ニューヨーク・タイムズにU.S. inches toward goal of energy independenceという記事が出ていた。ニクソン大統領の頃から外国のエネルギー源への依存の高さが問題だった米国だが、需給両面の改善から、エネルギーの自給率が高まっている。
2005年には60%のエネルギーを輸入していたが、2011年には輸入の割合は45%に減少した。供給面では過去20年にわたるエネルギー生産減のトレンドは、原油高と新技術の採用から増産に転じている。2008年には1日当りの産油量は4.95百万バレルだったが、近時は5.7百万バレルまで増加し、エネルギー省は2020年までに7百万バレルに達すると予想している。テキサス州パーミアン盆地の油井では、一日当り百万バレル近く産油しているが、これは2年前に比べ17%増加だ。
また何人かの専門家は最終的にはサウジアラビアに匹敵する10百万バレルに達するとまで予想する。
一方リセッション以降ガソリン等液体燃料の消費は、エネルギー省によると約9%減少している。消費者は車の走行を減らし、かつ燃費の良い車に買い替えを進めているからだ。
外交問題の専門家は「多くの国家安全保証に係る政治家は、米国が海外の原油依存度を減らすとフレキシビリティが高まり、世界を今までと違って考えることは間違いない」と述べている。
無論石油の増産は環境問題等を引き起こすので、一直線にアメリカが自給自足に到達するとは考えにくい。しかし状況はオバマが大統領に就任した時とは大きく変わっている。オバマ大統領は、連邦領の土地と水面について掘削活動を認め、気候変動問題にあまり重きを置かなくなっている。
大統領選挙を前にして、ガソリン価格の上昇に歯止めをかけることができるかどうか?にオバマ再選がかかるとすれば、彼が原油生産拡大に力を入れるのは当然だろう。