惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

匂いの世界

2013-04-13 20:32:57 | 日記・エッセイ・コラム
 晴れたわりに今日も気温はあまり上がらず。最高気温15.5℃(隣町アメダス)。
 予報では寒い春も今日まで。明日からは暖かくなるらしい。楽しみです。

 昨日の話のつづき――というか脱線なのですが、ピダハンは確か、色の名前をもっていませんでした。
 しかし、アリエカ人の言葉には色の名があります。作中で「赤い」とか言い合っているところが出てくる。

 ピダハンが色を表現する時には「葉っぱの色」とか「血の色」とか言うようです(「色」という概念は、当然、あるのです)。
 具体的なものに喩えて色を表現するのは不便なように思えますが、私たち日本人にとっては「匂い」がそのようなものなので、ピダハンは色も匂いと同様に表現するのだと考えればいいのではないでしょうか。

 匂いを日本語で表現する際、「甘い」とか「爽やかな」とか「きつい」とか「刺すような」とか「不快な」とかいった分類はありますが、それだけではどのような匂いなのか、はっきりとはわかりません。
 「カレーの匂い」とか「シナモンの匂い」とか「コリアンダーの匂い」とか「バラの匂い」とか「どぶ川の匂い」とか「ゴムの焼ける匂い」とか「履きふるした靴下の匂い」とかいう必要があります。
 これは匂いの種類があまりにも多く、簡単に分類できるようなものではないからなのでしょう。

 一説によれば、ヒトは1万種類の匂いを嗅ぎ分けるそうで、数種しかない味覚や、直線的なスペクトルの並びになる色彩とは桁違いの広がりをもっています。
 この豊かな匂いの世界を、なんとかして言葉で言い尽くすことはできないものか。時々、そんなことを考えたりもします。


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