新型コロナウイルス感染症に関して、また勉強しなくてはなりませんでした。漠然とわかっているつもりになっていた免疫の仕組みを、もう少し詳しく知る必要があるニュースに触れたから。
時事通信の「抗体陽性者、全員に免疫機能 新型コロナで国内初確認――厚労省」。
厚生労働省が先月、宮城、東京、大阪でおこなった抗体検査の結果を詳しく調べたところ、抗体が確認された8人全員から、新型コロナウイルスへの中和抗体が検出されたというのです。
単なる「抗体」ではなく、「中和抗体」。どこがどう違うのか?
中外製薬の抗体についての説明ページによると、抗体には次の4つの働きがあるそうです。
- 異物(抗原)の中和作用
- オプソニン化
- 細胞溶解
- 炎症の誘発
「オプソニン化」がすぐにはわかりませんが、オプソニンとは「食菌促進物質」のこと。細菌にとりついて「美味しく」し、好中球やマクロファージが食べやすくすることだそうです。
で、今回の問題は最初に挙げられた作用。異物(抗原)の中和作用をする抗原が出来ているということですね。
コロナウイルスは全体から突き出たスパイクの先端が肺細胞などのACE2受容体にとりついて、細胞に侵入しますが、中和抗体はスパイクの先端に蓋をし、受容体にくっつくのをさまたげるのです。で、感染ができなくなる。
この抗体をもっていれば、次に新型コロナウイルスにさらされても、病気にならずにすむのですね。
ところが、フランス発で次のようなニュースも。
「新型コロナ、数か月以内に免疫消失か」(AFP)。
ここには「調査開始の3か月後には、COVID-19中和抗体が高レベルで持続している患者は、全体の16.7%にとどまり、血流の中に検出可能な抗体が存在しない患者も数人確認できた」とあります。
中和抗体の存続期間はどれくらいなのか。気になります。
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