惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

参考書ばかり

2005-04-30 21:10:04 | 日曜大工
 夕方から神保町で古典SF研究会の例会。

 早めに出かけて、久しぶりに神田の本屋さんでゆっくりと棚を見てまわりました。書評の候補作を何点か選び、その他に自分の楽しみのために『ウッディ・ワーク〈新手づくり木工事典〉木工の基本を学ぶ』(ユーイーピー発行、小学館スクウェア発売)などというムックも購入。ノミやカンナなど道具の仕込みから、ホゾ加工、箱の組み方など、眺めているだけで楽しい。

 先日は荒井章著『自分でつくる居心地のいい椅子』(山海堂)などという本も買ったのでした。
 こちらも今のところ眺めるだけ。それでも楽しいのですが、できれば自分で木材をいじりたい。
 でも、このところ時間がないんだなあ。小さな箱を作ろうと思ってスケッチを描いたりしているのだけど……。


タメぐち

2005-04-29 21:26:13 | 日記・エッセイ・コラム
 今日も暑い。昨日よりずっと暑い。仕事場の寒暖計は31度まで上がりました。
 半袖に半ズボン。真夏の格好になり、頭にはクールバンダナ。それだけではまだノボセるので、扇風機を引っ張り出して空気を掻き混ぜ、それでようやく仕事が出来るような感じ。まだ4月なのに……。

 ロシアのプーチン大統領がイスラエルを訪問していますね。
 佐藤優『国家の罠』(新潮社)によれば、ロシアとイスラエルの関係は、我々が考えるよりもずっと深いとか。ロシアにいた大勢のユダヤ人がイスラエルに移住したため、同国のユダヤ人の20パーセントはロシア系らしい。
 脱税を問われているユコスの元社長ホドルコフスキー氏への判決が、当初の27日から来月16日に延期されましたが、それとプーチン大統領のイスラエル訪問は関係あるのか、ないのか。素人のロシアウォッチングも結構おもしろい。

 『国家の罠』の著者はかなり特異な性格だとは思いますが、ロシア情報担当として腕は立っていたのではないでしょうか。少なくとも、これまで本で読んだ外務省関係者の方々よりは、きちんと情報収集に当たっていたような印象を受けます。
 こういう人を排除してしまうと、日本の外務省はますます国際情報戦略から取り残されるのではないかと、心配にならないわけでもない。少なくとも、現在の対ロシア外交は一時より後退してしまったことは確かでしょう。(ことはロシアに対する外交だけではありませんが……)

 『国家の罠』を読んでいて、いちばん気になったのは著者が他人に対してしょっちゅうタメぐちを効くところ。検事の取調べに、「そうかい。組織とはそんなものだろう」とか、「僕は別に困ってないぜ」とか、「3300万円を弁済する気持ちは僕にはサラサラないぜ」といったような対応をする。
 実際にこういう口の効きかたをしたのか、それとも内心こういう態度だったという記憶が、こんな表記を選ばせたのか。気になるところです。


若葉に風

2005-04-28 20:23:55 | 日記・エッセイ・コラム
 南の風が強く吹き、気温はぐんぐん上がる。お昼過ぎ、仕事場の寒暖計は27度。
 気化熱を利用したクールバンダナを頭に巻きつけて仕事。明日から連休だとかで、今月の締切は今日中に上げなければなりません。

 夕方までになんとかクリアして、頭くたくた。
 こういう時は肉体労働がいいですね。バイクを洗って、ワックスを掛けました。風が吹いて乾きやすいので好都合。

 水を使う作業が気持ちいい。
 いい季節になりました。


若き日の雨村

2005-04-26 21:10:50 | 日記・エッセイ・コラム
 マーク・ブキャナン『複雑な世界、単純な法則』(阪本芳久訳、草思社)はネットワークの数学についての一般向けノンフィクション。「スモールワールド」という考え方について、多くのページを割いています。
 スモールワールドとは、「世間は狭い」という事実。私たちは世界中の誰とでも6つのステップでつながっているという通説を、数学的に明らかにしたものです。

 尼崎市での鉄道事故で、4両目に家内の友人が乗っていたということを知って、スモールワールドとブキャナンの本を思い出しました。
 これだけ多くの人が犠牲になったり、その場に居合わせたりしたら、日本人の多くは数ステップで関係者とつながっていることでしょう。

 それにしても信じがたいような事故。犠牲になられた方々の冥福をお祈りします。

 高知での森下雨村展は充実した内容でした。幼少期から没後まで、これほど多く雨村さんの資料が集まったのは初めて。編集した〈新青年〉や著書、訳書はいうまでもなく、江戸川乱歩や横溝正史、海野十三らの手紙、雨村の使った釣り道具など多彩な品目。会場の一画では雨村の生涯を解説するビデオも上映されていました。
 また「図録」は、雨村に関する貴重な証言や年譜、雨村自身の言葉でたどる生涯など、これまでほとんどわからなかった実生活の多くを明らかにするもので、これまた貴重な資料となっています。関心がありながら、雨村展には足を運ぶことのできない方は図録だけでもお取り寄せになられてはいかがでしょうか。
 お問い合わせは高知県立文学館まで。

 23日(土)、文学館主宰「森下雨村を語る」会で、〈新青年〉研究会の湯浅篤志さんと行なった講演のうち、森下のぶんの草稿「〈新青年〉以前――若き日の森下雨村」をWEBに掲載しました。興味がおありの方はどうぞご覧になってください。


雨村石碑

2005-04-25 20:50:32 | 日記・エッセイ・コラム
 朝、庭にハクビシン出現。
 家族の呼ぶ声に窓際へ行ってみると、茶色の動物がカナメモチの下あたりを徘徊しています。猫よりひとまわり大きくて、尻尾がふさふさとしている。

 実は、我が家の庭にハクビシンが来たのは、この春2回め。
 前回は私の留守中で、家内と息子が「なんだろう?」とあれこれ調べたらハクビシンだった、という。そんなことがあったので、今回は戸惑うこともなかったのです。

 前回はカナメモチの枝にぶら下げてある小鳥の餌(リンゴのかけら)をカゴから落として食べていったらしい。今はもう小鳥の餌は用意していないので、ハクビシンにとっては無駄足となりました。
 デジカメを持ち出そうとしている間に塀を乗り越えて隣家の庭に入っていったので、写真は撮れずじまい。2度あることは……というから、今度こそは。でも、餌がないとわかったのでもう来ないかな。

 さて、高知に帰った目的の「森下雨村展」――の話に入る前に、今日は石碑のことを書いておきます。

 雨村の生誕地・佐川町上郷に雨村を記念する石碑が建立され、今月20日に除幕式が行なわれたのです。私が佐川に帰ったのは22日、しかもデジカメを忘れていったので、写真がありません。痛恨のきわみ。高知新聞の予告記事で、様子をご覧になってください。

 碑には、晩年の釣り随筆集のタイトル「猿猴川に死す」の文字が彫られています。活字になった雨村の代表作。
 注目すべきは写真の女性の背後に見える木。これは敷地内にわざわざ植えられたもので、樹種は栗です。
 佐川町に帰農してからの雨村は園芸の研究に励み、中でも栗の栽培には力を入れていました。栗の木は雨村が自ら植えた4本を移植したものです。

 後でご子息の森下時男氏にうかがったところでは、除幕式当日、式の時間を見計らったように激しい雨が降り、時男氏は「父親が怒っている」と感じたそうです。晴れがましいことをとことん嫌った雨村でした。
 もっとも、臨席した他の人たちは「村さんだから、雨が降ったがやろうねえ」と、天の配慮と受け取ったようですが……。

 ついでに、高知新聞「メダカ釣り大会」の記事