証人喚問報道(基本的な疑問)
自民党憲法改正草案を読む/番外199(情報の読み方)
私は佐川の証人喚問の質疑応答をすべて見たわけではない。一部しか見ていない。それで、実際はどうだったのかわからないのだが。
2018年03月28日読売新聞朝刊(西部版・14版)の9面に「佐川証人喚問の詳報」(この面は12版)の書き出しは、金子原二郎の質問から始まっている。(1)(2)は私がつけたもので、新聞には書かれていない。
金子氏 (1)財務省の決裁文書14件の書き換えを知っていたか。
(2)誰が、いつ指示したのか。
佐川氏 (3)捜査を受けている身だ。
(4)刑事訴追を受ける恐れがあるので答弁を控えたい。
佐川は(1)についても答えているのだろうか。「知っていたか」という質問は、かなりあいまいである。
野党の質問者は質問をどう始めたのか知らないが、もっと具体的に質問すべきだと思う。
たとえば、こんなふうに
①改竄前の文書は見たことがあるのか。
②改竄後の文書は見たことがあるのか。
ここから「明確」にしないから、佐川を追及できない。
(1)(2)ともに「ない」と佐川が答えれば、佐川が改竄に関与していたことにならない。別の誰かが指示し、改竄させていたことになる。
また(1)を「ない」と答えたとするならば、以前の国会答弁は何に基づいていたのかということが問題になる。
(2)の質問に「ない」と答えたのなら、なぜ佐川が喚問されているのか、なぜ喚問に応じたのかということを問い詰めることができる。
(1)(2)とも「ある」と答えたとしたら、ここからさらに「具体的」に聴きはじめる。どの部分が改竄にあたると佐川が判断しているか、それを確かめる。
「特殊」という表現を削除したのは改竄かどうか。
「昭恵」の名前を削除したのは改竄かどうか。
「日本会議」の説明を削除したのは改竄かどうか。
文書が改竄されたことを、国民は知っている。どこが、どう改竄されたかも知っている。だから質問しなくてもいい、ということではない。このときの「知っている」は「国民」の認識であって、佐川自身の認識ではない。
佐川が改竄と認識しているということを、まず、明確にすべきなのだ。わかっていても、それを「ことば」として残すこと、明言させることが必要なのだ。
証人喚問の最初に、名前とか職業とかを聴くはずである。それはだれもがわかっている。わかっているけれど、それを本人に語らせる。それが基本。そうであるなら、今回起きたことも、佐川自身のことばで語らせる必要がある。
(3)についても、
④どこから捜査を受けているか、
⑤いつから捜査を受けているのか
これを佐川に語らせる必要がある。ほんとうに捜査を受けているかどうか、確認する必要がある。そうしないと、
(4)がほんとうかどうかわからない。捜査を受けていないのに、「刑事訴追の恐れがある」を口実に、証言を拒んでいるのかもしれない。
さらに「刑事訴追」を気にするということは、そのあとの「処分」を気にするということだろうから、
⑥「有印公文書偽造」の場合は、どういう「処分(刑、罰金)」があるのか知っているか、
⑦量刑などはいつから知ったか、
を問うことも大切だ。
(こういうことは、ふつうの国民は知らない。偽造する機会がないから、そういう法律があることも知らないひともいるだろう。)
なぜ聞くかといえば、佐川の「認識」を確かめるためである。「認識させるため」と言いなおした方がいいかもしれない。
質問しなくても、そんなことは「知っているはず」と思ってはいけない。「知っているはずのこと」を「ことば」にさせる。佐川自身に、強く「認識させる」必要がある。
佐川が何をしたのか、それを「認識させる」手間を惜しむと、どこまでも平気で「証言を拒否」できる。嘘をつける。
人間の「脳」は非常に「身勝手」にできている。自分の都合のいいことをつないで、「事実」と思い込む。
野党の追及をかわせたので、自分は「無実」であると思い込むに違いないのである。
「量刑」を知っているということは、
⑧自分のしていることが「犯罪」であると知っているということである。
また、それが「犯罪」であると「認識」しているということは、
⑨なぜそれが「犯罪」なのか、という理由を知っているということである。
佐川が「認識していること」を佐川に語らせる。
私が見るかぎりでは、佐川自身がこの問題を完全には「認識」していないのだ。
「認識していない」から、平気で言い逃れる。
「頭」のなかで「認識させる」だけではなく、その「認識」をことばとして引き出す。それが大事だ。
「ことば」はつないでいくと、「嘘」がある場合、どこかで破綻する。それを探し出すために、野党は連携しないといけない。
#安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位
*
「天皇の悲鳴」(1500円、送料込み)はオンデマンド出版です。
アマゾンや一般書店では購入できません。
https://www.seichoku.com/user_data/booksale.php?id=168072977
ページ右側の「製本のご注文はこちら」のボタンを押して、申し込んでください。
松井久子監督「不思議なクニの憲法」上映会。
2018年5月20日(日曜日)13時。
福岡市立中央市民センター
「不思議なクニの憲法2018」を見る会
入場料1000円(当日券なし)
問い合わせは
yachisyuso@gmail.com
自民党憲法改正草案を読む/番外199(情報の読み方)
私は佐川の証人喚問の質疑応答をすべて見たわけではない。一部しか見ていない。それで、実際はどうだったのかわからないのだが。
2018年03月28日読売新聞朝刊(西部版・14版)の9面に「佐川証人喚問の詳報」(この面は12版)の書き出しは、金子原二郎の質問から始まっている。(1)(2)は私がつけたもので、新聞には書かれていない。
金子氏 (1)財務省の決裁文書14件の書き換えを知っていたか。
(2)誰が、いつ指示したのか。
佐川氏 (3)捜査を受けている身だ。
(4)刑事訴追を受ける恐れがあるので答弁を控えたい。
佐川は(1)についても答えているのだろうか。「知っていたか」という質問は、かなりあいまいである。
野党の質問者は質問をどう始めたのか知らないが、もっと具体的に質問すべきだと思う。
たとえば、こんなふうに
①改竄前の文書は見たことがあるのか。
②改竄後の文書は見たことがあるのか。
ここから「明確」にしないから、佐川を追及できない。
(1)(2)ともに「ない」と佐川が答えれば、佐川が改竄に関与していたことにならない。別の誰かが指示し、改竄させていたことになる。
また(1)を「ない」と答えたとするならば、以前の国会答弁は何に基づいていたのかということが問題になる。
(2)の質問に「ない」と答えたのなら、なぜ佐川が喚問されているのか、なぜ喚問に応じたのかということを問い詰めることができる。
(1)(2)とも「ある」と答えたとしたら、ここからさらに「具体的」に聴きはじめる。どの部分が改竄にあたると佐川が判断しているか、それを確かめる。
「特殊」という表現を削除したのは改竄かどうか。
「昭恵」の名前を削除したのは改竄かどうか。
「日本会議」の説明を削除したのは改竄かどうか。
文書が改竄されたことを、国民は知っている。どこが、どう改竄されたかも知っている。だから質問しなくてもいい、ということではない。このときの「知っている」は「国民」の認識であって、佐川自身の認識ではない。
佐川が改竄と認識しているということを、まず、明確にすべきなのだ。わかっていても、それを「ことば」として残すこと、明言させることが必要なのだ。
証人喚問の最初に、名前とか職業とかを聴くはずである。それはだれもがわかっている。わかっているけれど、それを本人に語らせる。それが基本。そうであるなら、今回起きたことも、佐川自身のことばで語らせる必要がある。
(3)についても、
④どこから捜査を受けているか、
⑤いつから捜査を受けているのか
これを佐川に語らせる必要がある。ほんとうに捜査を受けているかどうか、確認する必要がある。そうしないと、
(4)がほんとうかどうかわからない。捜査を受けていないのに、「刑事訴追の恐れがある」を口実に、証言を拒んでいるのかもしれない。
さらに「刑事訴追」を気にするということは、そのあとの「処分」を気にするということだろうから、
⑥「有印公文書偽造」の場合は、どういう「処分(刑、罰金)」があるのか知っているか、
⑦量刑などはいつから知ったか、
を問うことも大切だ。
(こういうことは、ふつうの国民は知らない。偽造する機会がないから、そういう法律があることも知らないひともいるだろう。)
なぜ聞くかといえば、佐川の「認識」を確かめるためである。「認識させるため」と言いなおした方がいいかもしれない。
質問しなくても、そんなことは「知っているはず」と思ってはいけない。「知っているはずのこと」を「ことば」にさせる。佐川自身に、強く「認識させる」必要がある。
佐川が何をしたのか、それを「認識させる」手間を惜しむと、どこまでも平気で「証言を拒否」できる。嘘をつける。
人間の「脳」は非常に「身勝手」にできている。自分の都合のいいことをつないで、「事実」と思い込む。
野党の追及をかわせたので、自分は「無実」であると思い込むに違いないのである。
「量刑」を知っているということは、
⑧自分のしていることが「犯罪」であると知っているということである。
また、それが「犯罪」であると「認識」しているということは、
⑨なぜそれが「犯罪」なのか、という理由を知っているということである。
佐川が「認識していること」を佐川に語らせる。
私が見るかぎりでは、佐川自身がこの問題を完全には「認識」していないのだ。
「認識していない」から、平気で言い逃れる。
「頭」のなかで「認識させる」だけではなく、その「認識」をことばとして引き出す。それが大事だ。
「ことば」はつないでいくと、「嘘」がある場合、どこかで破綻する。それを探し出すために、野党は連携しないといけない。
#安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位
*
「天皇の悲鳴」(1500円、送料込み)はオンデマンド出版です。
アマゾンや一般書店では購入できません。
https://www.seichoku.com/user_data/booksale.php?id=168072977
ページ右側の「製本のご注文はこちら」のボタンを押して、申し込んでください。
松井久子監督「不思議なクニの憲法」上映会。
2018年5月20日(日曜日)13時。
福岡市立中央市民センター
「不思議なクニの憲法2018」を見る会
入場料1000円(当日券なし)
問い合わせは
yachisyuso@gmail.com
憲法9条改正、これでいいのか 詩人が解明ー言葉の奥の危ない思想ー (これでいいのかシリーズ) | |
クリエーター情報なし | |
ポエムピース |