https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/301826
日刊ゲンダイに興味深い記事があった。
私が注目したのは、この部分。
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安倍元首相は25日、衆院議員会館で開かれた会合で「(ウクライナ侵攻は)台湾に対して中国がどのような対応をとるかを占う意味で日本にとっても深刻な事態だ」と指摘。
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安倍の視点は、ロシア、中国がどう対応するかという点からのものだが、これは逆に読むべきだろう。
アメリカの世界戦略(NATO、開かれた太平洋)がどう展開するか。
ロシアはいま世界中から批判されている。そしてアメリカがNATOへ軍隊を派遣し、ロシアが撤退するということになれば、アメリカは次に台湾との軍事関係を強化してくるだろう。
名目はもちろん「台湾の民主主義を守る」である。
安倍は台湾の民主主義などどうでもよく、ただ中国と戦争をしたいがために「台湾有事」を利用するだろう。
日本が「台湾有事」に参戦すれば、アメリカはわきに引いて中国と日本を戦わせ、日本に軍備を次々に買わせるだろう。
いまNATOのヨーロッパだ起きつつあることは、やはり、それだろう。
アメリカは、ベトナムでも、イラクでも、アフガンでも軍事支配に失敗した。
ウクライナでは、なるべくアメリカは参戦せず、ヨーロッパ諸国の参戦を促すだろう。
そこで成功(?)すれば、次は台湾である。
安倍の言っていることは、こう読み替えるべきである。
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ロシアのウクライナ侵攻に対するNATOの行動、その結果は、アメリカが台湾に対してどのような工作をし、中国を「有事」に誘い出すかを占う意味で重要である。国際世論を中国への批判に集中させる作戦が成功するかどうかを占うことにもなる。もし「台湾有事」が起きたとき、そのとき日本はどう行動するのか、NATOの行動が参考になるはずだ。ウクライナの状況は日本の将来を占う意味で、とても重要だ。
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いまのところ、ウクライナの状況は、アメリカの「作戦勝ち」である。
NATOの拡大路線(アメリカの世界戦略の一環)には何も触れず、プーチン批判に的を絞って、国際世論をリードしている。プーチンの資産凍結という作戦が、それを端的に物語っている。
アメリカは、ウクライナの国民が何人犠牲になろうが気にしていないだろう。ベトナムでの犠牲者が何人になったのか気にしないように。
ウクライナは、日本から遠い。だから、その「状況」を知っている日本人は少ないが、私の想像では、ウクライナはヨーロッパ諸国にとっては、日本における台湾のような位置を占めているだろう。
いつでも、ウクライナからロシアを攻撃できる。そして、そのとき戦うウクライナ人は、他のヨーロッパ諸国からみれば、よりロシアに近い。(ロシア語を話す国民が多数いる。)
「台湾有事」が発生したとき、まず犠牲になるのは台湾のひとであり、台湾のひとというのは日本人でもアメリカ人でもない。中国人だ。
アメリカや日本、そして他の国が「台湾有事」に参戦するとしても、そのとき一番犠牲になるのは台湾にいるひと(中国人)だ。
私はウクライナのことは何も知らないが、ウクライナをヨーロッパの「台湾」と位置づけると、いま起きていることの深刻な問題がわかる。
プーチンが敗北し、ウクライナがNATO に加盟すれば問題が解決するわけではないだろう。
台湾が中国から独立し、アメリカと台米国安保条約(日米安保条約のようなもの)を締結し、台湾が沖縄のようにアメリカのアジア最前線基地になれば、どうなるのか。
そのことを考えないといけない。
Obra Calo Carratalá
La obra de Calo Carratalá tiene un aire denso.
El aire de la obra sale silenciosamente y me envuela.
Entonces, empiezo a respirar el aire denso y a vivir nueva vida.
Y después de eso, creo que podría ser este árbol.
Detrás de este árbol, hay un bosque muy profundo.
No sólo detrás, sino delante, a ambos lados, hay innumerables árboles.
Todos exhalan el mismo aire denso. El aire exhalado por los árboles se mezcla, se extiende y crea una sensación de perspectiva.
Me gustaría convertirme en un árbol así.
Calo Carrataláの作品には、空気の濃密さがある。
そこにある木をつつむ空気が印象的だ。
それは作品から静かにあふれだしてきて、私をつつむ。
空気につつまれて、私はいっしょに生きている、呼吸している気持ちになる。
そして、そのあとで私はこの木かもしれないと思う。
この木になりたいと思う。
この木の背後には、深い深い森がある。
背後だけではない、前にも、左右にも、無数の木がある。
それが同じように、濃密な空気を吐き出している。木が吐き出した空気が、まじりあい、ひろがり、遠近感をつくっていく。
そんな木になりたいと思う。
ウクライナとロシア。
ウクライナの国民の命がどれだげ犠牲になるのか、ウクライナの政治体制がどうなっていくのか心配だが、それはロシアがウクライナを制圧するか、ウクライナがロシアを撃退し、自立を守るかというだけにとどまらない。
私はとても自己中心的な人間だから、どうしても自分の「位置」が気になる。日本がどうなるかが気になる。
ロシアがウクライナに侵攻した理由を私は明確に把握しているわけではないが、NATOの拡大路線と関係があると思う。ウクライナはロシアの影響下から自立するためにNATOに接近し、NATOもそれを受け入れようとした。これにロシアが反発した、というのが基本的な構造だと思う。
このNATO対非NATOは、ヨーロッパだけの問題か。日本にも非常に影響があるのではないか。NATOの背後にはアメリカがある。アメリカの世界戦略がある。
同じことが、アジアでも起きないか。いや、すでに起きているのではない。
アンチ・アメリカのアジアでの大国は、中国である。中国には台湾問題がある。台湾は中国にとってはウクライナに似た存在だろうと思う。いや、ウクライナ以上に、深い関係にあるだろう。だいたい国連でも「中国はひとつ」という認識である。台湾は中国の一地域である。日本政府もその立場であるはずだ。その台湾に中国が侵攻する恐れがあるとアメリカは言い募っている。台湾の軍とアメリカ軍が共同訓練をしたというニュースもあったと思う。台湾を守るために、アメリカ軍が台湾を支援する。これは、NATO(アメリカの世界戦略)がウクライナを支援するという関係とそっくりではないだろうか。
つまり。
アメリカ軍が台湾の軍隊と連携を強化するからこそ、中国はそれを阻止しようとして台湾ににらみをきかせているというのが、いまのアジアの現状ではないだろうか。また、この、中国一辺倒のアメリカの戦略に対して、「私の国もアジアの国である、アジアの安定に欠かすことのできない存在である(だから、援助しろ)」と自己主張しているのが北朝鮮ではないのか。
そして、このアメリカの台湾支援(?)は、台湾の人々を守るというよりも、台湾の経済態勢(資本主義)を守るということと関係していないか。国民の自由というけれど、本質は資本家が金儲けをできる自由を守るということだろう。金の力で人間を支配したいという欲望(鐘の力で人間を支配できるという世界観)が動いているのではないのか。武器をつかった軍事支配争い(戦争)と違い、金による支配(貧富格差の固定)は直接的には人のいのちを奪わない、自由を拘束しないようにみえるが、ほんとうにそうかどうかは考えてみないとわからない。
アメリカの世界戦略(資本主義による支配)とどう向き合うか、という問題を抜きにして、世界の平和のことを考えるのは、どうも危険なことではないのか。アメリカの世界戦略、アメリカの主張に世界が従うというのは、危険なことではないのか。アメリカ軍が世界を支配してしまえば、「軍事対立/戦争」は起きないかもしれない。しかし、そのとき人間の自由はどうなるのだろうか。アメリカ資本主義に支配されて、そのとき、私たちはほんとうに平等で自由でいられるのだろうか。資本家が世界の市民を支配する「軍事国家」になってしまうのではないのか。
こういうことに対して、私は何ができるか。何もできない。
ただ、NATOというよりも、アメリカの世界戦略には与したくない、と思う。
プーチンの政策は間違っている。しかし、プーチンだけが間違っているのではないと思う。プーチンに間違いを起こさせる動きもまた、間違っている。軍隊による安全確保という動きそのものが間違っている。プーチンを批判するとき、同時にNATOを拡大しようとするアメリカの姿勢も批判しない限り、この戦争に終わりはない。
もしプーチンのロシアがNATOに敗北するという結末でこの戦争が集結するなら、つづいて台湾で同じことが起きるだろう。いわゆる「台湾有事」が起きるだろう。日本はそのなかに、ウクライナ問題以上に巻き込まれていくだろう。そして、ある人々は、「巻き込まれる」だけではなく積極的に参入できるように日本国民を駆り立てるだろう。
そのための動きが、すでにはじまっていないか。
プーチン批判一辺倒の報道を見ていると、とても心配になる。
また今回のウクライナ、ロシア問題は、アメリカ軍のアフガン撤退ともどこかでつながっていないか。アメリカはアフガンを思いどおりに支配できなかった。アメリカの戦略に合致した政権を樹立できなかった。だから、他の国へ目を向けた。アメリカの戦略に合致した国を増やそうとした。アフガンのかわりに、ウクライナを。そういうことは考えられないか。アメリカは戦争なしでは生きていることを感じられない国なのだ。武器を売り、金儲けをし、金の力で世界を支配しようとしている。その動きをとめないかぎり、さまざまな衝突が起きるだろう。経済格差への怒りからテロを考えるひとは、さらに増えるだろう。