惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

『大陸横断超特急』

2009-06-17 20:56:17 | 映画
 虫明亜呂無『女の足指と電話機――回想の女優たち』(高碕俊夫編、清流出版)を読んでいて、「うわぁっ」と声をあげてしまいました。
 それは「大人向け娯楽映画の真骨頂『大陸横断超特急』」という文章を目にした時のこと。

 この時の気分を何といえばいいでしょうか。懐かしい昔に不意打ちを喰らった驚きと、喜び。「そうだ! この映画があったんだ」と、気持ちのどこかに力こぶが盛り上がるのを感じました。
 その次に思ったのは、あんなに入れ込んでいた映画を、どうして今の今まですっかり忘れていられたのだろう? ということ。

 1970年代。映画をずいぶんと観た中でも屈指のお気に入りといってもよかったと思います。それなのに記憶の底の底に埋もれて思い出すことがなかったのは、観たのが20代も後半になってからだったせいでしょうか。それと同時に、この映画の評判を目にすることがずっとなかったせいもあるかもしれません。

 ああ、無性にまた観たくなってきたぞ。時間が出来たら借りてこよう!


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5 コメント

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 おーっ、『大陸横断超特急』ですか。 (幸重善爾)
2009-06-18 02:07:22
 おーっ、『大陸横断超特急』ですか。

 ぼくはこの作品、さほど面白いとは思わなかったのですが、世間には好きな方が多いですね。allcinema オンラインでは、三十年前のこの映画に十七人もコメントを寄せています。

(ただし、ぼくがこの作品を観たのはまだ中学生の頃でしたから、今見直したら面白く思うかもしれません)

 主演コンビのジーン・ワイルダーとリチャード・プライヤーは、この後、『スター・クレイジー』『見ざる言わざる目撃者』といった作品でも組んでますから、この作品での仕事に満足していたのでしょうね。

 SFファンとしては、「プリズナーNo.6」の故パトリック・マグーハンが悪役を演じていたのが印象的でした。

 この映画の脚本を書いたコリン・ヒギンズは、誰もが好きな『ハロルドとモード/少年は虹を渡る』の脚本家ですし、後年、ヒッチコック風巻き込まれ型スリラーの佳作『ファール・プレイ』を監督して、注目されてましたね。

 以上、懐かしくなって長々と書きました。悪しからず。

 でも、レンタル屋にこんな作品、置いてますかねぇ?
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 そういう映画がある事自体、知りませんでした。... (スターシップ)
2009-06-18 14:06:30
 そういう映画がある事自体、知りませんでした。自分の中では超特急と言えば、手塚治虫さんの「マリン・エクスプレス」というアニメがお気に入りです。
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>幸重さま (森下一仁)
2009-06-18 20:17:58
>幸重さま

大好きだったんですよ~。ひねくれた面白さと、突き抜けた感覚がたまりませんでした。
でも、印象は強いのに、内容はほとんど覚えていません。ビデオで見たら、初回同様に楽しめるんじゃないかな。

>スターシップさま

たぶん今では知る人ぞ知る……といった映画なんでしょうね。
機会があったら観てやってください。もしかすると、もの凄く気に入るかもしれません。
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森下一仁さま (高崎俊夫)
2009-07-25 13:16:56
森下一仁さま

虫明さんの本をチェックしていたら、このブログが見つかりました。『女の足指と電話機――回想の女優たち』は、映画批評家、カルチャー・エッセイストとしての虫明さんの魅力をつたえるべく、エッセイを厳選しましたが、とくにスポニチのコラム「うぇんずでい・らぶ」は、すばらしいものでした。
『大陸横断超特急』についてのエッセイは、私も大好きな映画だったので、入れましたが、ちょうど、最近DVD化されたこともよかったと思います。
ここで朗報です。実は、『女の足指と電話機』が、書評などで好評なために増刷になり、さらに、同じ版元から、もう一冊、私の責任編集で虫明さんのエッセイ集を出すことになりました。
「うえんずでい、らぶ」以外にも、「みんおん」や競馬ニホンのコラム、さらに、長めの女優論、『野獣のように見えて』の映画評、文学エッセイ、自伝的回想など、すべて、単行本未収録のものばかりです。内容的には、『女の足指と電話機』と遜色ない、あるいは、もしかしたら、もっと密度が高い本になるかと思います。
ご期待ください。
では、また。

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>高崎俊夫さま (森下一仁)
2009-07-25 20:13:34
>高崎俊夫さま

コメントありがとうございます。感激です!

虫明さんの晩年のことを石川喬司さんからもれ伺ったことがあり、「あんなに素晴らしい人がなぜ……」と思ったりもしたものです。
でも、今、またこうして虫明さんの文章が読めるようになり、こんなに嬉しいことはありません。
次のエッセイ集、とても楽しみにしております。
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