惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

縁側酒

2022-10-14 20:41:27 | 思い出

 子どもの頃の思い出です。

 夕暮れ時、野良仕事を終えた祖父が家にもどる頃、友人が手ぶらでふらりと我が家にやって来ることがありました。
 こんな時、高知ではお茶を出しません。お酒です。
 祖父は一升瓶と小皿、それに二人分の湯飲みを持って縁側に出ます。訪れた客は靴を脱がず、縁側に半分腰をのせ、祖父と酒を酌み交わしながら話をするのです。

 これが一般的な男の付き合い。

 二人の間に置いた小皿には酒の肴がのるのですが、たいがいはお雑魚でした。
 干した小魚ですね。出汁をとるため常備してあるのを、ちょっと拝借するわけです。

 こんなことを思い出したのは、今日の夕食のテープルの一隅に「食べる小魚」とかいう名のお雑魚が置かれていたから。軽く焙ってくれています。
 ポリポリ食べると美味しい。冷や酒が欲しくなります(実際にはいつもの赤ワインでしたが)。

 縁側で男二人で酌み交わす酒。
 いいもんですねえ。一日の仕事を終えて、ふと知り合いを訪ね、気兼ねなく付き合う。いかにも田舎らしい風景でした。


夜道

2022-09-03 21:09:03 | 思い出

 今日はタマネギの種蒔き。秋の農作業がつづきます。

 昨年はタマネギの苗作りに失敗しました。なぜだかよくわからないのですが、ほんの数本しか育たなかった。いつもと同じようにやったんですけどねぇ。

 今年は失敗しないように、と思っているのですが、去年の失敗の原因がわからないので(気候のせい?)対策のしようがありません。とりあえず、いつものように。

 午後、小学2年の孫が自転車に乗ってやって来ました。
 つい最近、補助輪なしで乗れるようになったので楽しくてしょうがないらしい。走っては停まるを繰り返して飽きません。
 何かをできるようになるのはいいなあ。

 私が自転車に乗れるようになったのも、同じような年頃でした。サイズの大きすぎる自転車を中古で勝ってもらい、自分でなんとか乗れるようになったんじゃなかったかな。最初から補助輪はついていませんでした。

 で、関連して思い出したのですが、あの頃、私の町には舗装道路というものがなかった。国道でも、砂利をばらまいた土の道路で、あちこち凸凹していて、雨が降ると水たまりができた。
 夜はその水たまりがぼんやり夜空の光を反射して明るいので、つい足を降ろしそうになります。そうではなくて、暗いところを踏んで歩かねばならなかった。街灯もなく、当時の夜は本当に暗かったですね。そのぶん夜空は美しかったかもしれない。

 孫が自転車を乗りまわすのを眺めていて、そんなことを思い出しました。晩年、ということなんでしようかね~。