と表記し、白くて細長い花びらが、昔、武将が振るった「采配」に似ていることから来ているとか。似たような理由で「シデザクラ(紙垂桜)」ともいうようです。
 今度、花の季節によく見てみよう。