福岡発 コリアフリークなBlog

韓国や韓国語に関するオタクの雑学メモ。韓国映画はネタバレあり。 Since 2005/9.14

クジラの混獲

2007年09月12日 |   〇自然・動物

以前、日本海における韓国の違法捕鯨の実態を伝える記事を
紹介した。

今回は、その記事内容の一部修正と補足だ。

現在、韓国でも日本(平成13年7月~)でも、偶然、定置網などに
引っかかって死んだクジラを引き揚げ処理すること(混獲)は
合法的な行為なのだそうだ。

つまり、韓国や日本では、「混獲」されたクジラの肉が、一定の
検査や手続きを経て合法的なルートを通じ市場に流れている
ということだ。

ちなみに「混獲」は、韓国語でも同じ漢字語を使い「혼획(混獲)」と
表現されている。

約3ヶ月前の記事になるが、「混獲」関連の記事を一つ翻訳練習して
みた。

・・・・・・・・・

■ [강원]장호항 동방 9마일 해상 밍크고래 혼획
[江原] チャンホ港東方沖約14km海上でミンククジラ混獲
(デイリアン 6月12日)



11일 오전 9시 10분께 삼척시 장호 동방 9마일 해상에서
길이 약 5m, 무게 800kg가량의 밍크고래가 혼획 됐다.
11日、午前9時10分ごろサムチョク市チャンホ東方沖約14kmの
日本海海上で全長約5m、重さ約800kgのミンククジラが
混獲された。

동해해양경찰서 임원파출소(소장 정래민)는 "갈남 선적
재덕호(5.64톤, 통발, 승선원 1명) 선장 이 모씨(원덕읍,
55세)는 11일 오전 4시께 조업을 위해 장호항을 출항해
5께 장호 동방 9마일 해상에 도착, 지난 6월 5일에 설치한
통발 어구 양망 중 밍크고래 한 마리가 죽어있는 것을
발견, 인양해 임원파출소에 신고했다"고 밝혔다.
東海海洋警察署イムウォン派出所(ジョン・レミン所長)によると、
サムチョク市カルナム船籍のジェドク号(5.64トン、かご網漁船、
乗組員1名)のイ某船長(ウォンドク邑、55)は、11日午前4時ごろ
チャンホ号で出漁し5時ごろチャンホ東方沖約14kmの海上に到着、
去る6月5日に設置したかご網に引っかかって死んでいたミンク
クジラ1頭を発見し引き揚げ、海洋警察庁に届け出た。

혼획한 밍크고래는 죽은지 약 5~6일 정도 지난 것으로
보이며, 길이 약 5m, 둘레 3.2m, 무게 약 800kg 정도로 옆
지느러미 부분이 그물에 긁힌 흔적과 전체적으로 박피현상이
보이며, 기타 창살류 등 고의로 포획한 흔적은 발견치 못했다.
混獲されたミンククジラは全長約5m、胴回り約3.2m、重さ約
800kg程の大きさで、死後約5~6日が経過しているものと
見られている。体のひれの部分には魚網による引っかき傷があり、
全体的に剥皮現象が見られるものの、モリ等によって捕獲された
痕跡は発見されなかった。

동해애양경찰서는 "혼획한 고래는 장호항 어판장 어선계류장에
보존하고 있으며, 관할 검사의 사건 지휘 아래 동해해경,
동해시청 해양수산과 고래 혼획 담당자 등에 의해 적법 절차에
의해 처리될 계획"이라고 밝혔다.
東海海洋警察署は「混獲されたクジラは、現在、チャンホ港漁船
係留場近くの魚市場に保存中で、管轄検事の指揮の下、東海
海洋警察や東海市役所海洋水産課のクジラ混獲担当者などの
手により、法律に定められた手続きを踏みながら処理されることに
なる」と語った。

(終わり)




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嘘がはびこる社会

2007年09月12日 |  〇文化・歴史

アメリカの首都ワシントンに、黒人学生を対象としたエリート大学が
あるという。アメリカではかなり有名な総合大学らしいが、「ヲタク」は
今まで全く知らなかった。

ハワード大学と言うそうだ。

今日、そのハワード大学で経済学を教えている在米韓国人教授が、
韓国経済新聞に寄せたちょっと長めの寄稿文を読んだ。

題名を直訳すれば、「うそ病を直さなければならない」。

最近、韓国社会を騒がせている学歴詐称問題を主なテーマにした
かなり手厳しい内容の評論記事だ。

全文を翻訳練習してみた。なお、例によって紙面の都合により
原文の引用は省いた。

・・・・・・・・・・・・・

■ [時論] 嘘がはびこる社会
(韓国経済新聞 9月11日)

カク・スンヨン<米ハワード大学教授・経済学>

ニセ博士号問題から始まったシン・ジョンア事件が、ビョン・ヤン
ギュン前大統領府政策室室長と彼女の「深い関係」が確認される
に及び、様々な方面に飛び火しはじめた。

ハンナラ党を中心とする野党勢力は、この事件を「シン・ジョンア
ゲート」と規定し、他の関連疑惑を提起するなど、連日、政治攻勢に
余念がない。

新聞やテレビなどでも再び大々的に報じ始めたこの事件の
出発点は、改めて確認するまでもなく学歴偽造だった。

韓国の学歴偽造の風土は、学会、芸術界はもとより各界各層に
広がっており、過去5年間にアメリカの大学で博士号を取得した
4199人中、6.6%にあたる276人がいわゆる非認可大学で
博士号を取得したことが明らかになった。

ヨーロッパや日本、中国などの大学や国内大学での博士号偽造
まで含めると、博士号偽造の実態は我々の想像をはるかに超える
規模に及んでいる可能性がある。

9月4日、アメリカのワシントンポスト紙は、大学の学位を重視し
履歴を誇張する韓国の悪しき習慣について詳しく報道した。

同紙は、全国最大規模の信者を抱える能仁禅院(ソウル)の智光
法師が学歴をソウル大学と詐称していた事件を紹介しながら、
プロテスタント系教会の牧師の中でも学歴詐称がはびこっている
ことが十分に考えられると報じた。

以前、ファン・ウソク教授によるES細胞研究が全くの虚偽であった
ことが世界的に知れ渡った事件があった。

このように嘘がはびこる韓国社会の風土が相次いで明らかに
されることで、韓国の国家イメージが大きく失墜するのは避けられ
ないことだ。

さらに驚くべきことは、学位を偽造したり捏造した者がその学位を
元に大学や会社にもぐり込み、正当な学位取得者と肩を並べて
堂々と社会生活を送っているという点だ。

取得してもいない学位を本当に取得したかのように嘘をつき、
周囲をだますことに成功している者が多数、存在していると
いうことだ。

これでは、韓国にはあまりに多くの嘘が蔓延しており、「本物」と
「偽物」を見分ける能力すら喪失していると見られても仕方がない。

嘘は自分自身に対する真のプライドがなく、自らを欺瞞する
病いのような行為だ。

嘘つきとは「知らないことを知ったふりをして語る」人々だ。さらには
法に背いて貯めこんだ財産が自分の能力を証明するものででも
あるかのように誇示することもいとわない人々だ。

嘘つきは他人をだましながら、他人が真実と虚偽を区別する
能力がないと考えるようになる。

自分自身と他人を尊敬できないことが、嘘をはびこらせ、社会を
病ませる根源的な問題なのだ。

韓国人の中には韓国の1人当たりの国内総生産(GDP)の大きさを
自慢しながら、多少の嘘くらい大した問題ではないと考えている
人が多いようだ。

しかし、正直さや自他尊重の精神が基盤にない社会では、悪貨が
良貨を駆逐する法則が社会を支配してしまい、社会の腐敗を
防ぎとめることができなくなってしまうのだ。

社会の腐敗が経済発展の障害になることは、すでに立証された
事実だ。

さらに経済発展の結果生じた富が社会構成員それぞれの努力に
応じて公正に分配されない社会では、社会構成員間の葛藤が
いやが上にも高まってしまう。

嘘は、常に不必要で高価な代償を伴う社会問題を引き起こし、
個々人を幸せにすることは決してない。

我々は、嘘がはびこるこの韓国社会を何としてでも変える努力を
しなければならない。

司法当局は、学位詐称者が法に背いた事実が確認されれば、
必ずや応分の処罰を加えなければならない。

また、各家庭でも子どもに人間らしい行動を身に付けさせる
しつけ教育を始めなければならない。小学校でも道徳教育を
導入し、子どもたちに正直に生きることの大切さを教えなければ
ならない。

現在、大学や各種国立研究所に勤務する博士号取得者に対する
調査を実施し全国的な公開データベースを作成したり、新規に
博士号所有者を採用する際に学位や経歴をデータベース化する
制度の導入も薦めたい。

民間の研究所や諸機関でも、自発的に学位所有者の学位を
調査確認することが望ましいことは言うまでもない。

嘘がはびこる社会を変える過程では、様々な不都合や摩擦が生じ、
経済の効率性が削がれるように見えることもあるだろう。

実際、経済発展のスピードが一時的に弱まるおそれもある。

しかし、その努力により韓国社会から多くの嘘を取り除くことが
できれば、経済は必ずや健全な方向に発展する。

嘘を取り除く努力を通じて、はじめてお互いが信頼し尊重しあい
ながら人間らしく暮らして行く「先進社会」を作り出すことが
可能になるのだ。


(終わり)


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ジョリとスグンポ

2007年09月12日 |  〇語彙と表現

現代の韓国語の中には、数的にはそう多くはないとしても、
日本語を母語とする者が聞いて、すぐにそれとわかる日本語
由来の単語が存在している。

「ウドン」や「オデン」などはその最たる例だろう。

その一方で、本来の日本語の用法とはちょっとずれた韓国式
日本語とでも呼ぶべき言葉や、発音が微妙にずれて定着した
日本語由来の言葉が使われていたりもする。

「アダラシ(新しい=新品、新入り、処女)」や「ムデポ(無鉄砲)」
などがそうした例だ。

さらには「オチャンムル(お茶+ムル<水>)」などのような日韓の
合成語まで存在する。

ただ、一部を除いては、そうした言葉のほとんどは俗語の部類に
属する言葉であり、いわゆる教養のある韓国人が眉を顰めてしまう
ような類の韓国語表現だと見ていい。

今日の釜山日報の記者コラムに、「ジョリ」や「スグンポ」といった
日本語由来とおぼしき単語が登場していた。

これらの言葉は、日本人が聞いてもすぐにはそれと理解できない
程度に日本語からずれた発音で韓国人の中に定着し、今でも
一部で使われ続けている日本語由来の俗語だ。

興味深く読ませてもらったコラムの全文を翻訳練習してみた。

・・・・・・・・・・・・・・

■ [이진원 기자의 바른말 광] 모르고 쓰는 일본말들
[イ・ジンウォン記者の直言倉庫] 知らずに使っている日本語
(釜山日報 9月11日)

'아는 게 힘'이라면 모르는 건 '무력함'이다. 요즘은
얼굴 예쁜 것이나 몸매 멋있는 것도 다 권력이지만,
말과 글을 많이 아는 것은 오래된 옛날부터 권력이었다.
知識が「力」ならば無知は「無力」だと言えよう。最近では美しい
容姿や魅力的な体形も「権力」になっているが、語彙や文句を
たくさん知っていることは、遠い昔から一つの「権力」であった。

하지만 권력을 유지하는 길은 쉽지 않다. 잘하다가도
말 한마디로 추락하기 십상이다. 허방에 빠뜨리는 말
가운데 가장 많은 게 일본에서 온 말이다. 점잖은 분
입에서 '오차(→차)'나 '요지(→이쑤시개)' 같은 말이
나오면 분위기는 걷잡을 수 없어진다. 이런 말은 쓰는
사람은 몰라도 듣는 사람은 대개 일본말인 줄 안다.
しかし、どんな権力でも維持するのは難しい。うまく行っていても
言葉一つのミスで転落してしまうことが多い。韓国人の言葉の
ミスの中で最も多いのが日本語由来の言葉をつい使ってしまう
ことにある。上品な人の口から「オチャ」(お茶)や「ヨジ」(つま
よう枝)などの言葉が飛び出せば、せっかくの雰囲気もたちまち
台無しだ。こうした言葉は使っている側が知らなくても聞く側の
多くは日本語であることを知っているので注意するに越したことは
ない。

그런데 우리말 속에는 쓰는 사람이나 듣는 사람이나
잘 모르는 일본말도 많다. 정용주의 산문집 <나는
숲속의 게으름뱅이>에 나오는 구절이다.
しかし、韓国語の中には使う側も聞く側も、それとは知らずに使って
いるような日本語も多い。次に紹介するのはジョン・ヨンジュの
散文集「私は森の怠けもの」に出てくる一節だ。

'방문을 열고 툇마루로 나가니 벌써 떠오른 해가 조리에서
쏟아지는 물처럼 여름 숲의 초록 이파리들마다 빛 가루를
뿌리고 있다.'
「部屋の戸を開け縁側に出てみると、すでに朝日は昇っていた。
朝の太陽は、まるでジョリ(※じょうろ)からそそがれる水のように
夏の森の緑の葉々に光の粉を降りそそいでいた。」

여기 나온 '조리'는 일본말에서 왔다. 일본에서는 '죠로
(じょろ)'로 쓴다. 우리말로는…'물뿌리개'다. 이걸 '물조리'
로도 쓰는데, 이 한·일 합체어 역시 버려야 할 말이다. 다른
'조리'도 있다. 어느 신문 기사를 보자.
ここに出てきた「ジョリ」は日本語由来の言葉だ。日本語では
「ジョロ」と呼んでいる。正しい韓国語では「ムルプリゲ」(水撒き)だ。
これは「ムル(水)ジョリ」とも呼ばれているが、こうした韓日合成語も、
やはりなくさなければならない言葉だ。ところで、この「ジョリ」には
別の意味もある。次に、ある新聞記事を見てみよう。

'여름 샌들이 화려하게 변신하고 있다. 아찔한 하이힐이나
조리같이 굽이 거의 없는 플랫 샌들이 동시에 유행하며
발과 눈을 즐겁게 하고 있는 것.'
「夏のサンダルが華麗な変身を遂げている。歩くのに冷や冷やする
ほどかかとの高いハイヒールや、ジョリ(※ぞうり)のようにかかとが
ほとんどないフラットサンダルが同時に流行し、人々の足と目を
楽しませてくれている。」

이 '조리(ぞうり)'는 일본 나막신 '게다'처럼 생긴 신발인데
엄지발가락과 검지발가락 사이에 끈이 들어가게 돼 있다.
영화 <게이샤의 추억>을 보면 게이샤들이 이 신발을 신고
종종걸음을 치거나 춤추는 모습이 나온다. 순화어는 '샌들'.
この「ジョリ」(ぞうり)は日本の「ゲタ」のように足の指で紐を挟み
込む形になっている履物だ。映画「SAYURI」(Memoirs of a Geisha)
にも、芸者たちがこの履物を履いて小走りに歩いたり踊ったりする
姿が登場する。正しい韓国語では「サンダル」だ。

사진도 찍고 글도 쓰는 이지누씨가 한 라디오 프로에서
이랬다.
写真も撮り文章も書くイ・ジヌさんが、あるラジオ番組で次のような
発言をした。

"…'삽' 같은 것도 경상도에서는 '수금포'라고 그러죠.
저는 그런 것들이 귀하게 생각됐어요.…영어나 다른 나라
말은 끝없이 배우려고 하지만 우리말은 그렇지 않거든요.
저는 그런 게 좀 안타까웠어요."
「『サップ』(※スコップ)のような単語も慶尚道では『スグンポ』と
呼んでます。僕はそういう言葉がとても貴重なものに思えました。
英語や他の外国語を一生懸命勉強する人は多いけれども、
韓国語についてはそうではないですよね。僕はそういうところが
ちょっと残念ですね。」

여기 나온 '수금포'도 일본어에서 온 것으로 추측하는
말이다. 일본에서는 삽이나 모종삽을 'スコップ(스콧프)'
라고 부른다.(영어 'scoop'에서 온 것이라는 이야기도
있다.) 어쨌거나 '수금포, 수군포, 수굼퍼'는 일본어에서
온 경상도 사투리이니 귀하게 생각할 것까지는….
ここに登場した「スグンポ」も日本語由来の単語だと推測できる。
日本語では「サップ」を「スコップ」(英語の『scoop』に由来するとの
説もある)と呼んでいる(※1,2)。「スグンポ」や「スグンパー」などの
言葉は、日本語の「スコップ」に由来する慶尚道方言なので、何も
有難がるほどの言葉ではないのだ。

(※1)原文では、日本語では移植ゴテも「スコップ」と呼ぶとあるが、
翻訳ではその部分は省いている。
(※2)日本語「スコップ」の語源はオランダ語の「SCHOP」


(終わり)



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