金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

賞状を貰う人と作る人~非営利活動を支える人の輪

2016年10月28日 | うんちく・小ネタ

私たちの学会(日本相続学会)も本格的な活動を始めて4年目に入った。今年は11月の研究大会で初めて「学会賞」を授与するところまで漕ぎつけた。石の上にも3年というが、地味な活動が実を結んできた。

学会賞を貰うのは、学会誌に優れた論文を投稿して頂いた大学教授と沢山著書をお書きの税務の泰斗と呼ばれる方だ。

しかし小なりといえども一つの組織が誰かを表彰するにはプロセスというものがある。つまり「学会賞」という枠組みを企画する人や候補者を推薦する人、論文や著書を査読する人、その意見を集約する人、そして最後に賞状を作る人である。

私はこのプロセスの中で「賞状を作る」役割を担当した。もっとも「賞状を作る」といっても、用紙を買ってきて手書きする訳でも自分で印刷する訳でもない。スペックや文案を決めた後は、ネットで印刷してくれる業者に発注し、原稿を校正した後、最終的に印刷を依頼し、成果物を宅配便で受け取るだけの事務的な仕事である。論文を書くことは言うに及ばず、査読などに較べても、あまり頭を使わなくても済む仕事である。

とはいえ学会活動のような緩やか人のつながりでものを進めていく組織では地道な事務処理を淡々と担う人も必要なのだろうと私は考えている。

だけど学者や事務方が揃っただけでは、モノゴトは動いていかない。モノゴトを進めていくには、リーダーが必要である。私たちの学会がそれなりに歩んできたのは、会長のIさんという人がいたからだ。リーダーにはいくつかの資質が求められるが、緩やかな人のつながりでモノゴトを進めていく組織では、「情熱」と「相談力」が決め手になると私は思う。

これは強力な人のつながりでモノゴトを進めていく会社とは違うところだろう。むろん会社でも人を引っ張て行くには情熱は重要だが、時には情熱の乏しい上司が強権的に部下を引っ張ることも可能だ(長続きはしないが)。会社でも「報連相」という言葉があるように、「相談」は重要だ。しかし「報連相」は下から上への流れである。相談に来ない部下に対して、上司が事前になぜ相談しないのだと叱るこをはあっても、逆はあまりないだろう。

だが我々の学会のように皆が対等の立場で参加している緩やかな組織体では、単独で決めても良さそうなことを細目に相談してく相談力が大事なのだ。

Iさんは「情熱」と「相談力」に富んだ人で我々の学会のような緩やかな組織には相応しいリーダーだとと私は考えている。

★   ★    ★

話を賞状の印刷に戻すと、今回はアーツビジネス印刷センターhttp://arts-business.jp/ というところに依頼している。賞状印刷は初めてだが、関連会社に封筒印刷は数回発注して質・納期・価格の面で納得している先である。また注文はネットから行うが、電話で相談することもあるので、電話の繋がり具合や応対も大事だが合格点のレベルにあると私は思う。

ちなみに賞状印刷・額縁・賞状筒セットで一人分6千円弱(消費税込み)だった。諸経費の中で高かったのが、賞状への角印の印刷で1枚1,200円(当方から陰影ファイルを送る場合)。

自分で賞状に押印しても良いのだが、印がずれたり、かすれると賞状が台無しになる可能性がある。多少お金はかかるが、業者に印刷を依頼した方が無難だと判断した。それにしても便利な世の中になったものだ。パソコンを叩いてるだけで毛筆そっくりの賞状ができるのだから。

非営利活動は組織の中だけでなく、外部の色々な人によっても支えられていると改めて感じた次第だ。

 

 

 

 

 

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長旅のお供はKindleが最適

2016年10月28日 | 旅行

明日から10日間ほどネパール旅行です。ネパールには直行便がなく、シンガポールでトランジットの待ち時間が4時間あるので結構長旅です。

ネパールでトレッキング中もロッジに着いた後、夕食まで手持無沙汰になることがあります。こんな長旅で役に立つのがKindleです。アマゾンの電子本はKindle以外の端末(スマートフォンやタブレットなど)で読むことができます。私は自宅ではSurfaceを使って読むことが多いのですが、長旅にはKindle(newモデル)を持っていきます。この端末は現在8,980円で売っていますが、私は半年前にキャンペーンを利用して半額ほどで買いました。

白黒画面であまり反応速度が速くない端末ですが、長所は軽くて、電池が長持ちする点です。電力事情が良くないネパールの山の中では、電池が長持ちするというのは、大きなメリットです。

この端末にKindle Unlimitedという定額(月980円)読み放題サービスを利用して、数冊本をダウンロードしました。Wifiを使うとどこからでもダウンロードできるのですが、本を探す手間などを考えると事前にダウンロードしておく方が良いと思います。

Kindle Unlimitedの欠点は日本語の本が充実していないことです。つまり読みたい本が読み放題で読める訳ではありません。ただし幾つかの雑誌は無料で読むことができる(最新版を読める雑誌は限られているようです)ので、「山と渓谷」など最新性に拘らなくてもよい雑誌を読む人には、月額980円は損な出費ではないと思います。

日本語の本は充実していませんが、英語の本はかなり充実していると思います。今回も旅行ガイドを含めて2冊英語の本をダウンロードしました。

ただしこちらは飛行機の中の睡眠導入剤で終わりそうですが(笑)。

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忙中閑あり、民藝館と東大内のレストランでランチ

2016年10月26日 | まち歩き

今の私程度の忙しさで忙しいなどというと本当に忙しい人からは「何を言っているのか」とお叱りを受けそうですが、ネパール旅行や某学界の研究大会を前にして気忙しいことは事実です。

そんなところに期間限定の日本民藝館の無料入場券が新聞販売店から送られてきたので、出かけてみました。

これは井の頭線駒場東大前駅にある日本民藝館が11月23日までの期間限定で開催している「柳宗悦・蒐集の軌跡」(入場料1,100円)を見ることができる無料招待券です。

天気も良いのでワイフと出かけました。民藝はよくわかりませんが、ゆったりとした館内で日本各地や海外(アメリカの原住民など)が作った民藝品を見ていると少し昔の人は実にその日その日を大切にして、日々の暮らしを美しくするために心を砕いてきたことが分かります。

この日本民藝館には初めて行きましたが、館の外側では写生にいそしんでいるシニアの方が沢山いらっしゃいました。

見学の後は東大の中のルヴェ・ソン・ヴェールというレストランでランチ。A(お肉)とB(お魚)のコースがあり、どちらも800円です。食後のコーヒーをつけて1,000円ちょうど。私はお魚を選択しました。シイラのバター焼きが美味でした。

ボリュームは若い方には物足りないと思いますが、我々シニア世代には十分だと思います。

駒場東大前の日本民藝館、日本近代文学館や駒場野公園とこのレストランを組み合わせた半日程度の散策は手ごろな散策コースだと思いました。

忙しいとか暇だというのは何を残し、何を捨てるかで決まるのでしょうね。タダのものがあるから行く、という姿勢では余裕は生まれないのでしょう。とはいうものの中々見ごたえのある民藝館を無料で見学できたのですから、悩ましい問題ですね。

 

 

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平均では分からない今の米国株相場

2016年10月25日 | 投資

CNBCにDon't let the falt market fool youという記事が出ていた。

「単調で平坦な相場に騙されるな」という意味だろう。

記事によると、過去3か月ほどの間株式市場は変化はほとんどない。この間原油は12%上昇し、ドル指数は2.5%上昇、10年物国債利回りは25%上昇している。これは連銀の政策金利引き上げを予想しての動きだが、米国株式市場を代表する指数S&P500についてはほとんどフラットだ。

ただしセクター別の動きを見るとテクノロジー関係が7%上昇し、ユーティリティ(公益事業関連)は8%下落している。これは投資家が債券的な高配当銘柄を敬遠し、リスクは高いが成長性の見込めるハイテク銘柄を選好していることの表れだ。

Google Finaceのチャートを使って、S&P500とアマゾン株を比較したのが下のグラフだ。

過去6か月で見ると市場平均のS&P500のパフォーマンスは2.5%でアマゾンのそれは17.1%だ。3か月ではS&P500は-1.09%でアマゾンは12.5%だ。

ハイテク銘柄は話題にことかかない。今日日本ではSuicaでアップrペイが使えるようになったが、利用者急増で一時モバイルSuicaが利用できない状態が発生したというニュースが流れていた。

スマートフォンなどのディバスを使った資金決済では、ハイテク大手企業とカード会社が知恵を出し合って、新しい商機を狙っている。グーグルとビザ、マスターカードは、来年からパスワードやPINに変わる指紋認証を本人確認手段として本格的に導入すると発表している。

一般にユーザーは一度設定したパスワードを変更しないので、時間が経つと安全性が低下する。また変更した場合などユーザーが忘れてしまうことがある。忘れてしまうと再設定の手間がかかるので、ユーザーはネットショッピングの途中で買い物を止めてしまうから、小売業の売上低下につながるという。

そこでグーグルやビザ、マスターカードが指紋認証の導入に本格的に動き出した訳だ。

ところでPINというのは、4桁の数字だけの暗証番号なので、数字とアルファベットを組み合わせて桁数の大きいパスワードより安全性が低いと思われがちだが、マイクロソフト等によると「パスワードはサーバー側が認証する仕組みなので、誰かに盗まれると他人のデバイスから簡単に入り込むことができるが、PINは個別のデバイスが認証する仕組みなので、デバイスが盗まれない限り、PINの方が安全」ということだ。

インターネット取引で「忘れる」というと、日本のスーパーなどでインターネット取引を始めると「お仕着せのユーザーID」を与えられることがあるがとても覚えられるものではない。

アマゾンなど米国系の会社は押しなべてメールアドレスをユーザーIDにしているので、忘れることはないが、お仕着せのユーザーIDは書き留めた記録を探すのが面倒なので、買い物の足(いや手というべきか)が遠のいてしまう。

日本の会社ももう少しユーザーフレンドリーなID設定を考えるべきだと思うが如何なものだろうか?

話が逸れてしまったが、ITやITを使った資金決済にはまだまだ改良を加えて顧客の囲い込みを図る余地があるということは実感する。株式市場はそのような伸びしろを期待しているのだろう。

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「曖昧さへの耐性の旅」が近い

2016年10月24日 | ライフプランニングファイル

先日某顧問先で新任管理者向けに講話を依頼されて、「プロジェクトマネジメントのソフトスキル」というテーマで話をしてきました。

顧問先は土木設計や街づくりをビジネスにしている会社なので、プロジェクトマネジメント(PM)に係わっている人も多いのではないか?と思ってテーマに選んだのですが、実際にはPM関係者はそれ程多くなかったようです。

したがってPMの話がどれ程参考になったか分かりませんが、受講者の方がちょっと目を光らせメモを取っている部分がありました。

それは「プロジェクトマネージャーの資質として重要なものの一つに『曖昧さへの耐性』がある」という部分でした。これは「世界一わかりやすいプロジェクトマネジメント」という本にでてくる話なのですが、受講者の皆さんはこれまであまり聞いたことがなかったのかもしれません。

ちなみにこの本によると「変更管理の能力」というのも、プロジェクトマネージャーの重要な資質にあげられています。

最近マスコミで目にするとプロジェクトといえば、2020年のオリンピック開催や東京都の卸売市場の豊洲移転問題などでしょう。

どちらも「曖昧」な部分が多く、スケジュールやスペックがコロコロ変わっていくので、プロジェクトマネージャーの方の力量が試される場面が多いですね。

ビッグプロジェクトに較べると些細なイベントですが、今月末から私は地震で倒壊した小学校の復旧作業支援とトレッキングのため、ネパールに出かけます。小なりといえどもこれもまたプロジェクトなのです。

ネパールのような発展途上国に行くと、モノゴトが日本のようにスケジュールどおり進むことはまずありえません。これは人々が真面目に仕事をしていないからではなく、インフラ面や仕組み上に日本とは大きな違いがあるからです。

例えばネパールは慢性的な電力不足なので、しばしば停電が起こります。トレッキングに行くとロッジの燃料は薪に頼っているところが多い。

何時に朝食を食べたいか?と聞かれて「7時に朝食を作ってくれ」というとOK分かったという返事が返ってきますが、定刻に朝食が供されることはあまりないと考えておいた方が良いと思います。

彼らにとって7時はコミットではなく、努力目標なのではないか?と私は考えるようになりました。

日本のようにタイマーで翌朝のご飯の炊きあがり時間をセットしたり、スイッチ一つでお湯を沸かせる世界ではありませんから、当然なのでしょう。

しかし慣れるとそれはそれで悪いものではない、と私は考えています。日本の山小屋のようにギュウギュウの詰め込みで、食事は30分交替というのでは、山登りもベルトコンベアに乗っているようなものですから。

ということでプロジェクトマネージャーを目指す人には、ネパールのような発展途上国は資質を磨く絶好の道場だと思うのですが、日本では現役で働いている人が10日以上の連続休暇を取ることは至難でしょう。

ところがネパールではヨーロッパの若い人で1年程度の休暇(無給だが、元のポジションに復帰することができる制度)を取ってアジア諸国を旅している人に出会うことがあります。

旅をしながら彼らは自然に「曖昧さへの耐性」や「変更管理の能力」といったPMとしての資質を磨いている(結果として)のかもしれませんね。

 

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