惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

亜米利加糊の花

2016-06-30 21:29:33 | 園芸

 オクラの花が咲きました。1輪だけ。背丈が20センチほどの若い株です。

 見てのとおりのクリーム色の上品な花。これもオクラ栽培の楽しみのひとつでした。
 この花はお昼過ぎにはもう閉じてしまいました。営業終了。

 たったひとつだし、これで受粉できているのか、心配です。
 家の人が言うには、「受粉できたから、閉じたにちがいない」。なるほど、それも一理あります。

 少し調べてみました。
 花の写真をよく見ると、褐色の柱頭があり、その下部、めしべの「幹」にあたる部分に黄色い塊がいくつも見えます。これが花粉を出す葯のようです。
 オクラのおしべは、実は、めしべを包むように5本がくっついているのだそうです。たくさんの葯があり、先端の葯は柱頭にまで達しています。
 これで自家受粉しているんですね。花が閉じるのは、むしろ自家受粉を確実にするためではないかしらん。おしべがせり上がり、柱頭に迫るように思えます。

 うまくゆけば、3~4日後には実の収穫となります。しかし、1本だけというのは、寂しいなぁ。

 午後は庭仕事。明日から暑くなりそうなので、その前にドウダンツツジやサツキの刈り込みを済ませてしまいました。

 〈小説推理〉8月号が発売になりました。担当のSFレビューで次の5冊を取り上げています――

  • 北野勇作 『カメリ』 (河出文庫)
  • 樺山三英 『ドン・キホーテの消息』 (幻戯書房)
  • M・R・ケアリー 『パンドラの少女』 (東京創元社)
  • 池澤春菜 『SFのSは、ステキのS』 (早川書房)
  • 牧眞司 『JUST IN SF』 (本の雑誌社)

 『パンドラの少女』は、海外ミステリー担当の北上次郎さんも取り上げています。しかも、イチ押しで。「まぎれもなくSFではあるけれど、ディテールはミステリー読者もたっぷり堪能できると思われるので」とのこと。
 池澤さんの本はSFに関するエッセイ集。牧くんの本はガチガチの書評集です。どちらも楽しい。


文藝別冊・総特集 山上たつひこ

2016-06-29 21:32:09 | 本と雑誌

 〈日経サイエンス〉8月号のつづきを読む。
 量子コンピューターは、やはりむずかしい。特集記事を読んでも、輪郭をつかむのがやっとで、中身の理解まではなかなか。そもそも原理が呑み込めていないからなあ。

 気を取り直して、文藝別冊『総特集 山上たつひこ』。
 山上さんを讃える特別寄稿者の中に、諸星大二郎さんやとり・みきさんに混じって、萩尾望都さん、高橋留美子さんがいるのが微笑ましい。
 高橋留美子さんは高校(女子校)の文化祭で練馬変態クラブのブリーフを作って展示したとか。うわぁ~~! 見てみたかった。

 目玉はやはり山上さんご本人へのロングインタビューでしょうか。まだ全部は読み終わっていないのですが、山上さん、サービス精神なのか、地がそうなのか、きついユーモア全開で、素晴らしい。


医療データの売買

2016-06-28 21:27:23 | ニュース

 〈日経サイエンス〉8月号を拾い読み。
 特集は「量子コンピューター」ですが、これは歯ごたえがあるので後に回して、「史上最大の飛ぶ鳥ペラゴルニス」とかを。

 2500万年ほど前、アメリカ大陸の海辺にいた鳥で、翌長が7メートルもあったんだって。アホウドリの倍以上。
 理論的には翼長5.1メートル以上の鳥は海の上を飛べないという説もあったらしい。でも、この鳥はずっと大きい。
 化石から生活や飛び方まで専門家が推測していて、さすが。
 それにしても、うっとりするほどの大きさだ。

 小さい記事で気になったのは「医療記録売ります」というやつ。病歴や治療、投薬などのデータが匿名化されて収集、売買されているというのです。
 「研究開発投資の調整や、より正確な広告・販売戦略が可能になるから」だそうですが、患者の身元は隠されているとはいえ、たとえば薬を処方する医師の名はわかるので、どの医師がどういう薬をよく出すかを読み取ることができる。
 また、患者の特定も、他のデータと突き合わせることによって、不可能ではないという。実例が紹介されている。

 ビッグデータの利用法の例なのでしょうが、色々とヤバイことにも使えそう。
 アメリカの事例に限った記事ですが、日本でも似たようなことは始まっているのではないかな。どこかの報道機関が調べて欲しい。

 雨のあがった夕方はつつじヶ丘の本屋さん「書原」まで散歩。
 文藝別冊『総特集 山上たつひこ』、〈フリースタイル〉32号などを購入。

 〈フリースタイル〉の目玉記事は「60年代ポップ少年」と題した鏡明×亀和田武さんの対談。
 懐かしの洋楽が本題ですが、そこに入る前に渋谷の「一の日会」のことを延々としゃべっています。実に楽しそう。


小海老草

2016-06-27 20:29:28 | 相撲

 昨夜は都心の神楽坂まで出かけ、居酒屋で臨時「一の日会」。中高年8人でSFその他の談義に花を咲かせました。

 その前に東西線神楽坂駅そばの商業施設ラ・カグで、写真展「新潮社写真部のネガ庫から」を見ました。新潮社ゆかりの作家たちのスナップやポートレート。
 白いダブルのスーツでポーズをとる筒井康隆さん、好奇心で目をキラキラさせている星新一さん、銭湯につかる井上ひさしさんなど、原則1人1枚ずつですが、どれも興味深い。開高健さんがまだサントリーに勤めている頃、27歳当時の写真もあり、あの丸顔とは似ても似つかぬシャープな風貌に驚きました。

 ここから坂を下って居酒屋まで歩いたのですが、どこか江戸情緒を残した町家めいた風情があります。ついつい路地に入って、軒先の鉢植えなどを覗いてしまいました。

 そんな中に、見慣れない花が。

 帰宅して、グーグルの画像検索を初めてためしてみました。
 一発で同じものが出て来るわけではありませんが、たくさんある画像を見ているうちに、「これでは!」と思うものに行き当たりました。

 どうやらコエビソウというらしい。
 中米原産でキツネノマゴの仲間だそうです。

 キツネノマゴならよく知っています。初秋に咲く、愛らしい雑草。そういえば、花序から突き出た花がキツネノマゴに似ています。で、花序はエビの体みたい。
 別名ベロペロネ。丈夫な多年草で、長く楽しむことのできる花のようです。


祝祭演奏会

2016-06-25 21:07:34 | 相撲

 午後、市の文化会館大ホールで「生誕260年 モーツァルト・ガラ・コンサート」。
 開催中の市音楽祭のプログラムのひとつです。ウルフガング・アマデウス・モーツァルトが父のレオポルド・モーツァルトに送った手紙に書かれた「1783年ウィーン ブルグ劇場公演」の内容を再現するもの。

 楽しかったです。シンフォニーあり、コンチェルトあり、オペラのアリアあり、ピアノ独奏あり。さまざまな形式のモーツァルトの曲が楽しめました。演奏時間3時間15分(休憩含む)は、お尻が痛かったですけどね。
 会場は満員。皆さん、音楽が好き、モーツァルトが好きなんだ。

 夜はテレビで陸上日本選手権。目当てはもちろん男子100メートル決勝です。
 結果は、1位:ケンブリッジ飛鳥選手、2位:山県亮太選手、3位:桐生祥秀選手。準決勝でのタイムそのままの順位となりました。
 優勝したケンブリッジ選手のタイムは10秒16。9秒台はおあずけです。桐生選手が終盤スピードを落とし、レース後、右脚を気にしていたのが心配。何事もなければいいのですが。