金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

3兆円規模の介入で円急落

2011年10月31日 | 金融

10月31日月曜日。朝早い時間に75.35円という最高値を付けたドル円相場は、当局の介入後79円50銭まで急落した。安住財務相は「以前述べたとおり、為替市場の投機的な動きに対しては断固とした手段を取る」と述べ、介入を指示したことを明らかにした。

FTによると市場参加者の推定ではスポット市場での介入額は約3兆円。介入タイミングについては、日本の株価が堅調なことや米国の経済データが失望を招くものではなかったことおよび週末に予定されるG20会合を考慮するとやや意外感があったようだ。

FTは野村證券の為替ストラテジストの「これは単発の為替介入の可能性が高い。介入の継続はG20のフレームワークでは為替操作と看做される可能性が高いからだ」という言葉を紹介している。

急激な円安が輸出業者に有利なドル売り・円買いのチャンスを与えるため、介入効果は限定されるという見方もあるが、根拠の薄い円高に歯止めがかかると良いのだが・・・・

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朝からトレイルランの関八州見晴台

2011年10月31日 | 

10月30日某ロータリークラブのトレッキング同好会と奥武蔵の関八州見晴台から高山不動尊へハイキングに出かけた。朝家を出た時は青空が見えいわし雲が広がっていた。いわし雲は天候悪化の兆しだ。

9時半西吾野集合でそれに間に合う西武池袋線の快速急行に乗ったのだが、電車の中で本に夢中になっていて慌てて一駅手前の吾野で降りてしまった。次の電車は30分後でありタクシーを呼んでも飯能から来るので30分かかるという。そこで電車一本待つことにして、同好会のメンバーには携帯電話で先行してもらうことにした。

9時58分漸く西吾野到着。ここからランニングを交えて同好会を追いかけることにした。

Running

たまたまこの日は荷物や靴を軽くしていた。また最近買った歩きながら水を飲むことができる給水システムも持ってきていたので試す良いチャンスだ。

荷物を軽くしたとはいえトレイルランほど絞り込んでいないので、背中のザックが揺れてあまり走り易くない。それでもランニングと早歩きを繰り返して25分程で同好会に追いつくことができた。

10時30分大滝到着。

Ootaki

このルートには「高山の三滝」と呼ばれる3つの滝がある。大滝、不動滝、白滝だ。

滝を見るには少し寄り道になるので滝見物は大滝だけにして先を急ぐ。午後遅くなると雨が降りそうだからだ。

予定通り正午に関八州見晴台到着。

Miharasidai

天気が良いと新宿高層街や東京湾、富士山までみえるそうだが今日は雲と霞が多くてそれほどの眺望はない。

因みに関八州とは下野・上野・常陸・安房・下総・上総・武蔵・相模である。

ここで昼飯を食べてから、高山不動尊に参った。

Takayamahudou

境内のカエデは青々としている。紅葉はかなり先だ。

ここから一風呂浴びるために奥武蔵あじさい館を目指した。午後2時あじさい館到着。

Ajisaikan

朝の30分の遅れを取り戻して全て予定通りとなった。あじさい館のこの日の入浴料は半額の400円。温泉ではないが湯量の豊富な良い入浴施設だ。

だが残念なことに飲食サービスが実に貧弱だ。食堂は宿泊客のため3時で一旦閉まる。風呂から上がって小1時間位ビールが飲めると思っていたのに残念だった。後で聞くと施設は埼玉県のものということだ。立派な施設があるのだから民間に委託してサービスレベルをあげるともっと繁盛するのではないか?と思いながら送迎バスで吾野に戻った。

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自転車・温泉・蕎麦幸せな休日

2011年10月29日 | まち歩き

10月29日土曜日。快晴。山や遠出の予定はなく、自転車で多摩湖を往復することにした。8時半前に自宅を出てCool and niceな感じの朝、速乾性シャツの上に防風ベストを着けて多摩湖自転車道を快走し約30分で多摩湖到着。

Tamako

空気が澄んでいて奥多摩の山がよく見えた(写真では無理ですが)。

上り坂に少し汗をかきながら多摩湖の周りを一周する。タイヤの下で時々どんぐりが弾ける乾いた音がする。

プラタナスの葉は漸く少し色付き始めた。

Platanus

カエデは全くといって良い程紅葉していないが、例外的に一部色づいた木があった。

Kaede

多摩湖からの帰路ではハナミズキが色付いているのが目についた。

Hanamizuki

小平まで戻ったところで「ふるさと村」で自転車を止め、大福餅(110円)を買い一休み。小平は赤い昔のポストが多いことで有名だと説明書きがあった。

Post

10時半過ぎに花小金井の「おふろの王様」に到着。ここは天然温泉なのだ。露天風呂やサウナなどを順番に回ってゆっくりとお風呂を楽しんだ。

正午にワイフと待ち合わせて田無駅南口の蕎麦屋「進士」に行った。一口ビールを飲みながら「これが最高の贅沢だな」というとワイフは「人前でみっともない。大きな声で言わないでよ」と注意を促した。反論すると口論になるから反論はブログに書いておこう。

楽しみは人それぞれであり、小さなことに幸せを見いだせるのは恥ずべきことではない。

孔子は一番信頼していた弟子・顔回の行動を評して「賢なるかな回や。一箪の食、一瓢の飲、陋巷に在り。人はその憂いに堪えず。回やその楽しみを改めず。賢なるかな回や。」といった。

賢明だな、顔回は。路地裏に住みながら竹かご一盛りの飯と瓢箪一杯の水で満足している。一般の人であれば不安や悩みに耐えられないだろうが、顔回は道を求める楽しみを変えようとしない・・・・という意味だ。

幸いなことに顔回ほど困窮していないが、不幸なことに志は顔回の足元にも及ばない。だが晴れた秋の日の半日、クロスバイクで汗を流し、その汗を近くの天然温泉で流し、その後亭主が丹精込めて打つ蕎麦を頂きながらビールを飲む・・・・・・一瓢の飲に自足する心は持っている。遠出も悪くないが楽しみは身近なところにある。人生は豊だと思うひとときである。

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TPPの怪、騒いでいるのは日本の政治家とマスコミだけ

2011年10月26日 | ニュース

日本ではTPP(環太平洋経済連携協定)に関する政治家、業界団体、マスコミの動きが活発化している。新聞の紙面だけ見るとあたかも賛否両論拮抗しているかのごとき印象を受けるが、少し前の世論調査ではTPP支持派が6割で反対派は2割以下である。反対の旗振りをしている農協などは「TPPに入ったら日本の農業は壊滅し、地域社会も崩壊する」と激高している(日経新聞・春秋欄)そうだが、輸入食品に対する関税を見るとTPPで影響を受ける農産物は限られている。

精米(関税777%)、小麦(同252%)、バター(同360%)など高い税率が設定されている食品に対する影響は大きいが、それ以外の食品はそれ程関税は高くない。野菜や鮮魚は5-10%であり、鶏肉20%以下、牛肉で38.5%である。

米についていえば、以前「お米の雑学」というブログhttp://blog.goo.ne.jp/sawanoshijin/d/20101201に書いたが、同じ品質の米を比較すると米国の米は日本の米の価格の7割弱である。農水省の計算は品質の悪い中国の加工用米の値段と日本のうるち米を比較して日本の米作農家が壊滅するという無茶苦茶な理屈なのである(TPPに加入しても中国の安い米が関税ゼロで入ってくる訳ではない)。

TPPに参加して農産物の関税がゼロになっても(実際は直ぐにゼロになる訳ではない)、影響を受けるのは酪農等農業の一部の分野であるというのが正しい判断で、そのような分野については所得保障で対応することを考えるべきなのである。

農協の意見は農業従事者全体の声ではなく、農協に加入することでメリットを得ている農家の声なのである。

一方TPPに加入したからといって、工業製品の輸出が米国で増えると考えることも問題だろう。これらの分野の米国の関税は2%前後なので、関税廃止の効果はそれ程大きくない。少なくとも円ドル為替の影響に較べると、である。

さて興味深いことは、日本ではマスコミを賑わせているTPP問題だが、米国のマスコミを見る(例えばニューヨーク・タイムズでTrans-Pacific Partnershipを検索する)と、まったくといってよい程、話題になっていない(ニューヨーク・タイムズではヒットなし)。つまり米国通商代表部の一部を除いてほとんど関心がない・・・という状況である。

その理由は何か?と推測してみた。

・現在米国が参加しようとしているTPPのメンバー国はシンガポール、チリ、ブルネイ等で参加したとしても経済的効果は限られている。

・日本については過去日本が日米二国間のFTAに反対していて米国政府も優先順位を下げている。一方実質的には関税障壁はかなり低くFTAで得られる追加的経済効果は限られている。また日本のTPP参加に期待しても、裏切られる可能性が高い。

ところで昨年11月に米国の調査機関Pewreseachが行なった世論調査では、米国民の44%が「自由貿易協定は米国経済に悪影響を及ぼす」と考え、35%の人が「良い影響を及ぼす」と考え、21%の人は不明と応えている。世論の反対が多い米国(正確にいうとTPPではなく、FTA一般であるが)がTPPを推進し、世論の賛成が多い日本がTPPに及び腰というのはなんとも奇妙なものである。

☆   ☆   ☆

TPP参加の可否を声高に主張をする前に政治家やマスコミはもっと事実に基いた論理的推論を国民に提示するべきだろう(TPPの交渉内容は秘密なので交渉に参加しないと分からない部分があるが)。

そして国会議員の一票の格差を早く是正して、消費者としての国民の声が正しく政策決定に反映されるようにするべきである。

それにしても幕末にペリーが来日して日本は「夜も眠れぬ」(太平の眠りを覚ます上喜撰たった四杯で夜も眠れず)騒ぎだった時、米国民はほとんど無関心だったのだろうか?(その後咸臨丸が渡米した時は大歓迎を受けたが)

通商外交問題が異常なまでに反響するのが島国としての日本の宿命かもしれないが、通商外交問題を政治抗争や利権保護に使うと余り良い結果がでないことは歴史が教えるところだ。

コメント (2)
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ギリシャ国債6割カット~FT報道から

2011年10月25日 | 金融

FTは先週末欧州当局の交渉団がギリシャ国債の保有者に対して額面の6割カットを求めたことを明らかにした。これは3ヶ月前に当局と民間投資家の間で合意された内容よりもはるかに厳しいもので、強硬路線を主張していたドイツの勝利である。

これに対して欧州中銀やIMFはクレジット・デフォルト・スワップの引き金が引かれることで、パニックが起きるのではないか?と懸念を示していた。クレジット・デフォルト・スワップ市場は透明性がそれ程高くないのでどの金融機関が損失を蒙るか?と市場が疑心暗鬼になるからだ。

しかし土曜日の夜にフランスのサルコジ大統領、トリシェECB総裁は交渉団の代表ヴィトリオ・グリッリ(イタリア財務相幹部)と会い交渉の委任状を渡した。

サルコジ大統領の決断は大きな前進だ。次のステップは額面の6割カットがデフォルト・スワップ契約のクレジット・イベントに該当するかどうかという問題だ。ドイツ政府の幹部は「我々はクレジット・イベントとなることを回避するべく努力中だ」と述べている。

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